Pomoly Timberチタン薪ストーブを3回使った感想【レビュー】
【2020年11月17日更新】
こんにちは、ワイです。
オールチタン製の軽2.3kg薪ストーブ、Pomoly Timberを購入し3回使用しました。購入の経緯から海外輸送、組み立て、歪み具合から変色っぷりまで綴っていこうと思います。
さて、都心でも最低気温が一桁台に入ってきましたね。
趣味のキャンプは、実はこれからがシーズンです。
というのも、いつも使用しているキャンプ場は、夏場だと虫がわんさか飛ぶため、夜寝られません。
一度、蚊帳を張って寝て見たのですが、一晩で30箇所くらい刺されてシャレになりませんでした。
その点、気温が下がる秋口からは虫が落ち着くので絶好のキャンプシーズンとなります。
ただ、夕暮れが早くなり寒いので暖を取る必要がありますよね。
そこで薪ストーブ。
テントの中で燃える火を見ながら暖まれるのは至高と言えるでしょう。
※テント内で薪ストーブを使用することは推奨されません。やるなら自己責任の下、必ず一酸化炭素警報機と十分な換気を行ってください。
今シーズン、僕はPomoly Timberというチタン製の薪ストーブを購入しました。
購入の経緯から、実際に3回使用した現状をレビューしていきたいと思います。
1.購入の経緯
昨年はホンマ製作所のクッキングストーブRS-41を使用していました。
理由は「安いから」につきます。
というのも、僕が本格的にキャンプをスタートさせたのは昨年からで、どうしてもギヤを揃えるのにお金がかかります。
テント、コット、ライト、まあいろいろ揃える必要があるわけで。
正直、予算が厳しくなってきたので薪ストーブは「自作しようかな...」なんて思っていたのですが、自作するとなるとパーツ代が思いの外かさむことが判明しました。
だったらホンマの薪ストーブを買った方が安い、ということで購入したわけです。
鋳鉄製なので暖まりも良かったのですが、如何せん重いしデカいので持ち運びは車でないと無理ですし、それも場所をとります。
というわけでホンマさんには1シーズンで退役(売却)いただき、今季は軽量で持ち運びが便利、さらには産廃にならない素材の薪ストーブを購入しようという流れになりました。
いろいろ調べた中で、耐熱性が高く上記の条件を満たすものとなったときに見つけたのがPomolyの薪ストーブでした。
横窓から燃える火を眺められるというのが魅力的で、Winnerwell Nomad View S-sizeの薪ストーブも検討したのですが、分解組み立てが可能でさらに軽量というところがPomolyをチョイスした理由です。
薪ストーブは使用後に掃除をしないと、保管する際に家が汚れてしまいます。なので整備性と掃除のしがっては結構重要だと思っています。
Winnerwell Nomad View S-sizeは完成した状態でケースへの出し入れが可能というメリットがありました。分解組み立ての工数は削減できますが、掃除のしやすさを僕は採用しました。
んで最初はPomoly T1を購入する予定でしたが、8月過ぎにPomoly TimberというT1よりも軽量で、総重量は2.3kgという持ち運びにも優しいモデルが登場したのです。
T1は文字通り壁面の厚みが1cmの仕様でしたがTimberは0.5cmと半分の薄さ。
値段はT1が¥51,600でTimberが¥47,800と安価なのですが、正直なところ耐久性の面で悩みました。
もっとも温度が高い炎の先端は最高で1300度に到達するとデータには書かれていました。チタンの耐熱温度は1600度を超えており、ステンレスのWinnerwell Nomad View S-sizeは1300度を下回っていたため、理論上はチタンの方が良いいわけです。
ですが如何せん板が薄い。
が、あることに気付きました。自力で軽量化するのは無理。歪みは機械的に直せる。
というわけで、ある程度、歪むことは覚悟してTimberをポチることにしました。
2.Pomoly Timberの到着
購入をクリックしてから約2〜3週間後に到着しました。
ホームページ上には15〜30日かかると記述されていたので概ね予定通りだったのかと思います。
予定通りでなかったのは、僕の英語名が誤記されていたせいで、商品が税関で迷子になったらしく、それで配達が遅れたらしいです。(失笑)
まあ、ちゃんと届いてくれて良かったと思います。
梱包の具合ですが、まるで日本人が梱包したんじゃないかってくらい頑丈かつ丁寧、というか過剰包装でした。
側は分厚い段ボールで、隙間ができないようビニールテープがしっかりと固定されていました。
素手でテープをちぎるのはとてもじゃないですが無理なレベルだったので、みぞにカッターを滑らせて開封の儀。
中を開けると、これまたしっかりと梱包材に包まれたTimberさんの部品たちが収まっていました。
特に煙突のテーピングが個人的にはツボで、サランラップのようなビニールでガッツリとぐるぐる巻きにされていましたよ。
本体側面の窓ガラスに傷なんて一切ありません。海外輸入にいまだ心理的な抵抗がある僕にとっては満足のいくサービスと評価しています。
3.組み立て
さて早速、キャンプで使ってみます。
その日は半袖では肌寒く、少し厚手の上着が一着ないと夜は厳しい天候でした。
なので使用テストにはもってこいの環境と言えます。
早速、本体を組み立てます。
壁面プレートのそれぞれには窪みがあって、そこにプレートを差し込んでいくシンプルかつ剛性を保てる設計がされていました。
ちょっと入りづらく感じることがあるかもしれませんが、このときにプレートを捻らないよう注意してください。
せっかくの窓ガラスがパリーんといくかもしれません。
組み立てたら、天板と底板を繋ぐ全ネジを四隅に通し、固定すれば本体の完成です。
で、最初に厄介なのが煙突を巻く作業です。
出荷(収納)状態の煙突は、長手方向に巻かれています。これを円周方向に巻き直して煙突にするのですが、最初は煙突にクセがついているため、筒を徐々に斜めにしながら長くしていきます。
と、文章にするのは簡単ですが、手間取ると思います。
2回目以降は、煙突としての長手方向にクセがついてくれるので収納も設営も簡単になる仕様です。
組み立ての様子は下部の歪みチェック動画を参考にしてもらえれば幸いです。
4.サイズ感と重さ
リュックに入れて運んだのですが軽さが印象的でした。これなら公共交通機関など徒歩での利用にも申し分ないですね。
見た目はやはりコンパクトなのですが、ジョイフルホンダに売っていた35cm長の薪はぴったり入ってくれます。
最近発売されたTimber miniは長さが30cmとTimebrよりも8cm短いため、市販の薪が入らないのはちょっと心配ですね。
ちなみに北欧は販売される薪のサイズが規格で決まっているらしく、それに合わせて設計・商品化されたんじゃないかなぁとも思っています。
さて早速、テントイン。
テントはBlack Orcaの模倣品?Aricxiというワンポールテントで、初めから煙突用の穴が設けられています。
煙突の干渉ガードですが、Black Orca用に販売されていたグラスウール性のガードをその穴にマジックテープで固定し、そこに煙突を通しました。
ちなみにガードの穴は直径120パイくらいあるので、Timberの煙突はだいぶガバガバ。ホンマのクッキングストーブでも余裕で通せそうです。
5.火入れ
いきなり温度を上げるとプレートが熱変形を起こしやすい、と、どこかの記事で読んだので、火入れはオーソドックスに、小さな火を徐々に大きくする方法でやりました。
伝熱性が低いと言われるチタンでしたが、火を入れたら割とすぐに周辺の温度が上がってくれてポカポカです。
当初は長袖を着ながら作業していたのですが、その後10分くらいで半袖になれるレベルでした。
空気の流入量は薪入れ口のスリットで調節できますし、本体から煙突へ繋がる空気弁の解放具合を調整してやれば、本体・燃焼室内の空気が逆流することもありませんでした。
隙間もなく煙漏れがなかったのは評価ポイントがすごく高いです。
文句を一つ挙げるとすれば、地表付近の温度は上がりづらいという点です。矛盾した話ですが(笑)
暖かい空気は上方に登りたがるので、必然的に下部からはテントの隙間から新鮮な空気が入ってくるため、そりゃあ寒いです。
これは物理現象なので薪ストーブに文句をつけるのが筋違いと言ったところ。
ちなみにこれを打開するアイデアはすでにあって、上方にファンをつけて、下部へ空気を送ることです。
こうすれば暖かい空気を頭の上から浴びられるので、熱風シャワーを浴びられると考えます。これはそのうち実験したいな。
6.ヒヤリハット
あ、ヒヤリハット案件を一つ思い出しました。
薪をくべまくって空気弁を全開にしていたら、いい感じに火が燃え上がってくれました。ただその火が煙突を熱し、熱された煙突が変形をはじめ、最終的に煙突が傾く事態になりました。
グラスウールの耐熱シートが付いているとは言え、これでは高温の煙突が部分的にテントの幕に触れ、最悪火災を引き起こす事態になりかけました。
すかさず煙突とテントを即席のテントガードでクリアランスを確保し大事には至らず。以降、煙突が動かないようにあらかじめテントガードを設けることにしました。
追記:11/17
スチールの空き缶を使って煙突ガードを作成しました。
本音を言うと、ホームセンターで販売されている傘立てとか、煙突ガードとしてamazonなどで販売されている通気口が設けられた縦長のパーツを使いたかったです。
空気の膜を作れますし、隙間から熱気が外に逃げてくれるので部材に熱が溜まらず安全性が高いと言うメリットがあります。
ですがコンパクトで持ち運びがしやすく安価に済ませたかったので空き缶を使用しました。文字通りスチールなので伝熱性が高く、設置する場所と燃焼具合によっては、例えグローブをしていても触れなくなるくらいまで高温になる可能性もあります。
私は割と火や熱に強いコットンテントや、煙突ガードを、煙突の高い位置に使用することで熱対策をしており、3回以上使用した現在でも快適かつ天幕に一切のダメージを与えておりません。
7.調理/伝熱性
さてさて、せっかくストーブがあるのだから料理もここで楽しみたい。
冬の時期はやっぱ鍋ですね、ダッチオーブンでキムチ鍋を作ることにしました。
ただですね、これも実験なんです。
というのも、伝熱性の低いチタンが果たしてどこまで熱されてくれるのか、そしてダッチオーブンを通じてキムチ鍋は沸騰してくれるのかどうか、という疑問がありました。
初めて使ったときには、試しに水を入れたシェラカップを置いてました。その際にはうまく水が沸いてくれたので、まあ大丈夫だろうとは思っていましたが。
で、結論いうと、沸騰してアツアツの鍋を食べることができました。
ただし沸騰するまでに結構時間がかかりました。薪は結構な量を燃やしましたし、空気は常に全開で流入させ、目一杯火を焚きます。
まるでラピュタの鉱山でパズーとシータが頑張ったように。
とまあセルフラピュタを楽しめるのも薪ストーブの醍醐味でしょうか。
この時外気温は10度近くまで低下していましたが、中は半袖で全然OKでしたね。
ちなみに、鍋の中に餅を溶かしていたのですが、餅が溶けた汁が沸騰した勢いで天板に溢れ、焦げ目がついてしまったのはいい思い出です。
きれいにするのがメンドイですが。
8.歪み
アツアツの鍋とアチアチの煙突に一喜一憂したキャンプも終了。
今日これまで3回ほどPomoly Timberを満喫しました。
そこで購入前に懸念したプレートの歪みを見ていきましょう。詳しくは以下の動画です。
予想としては、高温の炎が当たる天板が先に歪むかなあなんて思っていたのですが、実際に歪みが酷かったのは底板でした。
見ての通り、捻るとペコペコいうレベルです。
天板も、補強リブが入っていますがやっぱりしなりますね。
ただTimberさんのいいところは、単体だと歪みが酷くても組み立ててしまえばきちんと箱になって使用できる点です。
これくらいの歪みは想定の範囲内ですし。
というかチタンやスチールなど、鋳物や鉄以外の薪ストーブはどうせ歪むものだろうなと思っているわけです。
あまり歪んだ状態のキャンプ用薪ストーブは見たことがないですが、過去にスチールの一斗缶で焚き火をしまくったいたら、もれなく歪みました。
なのできっとWinnerwell Nomad View S-sizeでも歪んでいたんだろうな、と妄想しています。
とまあネガティブなことも触れておきましたが、この欠点を飲み込んででも軽量コンパクトな薪ストーブは掃除や手入れもしやすく収納にも優しいので重宝していきます。
冒頭でも書きました通り、歪みは物理的に修復できても軽量化するのは僕のような素人では無理だと考えていたので、この選択は結果から見ても納得いくものになりました。
強いて言えば、修正不可能な歪みや、穴が開くなどの現象がいつごろ起きるのか、怖いもの見たさ的に楽しみでもあります。
きっとPomolyさんはこれらを見越しているから、最近別売で壁面プレートと窓ガラスの2枚セットを販売するようになったんですかね。
修繕部品で儲けるとはメーカーの鏡ではありませんか。
とまあ今冬はTimberさんと一緒にキャンプを楽しんでいきます。
9.冬キャンプへの適応力
薪ストーブを購入した最大の理由は、寒い夜を快適に過ごすためでした。
先日、気温が1℃以下まで下がりまして、そこでPomoly Timberを使っていたのですが、非常に快適。
テント内の温度は最高で28℃に到達。天板で炒め物、湯沸かし、さらにはアップルパイまで作れる最高のシチュエーションを実現できたのです。
強いて文句をあげるとすれば、調理にはスキレットではなくクッカーを使用したので、天板からの熱が伝わり、容器が温まるまでには時間がかかりました。
最終的には薪をたくさん使って火力を上げたことで、ジョイフルホンダで買った薪の半分を使い切ることに。
まあ燃費に文句を言っていたらこの手の薪ストーブは使えませんし、一斗缶など使ってコンパクトなものを自作する方が良いかもしれませんね。
10.失敗談
薪ストーブのピザ窯化を試みました。失敗したくない方、ご参考にしてください。
新たな経験・エクスペリエンスがあったら追加していきますので、よろしくお願いします。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。