2022年 宮城教育大学 前期 中等理科 大問3
$${a}$$を定数とする。
関数$${f(x)=x^3-(3a+1)x^2+4ax}$$について、次の問いに答えよ
(1) 関数$${f(x)}$$の増減と極値を調べよ
また、関数$${f(x)}$$が極大値を持つような$${a}$$の値の範囲を求めよ
(2) (1)で求めた範囲の$${a}$$について、関数$${f(x)}$$が極大値をとる$${x}$$の値を$${p}$$とし、その極大値を$${q}$$とする
$${a}$$が(1)で求めた範囲を変化するとき、$${xy}$$平面上での点$${(p,q)}$$の軌跡$${C}$$を求め、図示せよ
(3) (2)で図示した軌跡$${C}$$と直線$${y=-\frac{1}{8}x+\frac{1}{4}}$$で囲まれた図形の面積を求めよ
解答
(1)
$${f^{\prime}(x)=3x^2-2(3a-1)x+4a=(3x-2)(x-2a)}$$だから
$${f^{\prime}(x)=0 \Leftrightarrow x= \frac{2}{3},2a}$$
よって、$${a}$$の値の範囲に応じた増減表と極値は
①$${a> \frac{1}{3}}$$のとき
$$
\begin{array}{c:c:c:c:c:c}
x & & \frac{2}{3} & & 2a & \\
f^{\prime}(x) & + & 0 & - & 0 & + \\
f(x) & \nearrow & \text{極大} & \searrow & \text{極小} & \nearrow
\end{array}
$$
極大値:$${f(\frac{2}{3})=-\frac{4}{27}+\frac{4}{3}a}$$
極小値:$${f(2a)=-4a^3+4a^2}$$
②$${a= \frac{1}{3}}$$のとき
$$
\begin{array}{c:c:c:c}
x & & \frac{2}{3} & \\
f^{\prime}(x) & + & 0 & + \\
f(x) & \nearrow & & \nearrow
\end{array}
$$
このとき、$${f(x)}$$は極値を持たない
③$${a<\frac{1}{3}}$$のとき
$$
\begin{array}{c:c:c:c:c:c}
x & & 2a & & \frac{2}{3} & \\
f^{\prime}(x) & + & 0 & - & 0 & + \\
f(x) & \nearrow & \text{極大} & \searrow & \text{極小} & \nearrow
\end{array}
$$
極大値:$${f(2a)=-4a^3+4a^2}$$
極小値:$${f(\frac{2}{3})=-\frac{4}{27}+\frac{4}{3}a}$$
以上より、極値をとる$${a}$$の値の範囲は、$${a= \frac{1}{3}}$$を除く全ての実数である
(2)
$${a> \frac{1}{3}}$$のとき
$${x=\frac{2}{3}}$$で極大値$${\frac{4}{3}a-\frac{4}{27}}$$をとるから、
$${p=\frac{2}{3}, \space q=\frac{4}{3}a-\frac{4}{27}}$$
ここで、$${a> \frac{1}{3}}$$より、$${q> \frac{8}{27}}$$である
これを$${xy}$$平面上に図示することを考えると、
$${y=\frac{4}{3}a-\frac{4}{27}, \space x=\frac{2}{3}}$$で$${y>\frac{8}{27}}$$だから、
$${x=\frac{2}{3}}$$の直線の$${y>\frac{8}{27}}$$の部分である
$${a<\frac{1}{3}}$$のとき
$${x=2a}$$で極大値$${-4a^3+4a^2}$$をとるから、
$${p=2a, \space q=-4a^3+4a^2}$$
これを$${xy}$$平面上に図示することを考えると、
$${y=-(\frac{x}{2})^3+4(\frac{x}{2})^2=-\frac{1}{2}x^3+x^2, \space x=2a<\frac{2}{3}}$$だから
$${y=-\frac{1}{2}x^3+x^2}$$の$${x<\frac{2}{3}}$$の部分である
ここで、$${-\frac{1}{2}x^3+x^2=0}$$の解が$${x=0,2}$$($${0}$$は重解)であることと、
$${y^{\prime}=-\frac{3}{2}x^2+2x}$$より$${y^{\prime}=0 \Leftrightarrow x=0, \frac{4}{3}}$$であることから軌跡$${C}$$は以下の太い実線部となる
(3)
$${y=-\frac{1}{8}x+\frac{1}{4}}$$と$${C}$$の交点の$${x}$$座標は
$${-\frac{1}{8}x+\frac{1}{4}=-\frac{1}{2}x^3+x^2}$$
$${\Leftrightarrow 4x^3-8x^2-x+2=0}$$
$${\Leftrightarrow (2x+1)(2x-1)(x-2)=0}$$
ここで、$${x=\frac{2}{3}}$$のとき$${y=\frac{1}{6}<\frac{8}{27}}$$より、
考えるべき交点の$${x}$$座標は$${x<\frac{2}{3}}$$の範囲であるから、
求める面積を$${S}$$とすると
$${S=\displaystyle \int_{-\frac{1}{2}}^{\frac{1}{2}}(-\frac{1}{8}x+\frac{1}{4}+\frac{1}{2}x^3-x^2)dx = \Big[ \frac{1}{8}x^4-\frac{1}{3}x^3-\frac{1}{16}x^2+\frac{1}{4}x \Big]_{-\frac{1}{2}}^{\frac{1}{2}}}$$
$${=-\dfrac{2}{3}(\dfrac{1}{2})^3+\dfrac{2}{4}(\dfrac{1}{2})=\dfrac{4}{24}= \dfrac{1}{6}}$$となる