「おかげさま」は、他人から受けた助力や親切に対して感謝の気持ちを表す言葉です。
漢字で書くと、「お陰様」ですが、「陰」とは、神仏などの偉大な存在を示しており、「神仏の陰の下で庇護を受ける」ことに、敬称(様)をつけて「おかげさま」となったようです。
つまり本来は、利益や成功があったときに「神仏から恩恵を受けた」という意味ですで使用されていました。
日本人は古くから、この「おかげさまで」という言葉を日常的に使ってきました。
いまでは道ですれ違ったときなどに「おかげさまで暖かくなってよかったですね」などと会話しているのをよく耳にします。
暖かくなるかどうかは気象現象にすぎないのですから、別にありがたがることはないはずですが、自然に対しても感謝しているのです。
これは、四季に恵まれた島国の自然とうまく調和して生きてきた日本人の特質だと思いますし、このように森躍万象に感謝の念を抱けるのは、日本人の美徳ともいえるでしょう。
「おかげさま」という言葉は、日本では、生きていくうえで便利なコミュニケーションツールのひとつとなっており、ビジネスシーンでもよく使われています。
たとえば、何かのプロジェクトが終わったときの報告に、「おかげさまで、無事にプロジェクトを終えることができました」と、「おかげさま」とひとこと添えるだけで、相手に感謝の思いを伝えることができます。
さらに「ありがとうございました」を添えて、「おかげさまで、無事プロジェクトを終えることができました。ありがとうございました」とすれば、感謝の思いを伝える文書としては完璧でしょう。
自分に好意を持ってくれる相手に対し、自分も好意を抱くのはいうまでもありません。
逆にいえば、きちんと感謝の思いが伝わってこそ、相手もシンパシー(共感)を感じ、「これからも応援してあげよう」と思うようになります。
だから「おかげさま」が大切なのです。
※明日のために今日を全力で生きよう!!※