「カルチャープレナー」。文化から考えるビジネス。
『カルチャープレナー』という言葉があるらしい。
カルチャーとアントプレナーを組み合わせた造語で、全国各地に活用されずに眠っている文化資本を生かして、伝統産業に切り込み、新たな商品へ生まれ変わらせようとする文化起業家のことを言うそうだ。
検索するとForbesの記事がいくつか上がってくる。Makuakeでもプロジェクトを実施している「レナクナッタ」の大河内さんや、「TeaRoom」の岩本さんが出てくる。
自分は、もともと日本の手仕事やその周辺の文化が好きで、前職のときには職場が大阪にも関わらず、京都を選んで住んでいた。
京都は言うまでもなく、千年の都であり、幾重の歴史の層の上にある。通りひとつとっても、人通りの少ない裏通りすら名前の由来があの歴史に関係しているなんてこともザラである。
京都の人は、そんな歴史に敬意を払っている。
といっても、観光地化している寺社にというより、地元の老舗に対してである。いわゆる贔屓の店というのを京都の人は持っていることが多い。茶葉を買うならココ、みたいな感じである。
だから、京都の人にとって老舗のお店はただの渋いお店ではなく、生活に根ざしたお店なのである。だからか分からないが、今のセンスに根差した老舗も多い。
この絶妙な塩梅がすごく好きだった。
自分はマクアケという会社に所属している。
タグラインである「アタラシイものや体験の応援購入サービス」というと、関係ない話に聞こえてくるが、ビジョンとして掲げている「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」。この言葉に共感して入社した。
日本の手仕事は斜陽産業と言われるものが多い。一方で、若手の挑戦的でクリエイティブなプロダクトも多いし、一生をかけて育てて使いたくなるようなものも多い。そんな産業や文化がもっと広がってほしいと思っている。
話を戻すと、自分はこの『カルチャープレナー』という言葉が好きである。
ビジネスが先にあって、結果的にカルチャーを残そうとするのではなく、カルチャーへの想いが先にあって、その結果ビジネスにしていると自分は解釈した。ビジネスとして成立しないともちろん事業を継続できないと思うが、日本の伝統産業や文化が好きで、それらを広げ残すためにマネタイズできるようにしていく。そんな人たちを『カルチャープレナー』と呼ぶのだと思う。自分が知る限り、この『カルチャープレナー』の条件に当てはまる人は、その文化に対して愛や畏敬の念を持っている。
こういう人たちを個人的には応援したいし、自分自身もそういう人間でありたいと思う。