MBTIブームにノれない
MBTI。みんな好きですよね。
友人同士の会話も同年代の同僚との世間話もマッチングアプリのプロフィール欄も、どこもかしこもMBTIの表明。「あー私HTMLだからそういうとこあるかもー」「あの子の彼氏絶対IAEAだよ」「君は話してる感じPTSDっぽい気がする」「はじめまして。22歳学生、ADSLです!」わけわからんぞ。
私はというと、自分の性格をズバッと言い当てられることに対して特にメリットを感じない(普段から自分の思想や性格については考え言語化をしているので、アルファベット四文字に当てはめてこれだ!と言われてもそうかもしれんけど自分でそうなるように答えを選んだからな、と思ってしまう)ので、遊び半分でやったことはあると思うが正直自分の診断結果がなんだったか覚えていない。
いや、確かに話のタネにはちょうどいいと思う。性格診断の類に頼らずに自分の性格はこうこうこうで〜と澱みなく話せる人間はどちらかというと少数派だろう。そういえば以前はじめて話す女性との席で「どういう時に幸せだなって思う?」「自分の性格を形作ったきっかけってなんだと思う?」とか気兼ねなく質問しまくっていたら「なんか喋り方が面接みたいだね」と言われたことがある。そうか、多くの人ははっきりと言語化を伴う自己分析って就職活動の時にしたっきりほったらかしているものなのかもしれないなと思った。
その分、日本人って分析をフローチャートに外注してゆるっと何かしらの型にあてはめてもらえるような性格分析とか相性占いみたいなの昔から好きよね〜という実感がある。Jamais Jamais『B型自分の説明書(文芸社)』シリーズとか、平成の女児向け書籍に必ず載っていたYES NO型の恋愛診断みたいなやつとか、私はMBTIにもそれらと似た匂いを感じてしまうのだが、世間的にはK-POPアイドルが軒並み診断に挑戦していたりして割と信頼性の高いイメージがついているのだと思う。
そしてやっぱり気になって調べたことがあり、一応Wikipediaを読むと世間のタイプ診断はあくまでMBTI風を模しただけの正確性がないものであるという記述があった。
(ちなみにWikipediaにはMBTIがなんの略か載っている。MBTIを定義したブリッグス母娘の名をとり「Myers–Briggs Type Indicator / マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標」が正式名称のようだ。これを覚えておけばあなたも次に初対面のデートでお相手が「そういえばMBTIやったことありますか?相性よかったらすごく嬉しいな…」と言ってきた時にすかさず「え?あぁマイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標ね〜はいはい。あれさ〜いちおう正式なMBTIの形だけ模倣してはいるんだけど実際は簡単にウェブサイトなんかの質問で結果が出るようなものじゃないらしいよ。日本MBTI協会ってのがあってそこんとこ注意するように呼びかけてるみたい。あ、あと相性とかも本物のMBTIには登場しないんだって。いや〜似た話で言うと血液型診断も正直戦前のドイツでABO式血液型が発見されてからのちの人種差別政策のために持ち上げられていたりした歴史があるものを日本人が持ち込んで性格と結びつけてブームになっちゃったみたいな側面があるからさ、やっぱりそういう根拠ないものをあんまり真面目に信じちゃうのはどうかなと思ったりもするわけ。あ、そういえばゴリラの血液型が全部B型って話あるけどさ、それって確かによく見るゴリラの9割を占めるニシローランドゴリラに関してはそうなんよ。でもマウンテンゴリラとかヒガシローランドゴリラとかは全然B型以外もいるらしいんだけどさ……」と澱みなく返せばきらめくインテリジェンスでモテること間違いなしなのでぜひ実践してその結果を私に教えて欲しい。)
さて、そんな風にひがんでいても仕方がないのがこの世界というもの。結局は正しいか正しくないかより、面白いか面白くないかで流行り廃りなんてうつろいゆくのが人類の紡ぐ流動的な文化というものだろう。
というわけで私も腹を括ってやってみますよ、MBTI診断(と思ってみんながやっているそれ風の無料診断サイト)。結果はいかに。
さて運命の結果は…。
はい。
今後はMBTIを聞かれたら「面壁者です」と答えようと思う。SF小説『三体』シリーズを読んでないとさっぱりわからんと思うけど。
おまけ
一応やってみたら論理学者というやつでした。たぶん"早口オタクくん"の湾曲表現です。
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