映画「教育と愛国」
監督:斉加尚代
大阪毎日放送の記者が取材、記録し続けた"教育現場"ドキュメント。教科書の歴史記述を切り口に様々な関係者にインタビューし、教育現場の現状、、というかもはや惨状を丁寧にまとめています。
「え?これ今の日本でのこと?」って信じられん事実も見れます。選挙までずっと公開してほしいですね。誰が危険な政治家なのかも示してくれてる内容ですから。
鑑賞前「100分間、、眠たいお勉強映画かな?」と覚悟して臨みましたが、驚いたり笑えちゃったり恐怖まで感じるなんとも揺さぶられる内容。左右の論争は必ず扱われると予想はしてたけど「歴史から学ぶ必要なんてない」「理想の日本人とは左翼じゃないこと」って言い放つ東大名誉教授を見ちゃうと、、もはや失笑が起きてましたね。この方への処方箋は名誉教授の肩書を外して現場から引き離すことくらいでしょうね。
保守系の政治家が蔓延ると教科書検定制度も忖度祭りに成り下がる。出版社が経営を考えて言いなりになっちゃうから。慰安婦問題の授業や研究の助成金にまでバッシングと圧力がかかる。政府の方針に異論を唱える学者を日本学術会議から締め出す。
教育関連で起きている複数の愚かな出来事を順繰り丁寧に描かれたら考え着くところは根本ですね。権力を振りかざして危険な方向に進む人々から権力を無くすこと。
総理大臣や東大名誉教授みたいなお偉い方の思想なんてもう変わらないでしょうからね。歴史の大切な部分を見ようとせず、反省もせず、戦争に向かう危険性がある"体制"なら変えないといけない。圧に負けずに声を上げないといけない。教育現場のドキュメントだけど現代社会の危うさ全般まで考えさせてくれる映画でした。
歴史を正しく語り継がない国は再び過ちを犯します。このドキュメントが満席近く集客してるのを見て「まだ間に合うかも?」と少しだけ希望も持ちました。ここで長々と私が語る必要はないですね、ぜひロングランして多くの人に頭抱えてみてほしいw