【起業】「なにをやるか」よりも大事なこと

私は事業をやって文無しになった。いや、正確に言えば所持金20円。国が融資してくれない、そうなると消費者金融で借りまくり、事業を存続させるためにありとあらゆる現金化もやってきた。

ガスと水道が止められた。
何年も会っていない友人や親戚の叔父にまで頼った。

人間ここまでくるとどうなるか?

事業うんぬんの問題どころでなく生命の危機さえ覚えるようになる。

そして、本業の営業代行業を捨てて外に働きに出ることを考える。正規雇用の就職だと末締め翌末払いだから、貯蓄ゼロの私には到底ムリな話し。そう、就職するにもお金が必要なのである。家賃も二ヶ月滞納。敷礼のない3万円の物件に引っ越しを考える。当然その日取っ払いの日雇いを選ぶしかなくなるのだ。

コンビニ弁当製造のライン、某ポータル企業の冷凍庫のピッキング、某有名パン工場の製造スタッフ・・・今日明日の食うためなら何でもやった。

そんななかで感じたこと。

「仕事があるだけでも凄いこと」
「キツい仕事でも必要とされてるならありがたい。喜んで力になりたい!」

もし日雇いを選ばずあのまま頑なに社長業を選んでいたら悶々としたまま0円の数字を叩き出す毎日を送っていたことだろう。

かたや出れば、行って頑張れば一日一万円が入ってくるのだ!

そう、大事なことは
「やりたいこと」「得意分野」ではなく、客が欲しているところに入れるかどうかということ。

よく起業にあたり、
「やりたいこと、得意なもので選べ」的な内容のビジネス書を読んだことが多かれ少なかれ誰にでもあるだろう。

しかし、今の私から言わせれば、やりたいことに固執しているから売れないんだよということ。

なぜやりたいことに固執しているとダメなのか?

簡単である。

やりたいことが客のニーズとウォンツに合うことは稀だからだ。

「なにをやるか」ではほぼ事業は失敗すると考えたほうが賢明。なにより大事なことは、「客が欲しがっているものをやること」が正解(←ここ重要ですよ)。

すべて失うと解るが、儲かれば別になにをやったっていいということに気付く。元来人間は変化に対応する生き物だ。生き方のマニュアル化なんてどんな天才でも不可能なのだ。やってみて軌道修正。これの繰り返ししかない。

社長業で文無しになり、日雇い派遣に身を置いたときに目の前の視界がパーッと開けた。身体も動かせば脳の回転も良くなる。一年リモートでやってきた結論でもある。

社長業のときはお互いに足元を見たり駆け引きの中での人間関係しかないのに対して、こちらは利害関係もなく本音で語り合える、明るい関係を築けそうな面白い人との出会いもある。

起業において重要なファクターである「環境」については別個に書こうと思います。




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