独学研究のススメ(近場で資料を探す)

資料を探そう(まずは近場から)

上のデジタルアーカイブは確かに便利ですが、それで独学研究を完徹できるほど甘いものではありません。

古い資料をいくら読み込めたところで、現在の資料を読み込んでみないとわからない点も多々ありますし、その当時では信じられていたものが今では否定的に目されていたり、逆にその当時はわからなかったことが今となっては判明している――という事も多々あります。
 
そうした齟齬を埋めるために現代の本を読むのも大切なのです(無論ゴミみたいな本も多々ありますが)。

過去も現在も様々な本を参考資料としてドンドン積み上げていき、読破していく――というのは理想として完璧ですが、ここで立ちふさがるのは「資金」の問題です。
 
並外れた富豪ならばともかくも、世の中の大多数の人は使える金額もスペースも決まっています。生活費のすべてを資料に注ぎ込み、家の中がほんと資料で埋もれている――という人もいなくはないですが、それができるのはほんの一握りであり、下手にやろうものなら家族や身内のヒンシュクを買うのは時間の問題です。
 
また、上のデジタルアーカイブでは扱いきれていない古い書籍や資料、稀覯本を読まねばならない事態も多々あります。
 
そんなときに役立つのが、図書館です。図書館の機能や設備についてはいうまでもないでしょう。世の中に数ある本や資料を収集整理し、市民や国民にこれを無料で提供する事を理念とする公共施設です。
 
学校や大学にも図書館がついており、図書館を一切知らないという人は相当な病人や事情ある人間でもない限り、いないのではないでしょうか。
 
図書館は独学研究をやる上で、一番頼りにする施設と言っても過言ではありません。
 
図書館の大小、設備の是非は各都道府県や行政によって違いますが、図書館の機能や理念は基本的に一緒なため、独学研究をやる上で図書館を避けて通ることはできないでしょう。
 
図書館を一個も使わずに独学研究を大成してみせるという事はほぼ無理に等しいかと思われます。

冷泉家の如く、そもそも家が資料館のような蔵書数・資料数を誇っており、自分の家が原本を持っているという場合は兎も角、普通の家では絶対に図書館を利用せねばならない程です。
 
逆に言えば、それだけ図書館という所は書籍や資料を集めているわけです。そうした知識の蓄積や実績があるからこそ、図書館は図書館たる機能を有して居るのではないでしょうか。
 
本も資料もない図書館など、図書館ではありません。イカに中がきれいでも世界的建築家が立てたとしても、「知識を仕入れられる・学びを得られる」という機能がろくに機能していなければ、単なるハコモノ建築にすぎません。
 
本を並べりゃ図書館になるというほど図書館は甘くないのです。
 
少し話がズレてしまいましたが、図書館を如何にして使うか、使い倒して見せるかが、独学研究の進捗を大きく振り分ける事になるのではないでしょうか。
 
図書館を使いこなせれば、思い描いた知識の構築や推論をドンドン実現できますし、新たな知見を得られるに違いありません。

「図書館ってただ本を借りる場所でしょ?」
 
と考えているアナタ。すぐさまその凝り固まった偏見を捨ててください。

「図書館はただ単に本を借りたり、本を読む場所」
 
というステレオタイプがあるかぎりは、図書館を使いこなせることは永遠にないでしょう。そのステレオタイプを捨て去り、「自分は図書館を使い倒してやる」という意気込みで立ち向かうのが大切です。
 
どうせ元々は我々の血税や何やらで作られた公共の施設です。税金を払っている以上、使い倒さねば損というものです。良識的な範囲内でドンドン使い倒して税金の元をとってやりましょう。



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