#JJインド神話〜16 アーユルヴェーダのある暮らし
夕方、サリバン先生の後をくっついてはじめて外へ
風の通しいい部屋でごろごろ、出されるまま食事、をくりかえしてた表通りでは、世界はこんなにけたたましく動いてたとは。
まずはイディリ(発酵米粉パン)用蒸し型とインド式ステンレスお弁当箱は金物屋で。米と豆は穀物屋で。生地屋で麻と絹の原価チェックと事前の”TODOリスト”どおり店から店へとムダのないうごき!
金物屋では、その場で名前を彫ってもらえるサービス!英語でスペル聞かれたけど、ヒンズー語をリクエスト
こいつぁまいったぜ!ヒンズー語だってさ!聞いたか!と嬉しそうに店のおじさんは娘に伝えてた。(それをサリバン先生は帰宅後、家族に嬉しそうに報告。ナオはヒンズー語をリクエストしたの!大したもんね、と翌日以降、来客の前でも帰国の日まで繰り返される)
自分の一言を後々までこんなに聴くことになるとは。サリバン先生の再現シーンのたび、私ははにかむしかなかった。
これまで買物とは”何か欲しいものを見つけに街へ出る行為”と思ってた。
土産用にとキッチュなピアスやらお菓子など、ふわ〜と求める視線にきづいたであろうサリバン先生、
は? 何が欲しいの?ハン?
えーと。その欲しいものがわからなく、、というか、いや、その問いに答えるのならば、まだ欲しいものは無い、、とモゴモゴしてたら
ないのね、次!
と、きびしめに目的へ
でもたしかに。
買い物とは、買う物を心に決めてからでないと、この街では容易に惑わされる
さいきん耳にする“バラマキ用みやげ”て名にも違和感あったところ。もはや土産に足りる話もあるし、渡す人が先に浮かばぬ購買はやめた
さいごはアーユルヴェーダの薬局。先生は口頭で店員にメモをとらせ17種ものハーブ唱えている。特製のコスメをブレンドしてくれる、といってたアレだ❤︎ ボトルはつぎつぎとカウンターに並ぶ。ないものは奥の大袋から量り売りで
つぎはオイル。先生の診断では私に合うのはオリーブかセサミとのこと。そして最後は私に選ばせる。この気候ではピッタ上がってるけど日本ではヴァータつよめに出る気がした私はセサミオイルにした。
しかしインド。暑さと人の多さとで日没後とはいえ歩いてるだけでエネルギーは奪われる
先生はシュガーケーンジュースを飲みましょう、と店にはいった
正直、なかなか敷居ハードコア
生のサトウキビが地面にころがりアリがびっしり吸い付いてる幹を重機みたいな歯車式の機械を何往復もさせ、最後の一滴まで汁をしぼりとる
ほどなくして泡だった半濁りな茶色の液体のグラスが。
味は‥あまい。かつジンジャーとレモンが追いかけてくる
あーなるほどヴァータ時間(夕暮れ)にこのあまさ、スムーズに舌に喉に吸収されていく
しかしこれはヴィーガンではないな、と繊維カスになったキビにはアリ一匹残ってなかった衝撃映像は念で消して最後のひとくちまで飲みきった
強力な解毒作用があるというこのジュース。次々と客はひっきりなし。 裸足の少年らも、仕事がえりのサリーをまとわぬモダンOL、年配の男性も、一杯ひっかけて帰宅する模様
アルコールは(見えるところで)売られていないインド。基本どこもまんべんなくクレイジーなんだけど、同時に健全さもある不思議な風景だ。人が多い繁華街に『自分なり仲間なりを酔わせてテンションあげたり、つぶれたりの大人の姿が風景にない』種のカオスには、どこか知性があり、深刻さがない。
帰宅、さてじゃあコスメを作るのかな!わくわく!とおもいきや
気分が高まってる時に作りたいゆえ、まだ今日じゃない、と制された
あなたレイキはするといってたわね?
はい、以前メルボルンで取得しました。
そう私JJ、このインド神話に負けず劣らずの奇跡のながれで昔メルボルンのおじいちゃんおばあちゃんばかりのゲイコミュニティでレイキを取得したのだ
当時は毎週のレイキギャザリングで鍛えられたけど、日本であまり使ってないのが現実。身近な人にすることはあっても、受ける機会は皆無
私の生徒を集めるので明日はグループレイキセッションをします
そうかサリバン先生はレイキの先生でもあるんだ
えー嬉しい!
ギーたっぷりチャパティとほぐしたマンゴー果肉という、私がコドモなら”こんなお菓子が夜ごはんでいいの〜♡”な食事を軽くすませ彼女の散歩コースにご一緒
私この国で、ココナッツの木々のシルエットの美しさに何度感動しただろう
江ノ島やワイキキの道路に整列するアレにはまるでなにも感じたことなかったけど、ここでの野性味ある夜空にその影絵、なんだか泣きそうになる
今夜も星はみえない。
サリバン先生は道行く会う人会う人と顔なじみ、そのたび私を紹介してくれる
近所はビッグファミリーよ
先生が立ち話してる間、私はブランコを発見
椅子がすごく高い!地面から距離あるというか。インドの子ってこんな脚長いの?大人用か?と座って前後してみたら、ちょっと楽しくなってきた。がむしゃらに漕ぐと、遠くのヤシの木たちの空に吹っ飛ばされていくような錯覚!
ぎゃーこわ〜い♡ 大人の本気の一人遊び、ブンブン揺れていたら
水を差すような、サリバン先生の声
ハイそこの三十路!
はしゃがない!
あー歳いうんじゃなかった、サリバン先生には東洋人の私がやたらと若く見えたらしく年齢ネタでいじってくる
ご近所中に積極的に拡散。”東洋の奇跡” ”アーユルヴェーダはインドの宝”
“いったい彼女はなにを食べてるんだ!” とリアルにインド人もビックリ!セルフィー撮ろう!握手して!など町内でJJブレイク中
冗談かとおもいきやインドで大人はブランコで遊んでいけないらしい。なんで?
公園のマネージャーは顔見知りなんだから通報されたらどうするのと。
隣の人の苦笑を、私忘れられない
椅子が高いのは雨上がりに出没するヘビたちに子供が足噛まれない対策だって!
この世界ふしぎ発見、解決策が大胆だ。きっと徹子でも当たらない。
5人乗ノーヘルスピード違反の原付をスルーするパトカーと大人のブランコ罪
悪と正。価値観ゆらぐ日々
いつか特別になるであろう、日常より
愛を込めて つづく