見出し画像

#1 『プロテクター』 Review

これまでTwitterや、Instagramに投稿してきた「セッキーの電影Review」を詳しくしたコラムをnoteに書こうと思います。(セッキーとは私のニックネームです)

最近の映画や、私の好きな香港映画などジャンルは問いませんが、マニアックな内容になるでしょう。今後は映画監督としての考察や、障害者のバリアフリーという視点でもお伝えできたらとより構成を深めます。
さて、何を思ったのか最初の投稿はこの映画です。なぜかまた観たくなったのです! ではどうぞ🎥

と、その前に一言だけ。
今、新型コロナウイルスの影響で映画業界にもかなりのダメージが及んでいます。#SaveTheCinema 「ミニシアターを救え!」プロジェクトに私も署名しました。このような活動があることを知ってください! そしてご賛同いただけましたら幸いです。

映画はいつもあなたの前にいます。映画のない人生はあり得ません。映画と共に!
そんな意味もあって映画のこと、もっと書きます。


①作品詳細

『プロテクター』
原題:The Protector / 中国語題:威龍猛探
(1985年|アメリカ|95分)

●出演
ビリー・ウォン:ジャッキー・チェン(2016年 アカデミー名誉賞を受賞)
ガローニ:ダニー・アイエロ(ゴッドファーザーPARTⅡ、レオン)
ハロルド・コー:ロイ・チャオ(インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説)
サリー:サリー・イップ(ロボフォース 鉄甲無敵マリア)
リン:ムーン・リー(霊幻道士)

●スタッフ
制作総指揮:レイモンド・チョウ(香港映画の父)
脚本:エドワード・タン(ジャッキー作品ではお馴染み)
監督:ジェームズ・グリッケンハウス(エクスタミネーター)


本作は小学4年生ぐらいの時に初めてテレビで観ました。その後レンタルビデオで観て、ニューヨークで購入したDVDでも観て、今回ブルーレイであらためて鑑賞💿 これまで30回は観ています。

画像4

ブルーレイ 表

画像5

ブルーレイ 裏
個人的にはムーン・リーのスチールを入れてほしかった。

画像6

ブルーレイ 中(リバーシブルジャケット)
盤面ビジュアル、もっといいスチールでデザインしてほしかった。下向いてる...

画像7

2003年1月、ニューヨークに1ヶ月ほど旅していた時があって、たまたまUS版を発見して購入。当時はYouTubeもやってなかったからこのDVDは超貴重だった。今はブルーレイに各国のバージョンが収録されてあって便利な時代になったね💿
DVD 表

画像8

DVD 裏

画像9

DVD 中
チャプターがずらり!


②新しい発見

①ジャッキー本人の広東語の肉声が聞ける作品としては『ポリス・ストーリー3』(1992年)よりこっちの方が早かった!?

②冒頭のサウスブロンクスでトラックの中身を強盗する一味に軟骨無形成症の人たちがいた。アメリカ映画には必ず障害者を出演させるというルールがあるらしい。日本で障害者が出ていたらそっちに目がいくから出さない、という土壌が今まであったけど東京パラリンピックを機に変わるだろう。

③冒頭のボートチェイスでマース(火星)が吹替をしていた。エンドロールにもMARSのクレジットあり!

画像3

1998年1月、香港が中国に返還された最初の年。
JCファンクラブのパーティーで火星さんと👍


③解説

さて、この作品が面白いのはアメリカ版とアジア版とでは全く内容が違うということ。バイオレンスやエロティックな要素が多かったアメリカ版をアジアでは公開することができない!
ジャッキー側はワーナーに交渉して撮り直す許可をもらい、ジャッキーが監督としてアジア版を完成させます。この辺りの完璧主義は度を越して凄いの一言。
ジャッキーの判断は正しく、一旦完成したアメリカ版をそのままアジア(特に日本)で公開したらファンは一気に減ったと思う。例えるなら『酔拳2』(1994年)の中国版のラストに似た衝撃で耐えられないだろう...

このように国によって内容を差し替えたり、編集が違うのはジャッキー映画にはよくあること。
『ドラゴン・ロード』『奇蹟』『新ポリス・ストーリー』『デッド・ヒート』も構成が違ったりして比べると面白いですよ。DVDやブルーレイにはディレイテッドシーン(削除場面)も収録されてあり楽しめます!
そういえば『酔拳2』のクライマックスもラウ・カーリョンが演出したものが気に入らなく自費で撮り直しました。撮り直す前のバージョンは今のところソフト化やネットでも観れず本当のお蔵入りになっています。気になる!

特典のいいところは当時の日本版予告篇なども観れること。今ではちょっと恥ずかしくて考えられないようなコピーとかバンバン打ってきます。《激突撮影中!》って何 笑 まぁ時代背景などもあるのでしょうが笑撃です👍

この動画はブルーレイに未収録の香港版の別タイプ予告篇
後半の音声が『バトル・クリーク・ブロー』(1980年)の日本版予告篇になってるのはWhy? ファンなら気付くレベルだね💡

アメリカ版にはない香港の空港シーンで、よ〜く観るとジャッキー組のスタッフが出ています。内トラで他の作品でもちょこちょこ見かけて、もはや【ナンちゃんを探せ!】状態で何度も見返すとめちゃくちゃ再発見があるのもジャッキー作品の醍醐味! ちなみにここでは『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』(1988年)の飛行機に乗り込んでジャッキーの横を通る乗客が同じような乗客役で登場。もはや空港シーンではこの人お約束かっ!

香港版のエンディングへの入り方は音楽もアメリカ版とは違ってカッコいいのにエンドロールがかなり短い! 自主映画並みのコンパクトで速攻《劇終》になります。余韻はありませんのでその辺りも楽しめます 早ッ💨 こんな少人数で作ったの 笑

画像20


あ、ちなみに監督のグリッケンはアジア版では削除されていますが、お寺に訪問する前の全景カットで通行人として出演しています。

ソフト化のエンコーディングによるものか不明ですが、アジア版のラストバトルのカット割りはアメリカクルーが撮ったカットは赤身がかっていて、アジアクルーのは青味強めです。どのカットが追撮されたのか分かります。なるほど、勉強になるなぁ。足りないカットが何なのか? アクションのカット割りを勉強したい方は真似しよう!

アジア版にはムーン・リーの熱演や、カトパンにそっくりなサリー・イップも登場し盛り上げてくれます!

アジア版?(日本だけ)テーマ曲が凄くいいんですよ♪
小学生の時、お母さんにカセットテープを買ってもらい何百回も聴いていましたね。他のジャッキー映画の主題歌も収録されてあって、よく友達の前で歌ったものです♪ 部活の帰りとか🏀

この曲ではないんですが(探したけどネット上にない)
メインテーマ:めっちゃテンション上がります!


画像10

たぶん超レアな当時のチラシ
高校生の時、通販で片っ端から買っていました。1枚80円で取り寄せてくれます。中には150円のもあった。熊本の映画館では入手困難だし。あの頃は通販...楽しかったなぁ。ネットなんてない時代(まだポケベル!!)東京の会社とハガキでやりとり!

画像11

併映のチョイスが凄い!
もしUS版だったらあり得ない組み合わせですね。子供は本作観れないですから

画像12

ティーザー チラシ 表
〈激闘〉ロードショーってとこがいいですね👍

画像13

ティーザー チラシ 裏
1985年はこれから怒涛のジャッキー・イヤーです!
その後『ポリス・ストーリー』『ファースト・ミッション』『大福星』『七福星』と5本も公開されたんですよ。合間にけっこう歌手として歌もリリースしています♪ 確かプロデュース作品もあって一体いつ寝ていたんだろう。

画像14

メインビジュアル
めちゃくちゃCOOLなデザインです✨ 危機また危機! いつもだけど👍
やっぱりムーン・リーがいない...

画像15

メインチラシ 裏
ノンストップ・イベント誕生〜〜〜
カタカナの小分け〜〜〜! もはやパズル?状態!


④日本語吹替について

ジャッキーはもちろん石丸博也さん。共演のダニー・アイエロは何と玄田哲章さん! これはソフト用の新録? 確か小学生のときにゴールデン洋画劇場で観たのは別の人がダニーの声をやっていたと思う。ウィキペディアで調べたらやっぱり青野武さんでした。『霊幻道士』のラム・チェンイン道士さまの声が印象的!
ただ石丸玄田コンビの本作もいい! 玄田さんは主にアーノルド・シュワルツェネッガーや、シルベスター・スタローンの声でお馴染みですよね。なのでアクション映画ファンにとってはゴールデンタッグで聞き応え十分です。目を閉じてラジオドラマとしても成立します。複雑なストーリーではないですから。


気になるのが本作はカンヌ国際映画祭で上映されていますが、何バージョンが扱われたんだろう? まさかUS版!? 観た方いますか?

画像19

ダニー・アイエロさんは昨年12月12日に医療施設にて感染症のためお亡くなりになりました。86歳とのこと。ご冥福をお祈りします。このスチールかっこいいですよね! なぜか本作のビジュアルを思い浮かべるとこのスチールが上位で出ます!

ジャッキー兄貴は先日、4月7日に66歳の誕生日をむかえました。Happy Birthday大家🎂

画像1

2001年のJCファンクラブのパーティーにて @LasVegas
『ラッシュアワー2』の撮影の合間


⑤ジャッキーから学ぶ

本作は興行的には失敗とされていますが、今観るといろんな発見があっておすすめです! この10年後、ジャッキーは同じニューヨークを舞台にした『レッド・ブロンクス』(1995年)でアジア映画初の全米No1という快挙を遂げます。

「自らハリウッドに進出していたけど失敗が続いた。でも10年後、アジアで頑張っていたらアメリカ側から映画に出てほしいと逆に呼ばれるようになった」といろんなインタビューで語っています。

10年後、自分はどこで何をしているだろう? 目標は?
また10年前は何をしていた?
私は映画『てるてる坊主と金魚姫』を完成させ、次回作の構想を練っていました。
次の10年を生きます!!!
あなたは2030年、どこで誰と何をしていますか?

『レッド・ブロンクス』US Trailer


ジャッキーの映画人生は私の教科書ですッ👍

中学の時、花王の日曜劇場(だったと思う)で放送された貴重なドキュメンタリー番組『光と影の映画人生』
サムネの人はマネージャーの、ウイリー・チェン氏です。
『酔拳2』のロケ現場に密着や、『新ポリス・ストーリー』が公開間近な時期。ジャッキー39歳です。


画像2

2003年のJCファンクラブのパーティーにてウイリーさんと @HongKong


⑥おまけ

画像16

近代映画社から発行された本作の特集号!
もうジャッキーがぎっしり👍

画像17

表紙をめくるとグッズが凄い! 当時のアイドルぶりが分かるでしょう?
これでUS版を公開したら、どエライことになっていたと思う。プロデューサーとしてジャッキーの眼力がどれだけ的確だったかということ。

画像18

目次
読みたくなるでしょ?


いかがでしたでしょうか?
今回初めて映画のコラムをnoteに書きました。これからもオタクな発信になると思いますがお伝えできたら幸いです。喜んでくれる方はきっと各都道府県に何人かはいるはず!
スキ・フォロー、サポート、よろしくお願いいたします❤️


スタジオウーニッシュ代表
映画監督 / 介護福祉士:堀河洋平


🍀 近状・最新情報はこちら → Twitter

🍀 映画観賞レビューも → Instagram

🍀 新しい動画 → ウーチューブ

🍀 過去の動画 → 堀河YouTube

🍀 いいね大歓迎 → Facebook

🍀 総合窓口 → HP


いいなと思ったら応援しよう!

堀河洋平|子育てしながら創作
みなさまからのご支援は、映画や映像制作の資金として大切に使わせていただきます。小説執筆の取材費にもなります。あと、Babyのオムツ代にも^^ ありがとうございます♪

この記事が参加している募集