読書メモ: 17歳のための世界と日本の見方
17歳のときの自分だったら間違いなくつまらなくなって読みきらなかったと思う。だけど、世界の断片が少しずつ自分の中に蓄積され、ヨーロッパもアジアもアフリカも様々な地域を訪れる機会が得られる今読んでみると、人類が【編集】してきた情報、文化とその背景にある思惑や願いが繋がっていく面白さがある。
日本らしさについて語るためにイザナギ・イザナミまでさかのぼり、どんな社会的背景や為政者の意図があって情報が編集されてきたのか、セイゴオ先生の語り口は軽妙。
どんな出来事も意図を持って編集され人々に伝えられていくわけですが、今の世の中で起きていることもその背景にある思いや願いに想像力を働かせて自ら読み解いて選び取っていかないと、濁流に飲まれて溺れてしまいますね。耳を澄ませて生きたい。
ちなみに、本書の中で一番そうなん!?と思ったのは「ツァラトゥストラはかく語りき」のツァラトゥストラってゾロアスターのドイツ語読みだと知ったとき。知らなんだ。