パイプラインを築くこと
今週に入り、アマゾンで取り寄せたこの本を読んでいる。
筆者の父親はキューバ人であるが、12以上もの事業を動かしていた起業家だったそうで、キューバの中でも最もお金持ちの一人だったという。しかし、カストロが政権に就くと、全ての事業も銀行口座も奪われてしまい、ジャマイカへと亡命することを余儀なくされた。もちろん、築き上げた財産はなく、来ている洋服だけという状態に。この筆者の父親はOwnershipは独立と自分の生活をコントロールできることを意味すると息子（筆者）に教えていた。
Your pipelines are your lifelines!（パンプラインを持つことが自分の命綱だ！）とよく筆者に言っていたそうだ。
この「パイプライン」という言葉が、この本を理解する上でのキーワードである。
この「パブロとブルーノ」の話である。この同じ村に住む二人が、夢を現実にするチャンスを探しているときに、村長が募集していた山奥の泉からふもとにある村まで水を運ぶという仕事に応募して働くことになった。その給料は運んだ水の量によって決まるというものだった。
二人はバケツをもって泉と村の間を何度も何度も往復した。夕方になるとその日の給料をもらって家に帰るという毎日だった。
ブルーノ・・・この仕事に満足していた。バケツをもっと大きくすれば、水をたくさん運べるので給料を増やせると考えた。そして給料が増えれば夢がかなって牛や家が買えると信じていた。
パブロ・・・仕事に納得していなかった。仕事が終わると腕や腰が痛くなっていた。もっと効率よく収入を作れる方法がないかと考えた。泉から村まで水道管（パイプライン）を作って、バケツがなくても水を運べることを思いついて、すぐにその作業に取り掛かった。
パブロは、ブルーノを誘ったが、断られた。今の給料をすぐにもらってすぐに使うことを考えていた。時間がかかってしまうと反対した。そしてブルーのは、バケツの量を増やして水を運びつつけた。パブロは時間がかかるとわかっていたが、地道にパイプラインを作ることを選んだ。完成には何年もかかるんだということもわかっていた。それでもパブロはパイプラインを作ると決めた。平日はバケツで水を運び続けたが、平日の夜や週末はパイプラインを作る時間を費やした。
パブロは、周囲からパイプライン男とからかわれた。ブルーノは、給料が二倍になっており、牛も家も保有した。ブルーノは、稼いだ給料で毎晩バーに飲みに行っていたが、毎日の重労働により腰が曲がって、体が弱っていた。そしていつの間にか、運べる水の量も減っていた。
パブロは、地道にパイプラインを作っていて、1年、2年と過ぎた。パイプラインが完成し、パイプラインを通して村に水が流れ続けることになった。バケツで水を運ぶ必要もなくなった。水が流れる限り、お金が入り続けるようになった。
このパブロとブルーノの話は我々の仕事の仕方、収入の取り方の違いを表している。
一般的な人（ブルーノに当たるが）、今の収入を増やそうと思ったら、バケツをより大きくする（仕事量を増やす、残業をする）という手段を選ぶ。バケツを大きくするために、出世を目指したり、転職したりとする。しかし、それをしても給料をもらうために、自分の時間を切り売りしていることには変わりないのである。これが私たちの殆どがしているワークスタイルである。
しかし、誰でも一日24時間しかない！全てを仕事に使うことはできない。
問題は、病気、レイオフ、定年を迎えると収入がストップする。
一方、パブロは、時間をかけてパイプラインを作ることにフォーカスした。なぜならば、パブロはパイプラインを作れば、水が通って継続的な収入になることを知っていたからだ。毎日使った時間が何倍にもなって権利的収入になって戻ってくることを知っていた。仕事をしていても、いつか、病気、定年、リストラなどで仕事がなくなる日が来ることを知っていたのである。
パイプラインが開通した後は、水の流れを止めないで、管理維持することに努めた。時間を切り売りしないで、効率よく人生を設計していくためには非常に重要な考え方である。
この、「Parable of the Pipeline」の本に書かれている内容を引用させて頂くと、「レバレッジ」という言葉がある。皆さんもご存じだと思うので、説明するまでもないと思うが、レバーが語源で、もともとフランスでは「軽くする、軽減する」というのが元来の意味。
これを時間とお金に置き換えると、複乗効果が望める。レバレッジの概念を活かすことで、より効率的に働くことにフォーカスできる(一生懸命ではない)。自分のかけた時間やエネルギーをmultiplyして結果を出していくことができる。
時間にレバレッジをかけることが人間にとってのパイプラインだ。金持ちだろうと貧しかろうと、男性だろうと女性だろうと、黒人だろうと白人だろうと、大卒だろうと高校中退だろうと、時間はみんなに平等に与えられてる。
世の中には時間を無駄にしている人が多い。だからまずはマインドセットが大切。
続きはまた後日書く。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？