#12 『彼女が好きなものは』 Review
久しぶりに邦画で心がときめいた。今の時代に必要な作品。生きる、エネルギーに満ちていました。
ポスターは2種類あるけど、僕は青バージョンが好き!
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映画監督の私、堀河洋平が撮る1分動画を始めました🎬
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これまで電車やバスを貸し切り、障がいのある方々と東京オリンピック&パラリンピックのボランティア研修動画や、交通バリアフリー、社会モデルの理解、認知症サポーターの記録、SDGs啓発、東京都のCMなど動画を制作してきました。
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さて本題です。
『彼女が好きなものは』
(2021年|日本|121分)
私キャッチコピー
人生の交差点、見た目と想いは裏腹に。それぞれの愛は星をも超える。
出会い
TOHOシネマズ・auマンデイ
感想
ネタバレあり
バリアフリー予告編
今まで観てきた青春映画とトーンが違うのが新鮮で美しかった。逆になぜこれまでマイノリティが主役でダイバーシティ的ムービーが無かったのか不思議に思える。
とにかく深い。ゲイの話から家族の在り方まで考えさせられました。最期はアパートで一人孤独死、という台詞を高校生が言うなんて。僕が高校生のときは、そんな想像すらできなかった… こういったことを考えているクラスメイトがいただろうか? 気づきもしなかった。
日本が抱える社会課題をこれでもかと後半たたみかけてきます。最後は伝説の学園ドラマ『3年B組 金八先生』の卒業式を彷彿とさせる愛の熱弁があり泣いた。山田杏奈さんのクローズアップがとても良い。息遣いもリアルだった。映画館にいるはずが体育館にいる錯覚さえした。
自分の学生時代も思い出してしまった。小学4年生のときバスケットボール部でした。2こ上の山口先輩に憧れていました。好き、という感情とはまた微妙に違うんだけど、だから病室での母の台詞はよく分かります。話しかけられると嬉しいし、ああなりたいとか思ったし、真似してたし…。
主役の神尾楓珠さんや、他の出演者のことをあまり知らないので、先入観なく物語に集中できた。途中から僕にはまだ子どもはいませんが、親の立場で見守るようにスクリーンに向かって頷いていた。
エンドロールが流れても最後まで席を立たないでね。やっぱりラストカットにアレを持ってきたかと待ちかねていました。諸々細かいところまで伏線回収もできていた。観終わった後、ひとりささやかな拍手を贈りました。
先行上映イベントの様子
4人で登壇したんだからサムネイルに草野翔吾監督も入れてあげて〜! というか最後のラムネが溢れるところアドリブだったのか、すげーエピソード!!
13分55秒〜 要チェック
監督コメント
映画を観て《多様性・ダイバーシティ》を感じる人もいるだろう。しかし、この地球上すべてが多種多様であることから、多様性のその先を考えることが大切なんじゃないかなと思う。だからマイノリティと多様性を結びつけることがよくあるけども、僕はあまり腑に落ちていない。
話を飛躍すると、宇宙から見たら地球そのものがマイノリティってことにもなるかもしれないからね。宇宙ひろし!(YouTubeの生配信でよく喋っていたよ)
だから「ゲイの星」の話題が出たとき「そうだよね!」と前のめりになった。
エンタメから肌感覚で人間の生きづらさ(摩擦)を学ぶことは大事で、自分に置きかえると想像力が鍛えられる。
あと回想シーンの入り方が上手い! あのやり方は今後真似するかも。自然すぎて違和感なし。もうエフェクトいらねーじゃん!
ひとつ個人的な意見として、安藤家の祖父か祖母を登場させてほしかった。ひとつ上の世代が入ってくることで、時代観や家族についての言葉の重みが変わってくると思いました。これがドラマだったら10時間以上描けるので深掘りできたのかも。(原作では出てるのかな?)
ちなみに『パーフェクトワールド 君といる奇跡』は、先にドラマ版を観て、その後に映画を観たので映画は展開が早いというか、ドラマのダイジェストを追いかけているようでした。
ヒロインの山田杏奈さんは『屍人荘の殺人』で重要な役を演じていましたね。
マニアックコラム
ロケ地がもう池袋のアニメイトとかサンシャイン水族館とかたまに行く所で、こういうアングルで撮っているんだと構図を観ていました。たまたま映画を観る前、タイムリーに池袋のアニメイトで画材を購入していた。
よみうりランドは日本映画学校時代、ご近所だったので何回も行き、あのジェットコースターとお化け屋敷はスリル満点で当時を思い出しました。映画を観ながら脳内で聖地巡礼をしている始末。
冒頭クリストファー・ドイル風の撮り方が少しありましたね。映像の印象が180度変わるので、やり方としては危険な場合もあるけど違和感なく僕はあのカット好きです。僕も新作『地球の声』でドイルカットやりました。
今井翼さんを久しぶりに観て、いい意味で前情報を抜いて鑑賞したので最初誰だか分かりませんでいた(笑) 月9『ブラザーズ』の番宣で『めちゃイケ』で岡村隆史さんとロボットダンスをしていた姿が懐かしい!(覚えている人います?)
コロナ禍に誕生した素晴らしい作品に乾杯! ただの青春映画と思って観ていると、度肝を抜かれます。ポスターがそんな気にさせるからね。
原作も読みたくなりました。
原作:浅原ナオト「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(角川文庫刊)
お知らせ
【速報】
12月26日(日)午後から、某オンラインイベントに30分ほど出演します。僕のFacebookで共有するので覗いてみてくださーい!
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ダイバーシティ映画のスタジオウーニッシュ代表
映画監督 / 映像作家 / 介護福祉士:堀河洋平
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