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【納得】被災地でいらなかったもの
パンデミック、豪雨、災害を目にすると非常に心が痛む。そんな彼らに何かしらの支援をしたいと思える心はつねに持っていたい。
が、時としてありがた迷惑になることも事実だ。たとえば昨年の『令和元年房総半島台風』では、千葉県の沿岸地域を中心に大きな被害を出した。
特に目についたのが、暴風で屋根を吹き飛ばされてしまいブルーシートで覆われた家屋の様子だ。天井がブルーシートに様変わりするというのは想像がつかないし、一生涯、経験したくないと思う。
このブルーシートを覆う作業をしてくれたのはボランティアの大工さんが中心だ。
というのが表向き。
実際には何人かの素人さんがご好意でシートを覆う作業をしてくれたようだが、留めが甘く、直後の強風でシートが吹き飛ばされてしまい、結果的にプロの大工さんに再び修繕作業をしてもらうという二度手間が発生していた。
助けようとしてくれる気持ちは本当にありがたい。が、時として無駄骨に終わり、極端だが期待を裏切られた感が生まれるのは事実だ。
場所を避難所に置き換えてみよう。
支援物資と思わしきダンボール箱が届いた。中身を開いてみたらなんと、千羽鶴。
正直、すぐに欲しいのは水や生理用品だったりする。
人様がきっとせっせと作り込んでくれたのでしょう、すぐに捨てる気にもなれない。が、捨てないと場所を取って邪魔になる。
結局は焼却処分されたという末路を聞く。
こちらが良かれと思って送った支援物資は、被災地では「いらなかったもの」だったりするのだ。
昨年の千葉での台風、一昨年の熊本での災害と、それがツイッターのトレンドに入っていたので振り返ってみる。
内容は以下の通りだ。
・千羽鶴
・寄せ書き
・生鮮食品
・お米など調理が必要なもの
・賞味期限がわからない食品
・辛いラーメン
・明らかな古着
・季節外れの新品の服
・周波数の違う家電
なるほどと言わざるを得ない。
結論から言うと、現地で一番貴重なものはマンパワーだ。
支援物資が大量に送られてくると仕分け作業が発生する。荷札に品物が書いてあっても、それを見る作業、重い箱をヒーコラ何百個も移動させる作業は、佐川急便の兄ちゃんですら大変な作業だ。
水や食料が必要な現場において、エネルギーを消費する作業は可能な限り無くしたいのが本音だろう。
水、場所、電気を要してしまう物資は、考えものだ。
一方で「これは見事!」と思った取り組みがある。それが、Amazonの欲しいものリストだ。
被災地側からの発信で、必要物資が不足している際にその品物と数をAmazonの欲しいものリスト・支援リストとして情報開示されると、支援者はそれを購入することで心ばかりの援助をすることができる。
義援金を送った方が、当人たちが自由に使えるメリットもあるが、どうしても目に見える形で支援をしたい方にとってはAmazonの支援リストを活用するといいと思う。
さて現地へ応援に行くときは、現地の受け入れ態勢が整っているかを確認してから行くことだ。現地のインフラがどれほど回復しているのかを知る必要がある。
自分が保有する能力と、要求される能力が合致しているか、確認してから、義援金なのか現地に向かうか決めるのがスマートに思う。