大学に、BTSが来たときの話。
そういえば、オーストラリアの大学院で学生をしていた時に、うちの大学にBTSが来たことがありました。
どうやら、現地のファンのコミュニティでは事前に周知のことだったようなのですが、
私はその日になるまで、うちの大学のキャンパスでBTSがコンサートをやるなんて全く知らなくて。
その日、出先からキャンパス内にある寮に帰っている道すがら、大学内にあるコンサートホールの周辺が、黒いTシャツを着た女の子で埋め尽くされている光景を見た時に、
「何かあるな」と、胸騒ぎがしました。
しかも、女の子たちの8割がアジア人。これは絶対こっち寄り(アジア系)の芸能人が来るのに違いない。
でも、誰だろう?
近づいて見てみると、なんと彼女たちが着ている黒いTシャツには白字で「BTS」と書かれている・・・!
「いや、ないない!」
「オーストラリアにBTS来るとかあり得ないでしょ。」
「しかもこんな小さなコンサートホールで?さすがにないわ。一回落ち着こう」
って自分に言い聞かせながら、それでもやっぱりどうしても気が落ち着かないので、「現実を確かめなきゃ・・!」ってなって、
そこらへんの「BTS」Tシャツを着た女の子に「何があるの?」って、全然ファンじゃないよって感じでクールぶって話しかけてみたら、
「BTSのコンサートがあるんだよ!Yeaaaahhhh」って。
まじかあああああーーーーーい!!
そんなことあるんかーーーーい!!
好きなアイドルグループがまさか、自分が行かずに向こうが来てくれる(?)なんてことが、現実にあるわけがないじゃないですか?私、前世でどんだけ良いことしたんだろう?って頭を悩ませながら、
でもチケットはもう手に入れられそうもなくて、ネットを見ても「Sold Out」だし、そりゃそうだよねえ。って、諦めようかとも思ったんですけど。
でも、同じ空間にBTSがいるのに寮の部屋で何もせずにじっとしてはいられない!と、居ても立っても居られなくなって、
寮で一番暇そうにしていた、BTSに全く興味のないイラン人の友達をとりあえず連れてコンサートホール前まで行ってみました。
なんでその友達だったかと言うと、その子が暇そうだったのと、あとはその子がいつも被っている帽子のロゴが「DOPE」だったから。
BTSに興味ないと口では言っているけど、「ああ、この子は無意識にBTSを求めてしまっているなあ」と、ただならぬ同志愛を感じて、無理やり寮から連れ出しました。
コンサートホールの前まで行ってみるとなんと!
オーストラリアのセキュリティの緩さと、コンサート会場の老朽化が功を奏したのか・・・
コンサートの音がダダ洩れだったんです!
神様仏様、オーストラリア様ー!!
しかも、コンサートホールと言っても、いつも大学内のお祭り騒ぎ(パーティとかクラブとか)に使う、ちゃっちい会場だから、
柵の隙間から覗いたら、見えちゃったんです。
それはもうハッキリと・・・BTSの皆様が踊っていらっしゃるのが(泣)
もう、満足です。コンサートホールには入れないけど、私はこれで満足です。
「とっちきちょんね~!」
「のっちきちょんね~!」
「うおおおおお(゚Д゚)」
って、一人で大興奮してコンサートの漏れ出る音と、隙間から見るBTSの神々しい姿を楽しんでいたとき、
「あ、そういえば」
と、ふと我に返りました。
横をチラッと見ると・・・イラン人の友達がめちゃめちゃ帰りたそうにしている(笑)
そりゃそうだ。私がもし、イランで大人気のアイドルグループのコンサート会場に連れて行かれたら、退屈で凍え死ぬに違いない。
好きでもないのに「DOPE」という帽子を被っていたがために、オーストラリアの寒い冬の日に駆り出されたその子が気の毒になったのと、
お金を払ってもいないのに、がっつりコンサートを楽しんじゃっていることが申し訳なくなって、
わたしは後ろ髪を引かれる思いでBTSに別れを告げ、やっと帰れる~♪と喜ぶイラン人の友達と、温かい寮の部屋に帰りましたとさ。
めでたし、めでたし。
ちなみに私の「推し」は、テテ🐻💜
ああ、BTSのコンサート行きたいなあ!!