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映画「グレース・オブ・ゴッド」

監督:フランソワ・オゾン

〜フランスで現在も裁判中である実際の事件を基にした映画。プレナ神父が長年に渡って信者の少年達に性的暴力を行なっていた。彼が聖職者であり続け未だに子供達と接している事を知った被害者の1人が勇気ある告発をすると次々と被害者が名乗り出て、やがて大きく報道されて、、。

性的被害の経験からトラウマを抱えていたり、家族関係が壊れたり、プレナを糾弾しても教会側が事件を隠蔽したり、、当時日本にもざっくりとしたニュースは流れていてふんわり見ていた事件を具体的に把握できます。これも映画の役割なのかも、と思います。

語りの手法としてですが、被害者である主役はメルヴィル・プポー演じるアレクサンドルなのかな?と思いきや次々代わっていくのです、大きくは3人が主役。3人それぞれの家族や芋づる式に浮かび上がる他の被害者をグラデーションで見て「こんなに被害規模が大きかったのか!」とリアルな広がりを感じるのです、さすがな脚本。

また最後に満を持して放たれるとあるセリフがあります。ネタバレなので書かないけど、これこそオゾンが突き付けたくなったテーマなのでしょう。神の使いである神父が1人の犯罪者であり、またその神父を庇おうとする宗教に対して、信仰心を失わない人もいるってのが事実で。あなたはそれでも神と崇めますか?と。勝手な想像ですけども。。

https://www.youtube.com/watch?v=McAZiiTgsyY&feature=emb_logo

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