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わたしの中に差別意識をみつけた日
自分の中に”差別意識”があることを知っておくこと。
ある講座の中で、印象に残った言葉だった。
なぜ、印象に残ったのか。
それは自分の中に”差別意識”をみつけた実体験があったからだ。
遡ること、おそらく15年程前。
その頃、仲良くしていたカウンセラーの友人とお茶をしている時に
「ヨウちゃん、ビッグイシューって知ってる?」と聞かれ、
わたしは「知らない」と答えた。
友人はビッグイシューは雑誌で、ホームレスの人がその雑誌を売ることで収入を得ること、その雑誌を買うことで社会復帰の支援となることなど、大枠の説明をしてくれた後、ビッグイシューを購入する際、自分の中で決めていることを教えてくれた。
自分が急いでいる時には買わない。
雑誌の中身が自分にとって興味あるものを買う。
それを聞いたわたしは、何かいいなと思った。
ちゃんと自分にとっての価値も感じてお金を払うというところが、販売者、販売物に対しても対等な感じがして、その姿勢がいいなと。お互いにとって、いいじゃんと思ったのだ。
その数日後、駅に向かう道を歩いていると遠目にビッグイシューを見かけた。友人の話を聞いて一度購入してみょうと思っていたので、わたしはゆっくりとそこに向かって歩いた。
でも、買えなかった。
なぜなら5メートル、3メートル、、、と近づいていく中で、自分の中にこれまで感じたことのない強烈な感情が噴き上がり、その感情に大きなショックを受けたからだ。
それまでのわたしは差別はダメだよねと思っていたし、差別する人を忌み嫌っていた。なのに、その時のわたしの中に湧いてきたものは、ホームレスの人を見下す感情と優越の感情だった。
これまで強く忌み嫌っていたものが、自分の中にもあったという強烈な実感に打ちのめされた。こころに嵐が渦巻き、購入どころではなかった。
ビッグイシューはその後、無事購入できたけれど(読み応えがあって面白かった)、その経験から、わたしの中にも”差別意識”はあるんだなと自覚するようになった。
湧き上がってくるものは反応である。
朝起きて、電車に乗って仕事に行く。その1時間に満たない中でもこころの中ではたくさんの反応が起こっている。
反応については、また別の機会に。
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