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FF10における翻訳;日本語は「ありがとう」、英語は「I love you」、ドイツ語は?

2021年に発売20周年を迎え、2023年には新作歌舞伎にもなる予定の、息の長いRPGコンテンツであるところのFinal Fantasy XことFF10。2022年末のRTAinJapanでは8時間を超えるリアルタイムプレイが配信されて、発売当初にプレイした身として色々懐かしく眺めてしまった。 そのFF10の海外ローカライズ版にまつわる有名なエピソードとして、エンディングにおいて、ヒロインから消えゆく主人公に向けた最後の言葉である「ありがとう」が、"I love you"と

    • ドイツ語版「ハム太郎とっとこうた」は「全てハム太郎を中心に回っている」

      ドイツに滞在して約一年と半年が過ぎるのに、いまだにドイツ語はまともに話すことができない程度の軟弱な人間であるが(なので以下に出てくる拙訳の拙さにはできれば目を瞑っていただきたいのだが)、とはいえドイツ語の勉強は面白い。 自分の関心は、ドイツ語という言語自体よりもむしろ、ドイツ語に翻訳された日本語コンテンツの、何の要素が残され何が改変されるのか、という部分にある。 例えば、自分が幼少期に見ていた子供向けアニメの主題歌の翻訳なんかを見ている。元々の歌詞が脳内に染み込んでいるので

      • 【小説】いつか美しい思い出になる

        これはフィクションの話です。 プロローグ:10年後、同窓会会場にて google mapが提示した時刻ぴったりに出たのがまずかった。新宿駅は容易くなく、日曜の夕方は尚更だ。とりあえず集団LINEに謝罪の報を入れる。「駅まで来たけど迷ってる、若干遅れるかも」すなわち、定刻に来るという意思はあり、最低限の準備は行っていたという弁明である。方向感覚の欠如だけが落ち度であった、と。幹事からの「了承」と、もう一名からの「自分も遅れます」が一瞬ののち共有される。そこに重ねて誰かからの「

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