路線図見るのが好きだけど、これって仕事になるのかな
「好きなことで生きていく」
「好きなことを仕事にする」
この「こと」というのが、実はけっこう難しい。
「こと」の解釈を間違えてしまったり、ピュア過ぎるあまりこれらの言葉を真に受けてしまうと、好きなことで生きていけないどころか、“好きなこと”なはずなのに「あれ、楽しくないぞ…?」、「何か違うな…?」と違和感を覚えてしまうかもしれない。
例えば、僕は電車の中に貼ってある路線図を見るのが好きだ。
人にはあまり理解されない気がして自分からは言わないけれど、一緒に電車に乗った人から「ずっと何見てるの?」と聞かれるから、そこで白状せざるを得なくなってしまう。
それはさておき、とにかく路線図を見るのが好きだ。
なんで好きかとか、いつから好きなのかとかは今回の趣旨と関係ないので、書かないでおく(幼少期から駅名の暗記に喜びを感じていました)。
けれど、駅員さんや車両の整備士さんなど、「電車に関わる仕事がしたいか」と問われるとそうは思わない。現に、電車とは全く関係のない仕事をしている。
他にも、僕は読書が好きだけれど、学生時代書店でアルバイトをしたいと思ったことはないし、例えば、「出版社で働きたい」と思ったこともない。
もちろん、「好きが仕事にできたらいいな」という思いで、電車や本に関わる仕事を少しでも検討したことはある。
ただ、仕事にするとなると話が変わってくる。
僕は、路線図を眺めるのが好きなだけで、電車を実際に運転したり駅で働いたりしたいわけではないし、本を読むのが好きなだけで、本に囲まれた環境で接客したり、編集したり本を執筆したいわけではない。
カフェに行くことも好きだけれど、お客さんとして過ごすあのひとときが好きなだけで、カフェで接客したり珈琲を淹れたいわけではない。
大したひねりもないのだけど、けっこう大事な気がしている。
好きなことではなく、“好きな作業が何か”を考えることが。
もちろん、これは僕なんかが思いついた考え方ではなく、言わずと知れた本に書かれている考え方。
自己啓発に精を出していたあの頃、初めてこの言葉を見た時はあまりピンとこなかったけれど、当時より人生について真面目に考えるようになった今、やけに思い出される。
確かに、仕事は突き詰めると作業だ。
手を動かすかどうかに限らず、マネジメントだって「人と話す」、「人に指示をする」、「進捗を確認して課題を見つける」などと解釈すれば、結局は作業と言えてしまう。
だから、路線図を見ること自体は仕事にできなくても、「覚える」、「繋げる」、「比較する」みたいな作業と捉えれば、それを仕事にできる可能性はあるのかもしれない。
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自分の好きな作業って、何だろう。