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映画「パリのどこかであなたと」

監督:セドリック・クラビッシュ ※スパニッシュアパートメントの人

〜パリの隣り合うアパートに住むメラニーとレミー。道ですれ違うことはあっても知り合ってはいない。メラニーは研究者として忙しく働いているが元恋人との恋愛を引きずって過眠症に。レミーは倉庫で一緒に働いている同僚たちが解雇されたのに自分だけ優遇されたことに罪悪感を持ち不眠症に。それぞれに孤独と不安を感じてる2人の人生が交わることはあるのか、、、。

大好きな映画でした!素敵でした。ただそれはジャケットをはじめ宣伝物から得た前情報とは全く異なる所が。これ宣伝間違えてる気がします。おしゃれな街で2人の運命的フレンチラブストーリー!な雰囲気出ちゃってるけど、全然違います。なんならラブストーリーではないす。ラブ前の話です。イブです。なんたって出会うのか、恋愛に発展するのか、それぞれの生活が2軸で進んでくので見てて分かんないんだから。

劇中の大半はセラピーにも通うほどしんどい2人の日常です。パリという街の特性から時折オシャンな雰囲気に包まれるけど、否。田舎に住む家族との噛み合わない関係は普遍。仕事での自信の無さの悩みも道徳上の悩みもアルアル。恋愛での自暴自棄感やアプローチの下手さ加減も生々しい。細部までとてもリアルな進行なのに不眠や過眠の症状からつながる夢的なファンタジーシーンも挿入されて、さらに2人が出会うのかってロマンチックも隠れてるから、、随時興味が湧いてくる構成でした。時々館内に「ふふ」くらいの笑いが起きる滑稽なシーンもあるのですが、それをもう少し増やしてくれたらもっと名作だったかも。求めすぎですが。

この映画を退屈とか面白くないと思う人もいるでしょうね、それは仕方ないです。そう感じる人々を意識して合わせちゃうと映画の良さは失われます、きっと。この映画が好きな人とラストシーン以降の2人について語りたいなあ。特別寂しい2020の年末に出会えて良かった素敵な物語です。

https://someone-somewhere.jp/

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