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あの時車窓からぼんやりと眺めていた、ただの風景でしかなかった街。 「ここに住めたらきっと通勤は楽だろうな」 「ここに住めたら終電を気にせず遊べそうだな」 気づけば今、その街に住んでいる。 あいにく、終電を気にせず残業をする日々だけれど。 望んだ未来もあれば、望まなかった未来もあった。 そのどちらも確かにあったけれど、今、そのどちらでもないような気がする。 決してシナリオ通りとは言えない、そんな日々を鬱々とした気持ちで埋めたこともあった。 思えば、初めからシナリオ