ただ濁っているだけのような、準透明とも言えるような
「私には継続力があります」
まだスーツに着られていた頃の渾身のアピールポイント。確かに、引退や卒業以外で何かを途中で辞めたことはないし、物事を途中で放棄して人様に迷惑をかけたこともない。
それなのに、当時の僕には「継続力がある」という自分の口から発せられる言葉がどことなく違和感に満ちていて、胡散臭いもののように感じられた。
そういえば、僕はリクルートスーツを購入したこともなければ、学生時代に「自分は何者か」と悩んだこともなかったし、そもそも就活自体をしたことがなかった。