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虐待とヘルプサイン

私は父から存在を無視され
母から夫婦喧嘩の八つ当たりを浴び
父が母へ振るう拳の家庭内暴力と
精神疾患の中で育った。

きっかけは父の会社が吸収合併される頃から始まった。

家であまり眠れず父の会社の事情を知っている担任の配慮で
朝からお昼まで保健室で眠っていても誰にも咎められる事は無かった。

これを虐待と認められるまでうん十年かかった。
未だに虐待と言う単語にピンと来ない。
子どもは親から虐待を受けていると認識しない出来ないと私は思っている。
親元を離れて生きていく術を知らない事も大きい。

それよりも子どもにとって両親は何処まで行ってもお父さんとお母さんなのだ。
そして自分に何か悪い所があるんだと思う。
お父さんお母さんを庇う考え方もする。
とても気付かれにくい。
だが子ども自身は困っていてどうしたらいいのか分からないでいる。

ヘルプサインを知っているだろうか?
もし「もしかして…」と思って子どもに聞いても
子どもは自然と「大丈夫」と嘘をつき親を庇う。
そんな時「もし何か困る事や困っている事があったら手のひらにサインペンで黒い丸を作ってこっそり見せてくれる?」目の前で手のひらに黒い丸を描いてグーパーして見せる。
この時子どもはまだ気付いていないが
ふとした瞬間に思い出し困っている事に気付き
ヘルプサインを出せる可能性がある。

当事者だった私はヘルプサインを初めて知った時に凄いと思った。
日本で子どもの虐待へのヘルプサインはあまり知られていない様に思う。
現場は活用しているかも知れない。
もっともっと広まって
深刻な事態になる前に
身近な大人がヘルプサインを知っていたら
小さな声を拾えるかも知れない。

ヘルプサインは手のひらにサインペンで黒丸と決まっている訳ではない。
もっと簡単に「グーチョキパーのどれが好き?じゃぁもし何かあったらじゃんけんって声かけた時にそれを見せてね」でもいいかも知れない。
工夫の仕様は沢山ある。
子どもがヘルプサインを出せた時に決して焦ってはいけない。
「見せてくれてありがとう。勇気出したね。今話せる?」
まず落ち着いて安心安全の空気を作らないと
子どもは即座に心のシャッターを閉めてしまう。


私の場合だが父も母も過酷な環境で育ち虐待の連鎖を起こしてしまったのだ。
当たり前の事は見落とされがちで親にも親が居て親にも子ども時代があった。
虐待の連鎖は起きやすい。
虐待しているかも知れない親などの背景を想像とか同情とか
ましてや憤る前に
どうやって子どもを助けられるかを一番の念頭に置いて欲しい。
子どもの気持ちも尊重されて欲しい。
そして親への助けも届くといい。

助けが必要なひとへ適切な助けが届く世界であって欲しい。


2023年6月7日(水) Twitterより

2024年10月16日(水)追記
世界共通のヘルプサインであるハンドサインがあることを
この後知った
誘拐やDVや年齢性別に関係なく
助けを求めるハンドサイン
1、掌を見せる
2、親指を掌に
3、親指を包み込むように手を握る
知っていると知らないの差はあまりに大きい

助けを求める人に適切で必要な助けが届く世界でありますように

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