副業したいけど、副業したいわけじゃないってことか

お金を稼ぐため、スキルアップのため、ゆくゆく本業にするため。

副業を考える理由はそんなところだろうか。

副業、複業、パラレルキャリア、働き方が多様化したり、「働く」という既存の概念がアップデートされていく中で、誰しも一度くらいは考えたり頭によぎったりする。

ネット上に転がっている「副業の目的が何か」という調査結果を見てみると、おおむねこれらで合っているらしい。

お金を稼ぐため、スキルアップのため、ゆくゆく本業にするため。

実際のところ、どうなんだろうか。

「何者かになりたい」と日々願って止まない僕らのことだから、きっと、

自分は一人でもやっていける。決して、今の会社に所属していなくても、今の仕事じゃなかったとしても、自分一人で生きていける。そんな自信と手応え、いわば“逃げ道”のようなものが欲しい。

そんな風に考えていたりして。

お金も稼ぎたいし、スキルアップもしたい。あわよくば、副業が本業になったら、それも悪くない。

その根本にあるのは「何者かになりたい」という欲求かもしれない。

こんな時代に生きていると、つい、何者かになれる方法は“仕事での成功”以外無い気がしてしまう。

だから、スキルアップしたいし、ブランドや看板ありきではなく、自分ありきでお金を稼ぐ実感や実績を得たい。

本当のところ、人生における仕事の優先順位は自分で決めることができるし、何者かになる方法は「何者かでありたい」という欲求を手放すことに他ならないのだろうけど、あいにくそんなメッセージは響かないようだ。

そんなメッセージを素直に受け取れるほど、僕らは成熟していない。良も悪くも、まだまだ青い。

「そんな自分も嫌いじゃない」、いくつになるまでそう思えるのだろう。

今年もまた、『25歳って、半端だね』という文章を書くことになりそう。