新聞配達ですよ
高二のワタクシ
とことんギターにのめり込み少年
しかしトコトン金は無し
ならば働くっきゃない
働かざるものギターGETべらかず
狙いのギターは駅近くの商店街にあるシガナイ楽器屋で見つけた漆黒のファイヤーバード
もちろんGibsonなんて上位ではなくフェルナンデスバーニー
値段は三万ちょいって感じ
欲しくて欲しくてウズウズもんですよ
ワタクシのギターヒーロー
当時COBRAのNAOKI様が奏で申したギターのクリソツ品
ガキにはピッタリの代物
うずきに疼いて欲求が爆ぜる手前
ってコトでバイト探しですわな
その頃はバイト情報誌てなもんはなく大体はツレの紹介
春夏冬の長期休み限定で親戚の板金屋でバイトはやっていたのだが、今はド平月
探りに探ってやっと辿り着いたのが
『新聞配達』
最高
同級生が新聞屋の息子で是が非でシクヨロってなもんで
ありがりがの来週からスタート
初日は先輩配達員についてきてもらいながら
『ココやで、ココやで』と配るホームと進むロードを教えてもらい2日目からピンでスターツ
いざ、やると早起きは苦なものの、なんとも気ままな仕事か
一件づつ配り倒す
自転車の前カゴと後ろカゴにパンパンに新聞の束々
徐々にカゴ内の新聞が減ってゆくのを楽しみながら配配
そんな日々を2週間ほど繰り返し、慣れに慣れたワタクシ
しかし
一件だけ恐怖家がございまして…
その家には大型の黒細犬が玄関先に居座ってございます
鼻筋のとおった毛並み良しの凶暴犬
あの時代の犬は大体が外飼い
朝日が昇るか昇らないかの鬼の薄暗のタイミングで大体、その家に配るのです
ポストに新聞を差し込むたびに
『ワン』どころでわない、ほぼ『ドギャンッ』くらいの爆音な鳴き声
正直、毎回オビえてございました
ある日のコトでございます
いつも通りの時間より少し早めに起きたワタクシ
大量の新聞を受け取り配リンスターツ
一件一件順調に配ってございますと地獄の脱糞欲求が腹を殴り始めました
サドルで尻穴をグッと抑え込み耐えながら配達してございましたが限界が訪れます。
『あきまへんっ』と脳内絶叫しながら
脱糞会場を探索
ありました
用水路の際に6畳ほどのスペース
そこに竹がわんさか生え生え
まさにスモール竹藪です
自転車を止め早速、藪にイン
雨上がりのせいか地面はぬかるんで、ウンコ座りのポジションもままならぬ状態
しかし、そんなことは言ってはおれず、即脱ぎ、即しゃがみ、即脱糞
静かな早朝の田舎町に
『ドルドルドルッ』と異音が鳴り響いてございます
腹が通常になり一安心も束の間、不運は続いてございます
そう、紙が無い
焦ったワタクシ
笹をちぎり拭いてみる
肛門が笹の繊維でやられ、ストライプ状にキズが…
大ピンチ
このまま拭かずにズボンをあげようとベルトに手をかけた瞬間っ
閃きございました
新聞っしょ
バレないように真ん中のページを一枚千切る
それを柔らかくするために揉みに揉む
ふわふわの新聞紙
コレはもうティッシュだぁ
尻を綺麗にして新聞配達リスタート
スッキリ笑顔で配り配りで配りたおしていると…やってくるのです
あの忌まわしき凶暴犬の御ホーム
『しゅっ』と細い息を吐き気合を入れて
ポストに投函
…
あれ?
吠えないぞ
何故かその日、凶暴犬は吠えませんでした
もしかしたら寝ている?
もしかしたらお出かけ?
もしかしたら病気で?
もしかしたら…
なんだか考えていると辛く寂しい気持ちに…
モヤモヤしながら全ての新聞を配り終わり
朝日が差す頃に帰宅
自転車を止めていると母が
『おはよう』
『おーっ』て言いながら家に入ろうとすると
『なんやのんっ!?』
母が叫びました
『おん?』
ワタシが母の顔を見ると
母はワタクシの足元を見ながら
『アンタ、めちゃくちゃウンコついてるでっ!』
どうやら
竹藪でこいた自糞がクルブシからツマ先までねっとりっ着いてございます
美しい朝日の中
ワタクシは空のように真っ青なホースで足を洗い流し申した
その時、ふと思ったのです
凶暴犬が吠えなかったのは、僕の糞の香りのせいなのかな…
そう思うと、なんだか安心でした
病気じゃ無くてよかったなって❤︎
あと、尻拭く用に新聞を一枚千切ったのバレて苦情がきたよ
怒られたよ❤︎ドンマイちゃん❤︎
※コレ実話
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