贈る言葉
2019年8月14日
何をするにしても、続けていれば疲れる。
みんなそうだ。
それは楽しい事でも苦しい事でも同じ事だと思う。
その先に見えるであろう世界が、例えば人に夢を、勝利を与えるものだとすれば、それは本人とって、苦痛ではないのだが
それが分からなくなってしまうことだってある。
あなたにとって競馬が全てだった時間
その先にあるものがみんなに夢を与えられた時間もあったはずで、共にその勝利を分かち合い歓喜した人もいた。
負けたとしても、「次こそはきっと」と、応援していたファンがいた。今でも。
私もそのうちの一人。
勝手ながら子供と歳が近いせいもあって、やんちゃな言動を見れば、「そういうこと言うから駄目なんでしょ!!」と、げんこつの一つでも喰らわせたかったし、やる気のない騎乗をみれば「お前はそんな奴じゃないだろ!!」とモニターに向かって怒鳴ったこともあった。
帝王を思わせる騎乗フォームや、あなたなりに考えた戦略で勝ち星をあげていく姿をみて、成長を見せてくれたことが嬉しかったし
骨折したと聴けば心配でたまらなかったし
2018年、アークヴィグラスの鞍上でぐしゃぐしゃに泣いたあなたと共に、私だってぐしゃぐしゃだった。
批判する人間も多いのも知っている。言われても仕方ない。あれじゃあ。
でも私は思う。
あなたはとても大きなものと闘っていたと思う。
ただ、
少し、闘い方が合っていなかったんだと思う。
あなたの前にも違った形で、その大きなものと闘ってきた人を知っている。
その人も同じように疲れ、離れてしまったけれど。
どんなにきれる刀でも、使い詰めれば刃もこぼれてしまう。
研ぐ時間も必要なんだ。今はその時かもしれない。
人間は、調子がいいときには嫌でも集まって来る。
金があるときは顔も見たことないのに一方的に知り合いと言われる。
赤の他人なのに、親戚などと平気で言う人もいる。
今は、どうですか?
瀧川さん
もう、ジョッキーではないから「さん」で。
眠れてますか?
自分が本当に困った時に、手を差し伸べてくれた人はいますか?
その背景に利害関係が生じない人は、傍で見守ってくれますか?
あなたを叱ってくれる人はいますか?
もしいたら、大事にしてください。
あなたはまだやれる人だと思っています。
競馬ファンとして、あなたの騎乗をもう一度見たいけど。
もしあなたが、別の世界で成功しても、嬉しいと思う。
人の夢を叶えられる力を持っているのだから、今までの成功も、失敗も全て栄養にして、取り換えの効かない、地続きに続いていく人生を歩んでほしい。
私はまだ、競馬というものを全て知らない端くれだけど、あなたが見てきた中で共感していることは色々ある。
私のほかにも、そんな人が、まだあなたを応援していることを、知ってもらえたらと思う。
お疲れ様でした。
前にTwitterで言ったけど
大きくなって帰ってきてください。
元気でね。
(贈る言葉-Fin-)
読んでいただきありがとうございました。これをご縁に、あなたのところへも逢いに行きたいです。導かれるように。