【炎上覚悟】APACC/BPACCの介入症例が見つけられない!?そんな悩みの解決策はコレ!
こんにちは、薬剤師よっちゃんです。
今年のAPACC/BPACCの筆記試験が近づいてきましたね。自分も試験の前はかなり緊張して震えていたのを今でも覚えています。
さて、この記事を読んでいる中には、外来がん治療認定薬剤師(APACC)あるいは外来がん治療専門薬剤師(BPACC)の取得を目指そうという人も多いのではないでしょうか?
しかし、「症例を作りたいけど中々上手く症例に出会えない」という言葉を僕はよく耳にするのですが、皆さんはいかがですか?
おそらく資格を目指す人の半数はそのような悩みを抱えているんだろうなと思います。めっちゃ分かりますけどね(笑)
僕は病院薬剤師4年目でAPACCになり(最短で合格)、薬局に転職してBPACCへ変更し、継続して患者さんのフォローアップを実施しています。
その経験から、病院あるいは薬局で症例に出会うためのコツをお伝えしようと思います。
もちろん、患者さんと関与するからにはキチンと対応できるように準備しておくことが大切というのは理解していると思うので、今回は「介入につながる症例の見つけ方」を病院、薬局ごとにお伝えしていこうと思います。
★大切な事なので追記しますが、APACC/BPACCの資格を取得する=ゴールでは決してなく、その先に患者さんをより治療の副作用から守る、治療継続ができるように一緒に歩んでいくことが重要です。あくまでも段階の一歩目ってことは忘れないでください!★
介入の具体的な流れが分からない。勉強する時間がなかなか取れない人向け!
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【大前提】介入を狙うなら…
効率よく介入症例に出会うコツ
皆さん症例を作ろうと思ったときに何か意識していることはありますか?
ココでいう意識とは、患者さんと対応したときに○○を聞こう。とかではなく、いかに介入できる症例に出会えるか普段工夫して仕事をしていますか?という事です。
困っている人の多くが、症例に出会うのは「運」だと考えています。
全然違います。運ではありません。
介入できるポイントを押さえ、そのポイントに自分が入れるように考えることが重要です。
そのポイントは主に4つあると考えています。
化学療法開始のタイミング
レジメン変更のタイミング
医師の診察前でのタイミング(直前に限らず)
副作用の変化を聴取した時
まずはこの4つを抑えていきましょう。
ココで僕が患者さんとの関りで大切にしていることを2つ共有しようと思います。
介入する上で大切なこと
1つ目は出来るだけ患者さんとは顔を合わせるようにすることです。
何度も顔を合わせていると親密度が自然と上がり、患者さんが自身の不安や悩みを打ち明けやすい環境を作るためです。
これは、ザイオンス効果(単純接触効果)と言い、時間ではなく何回接しているかの方が好意を感じやすいというものです。
心理的な問題だけでなく、何度も顔を合わせ話をすることで患者背景がより鮮明になり、適切な指導につながると考えているからです。
2つ目は自分が話した内容、提案したことには責任を持つということです。
実際、薬学的な介入をしたよってなった時に、その後誰かが対応した内容をカルテで確認。なんてことになっていませんか?
マジでこれは論外です。
仕方がない場合はあるでしょうが、基本的には自分が介入したならその後の状況をきちんと確認して対応しましょう。
薬が追加したけど良くならない。では次はこのようにしよう、前回追加になった薬は中止が良いだろう。など、最後まで責任を持ちましょう。
それが患者さんの不安解消やあなたとの信頼関係を作り上げるものになると考えているからです。
色々話してきましたが、具体的な方法についても確認していこうと思います。
病院での介入症例の作り方
まずは病院内での介入する具体的なポイントをお伝えしていき、それぞれどのように対応していくのが良いか共有できればと思います。
抗がん剤実施で入院した初回指導
抗がん剤治療中の症状確認(入院中)
次回外来で化学療法実施になる方の退院指導
診察前面談(薬剤師外来 or 外来ブース)
化学療法室での投与中
以上の5点を上手く活用しましょう!
特に外来がんの専門資格は、外来での症例が前提にはなりますが、入院中の話を持ち出してはいけないという事ではありません。
特に初回であれば抗がん剤の説明を行うわけですが、その時に副作用の評価につながる排便状況や食事の状況などのベースラインが聴取できますし、患者さんの不安感についても知ることが出来ます。
外来へ移行予定の場合、初回治療の入院は長くても1週間ほどかなと思います。
抗がん剤投与中、投与後の症状を確認することでリアルな副作用を聴取、確認することができるため、患者さんにとって必要な支持療法を検討することが出来ます。
退院時には、外来では採血してから診察まで時間がかかるのでそのタイミングで退院後の状況を教えてほしいとお伝えし、入院中に発現しなかった副作用の状況、退院時まで残存していた副作用の経過を確認しましょう。
医師の診察前に患者さんから直接話を聞くことで、支持療法等の協議が可能となりますし、医師-薬剤師間、患者-薬剤師間の信頼関係も築きやすくなります。
診察前に聴取する場合、薬剤師外来が無くても診察室の空きがあればその時だけ使用させてもらえないかウォークインの看護師さん達と相談してみるのも一つの手段です。
どうしても空きがなければ外来のブース(患者さんの待機している場所)でお話を聞くのも一つの手段です。(もちろん周りへの配慮は必要)
また、入院から関りが持てなくとも化学療法室の専属の薬剤師とも相談し、外来化学療法室に訪れるコース数の少ない患者さんをみさせてもらうというのもありです。
医師の診察後ではありますが、薬局とは異なり追加したい薬剤があった場合に速やかに対応することが出来ます。
薬局での介入症例の作り方
続いて薬局での具体的な介入ポイントとしては、以下の3つになります。
抗がん剤初回の投薬時
レジメン変更の投薬時
電話による服薬フォロー
内服抗がん剤のみのレジメンの場合、初回でも基本的に院外処方で保険薬局が対応することがほとんどです。
病院と同様初回の指導時に患者さんの不安やベースラインを聴取する事で副作用の評価がより正確になります。
レジメン変更の際も同じような流れですね。
ただ、新しい抗がん剤についての指導や患者の不安感などを聴取して終わりではなんの意味もありません。(言葉が悪くてすみません。)
次回の診察までの間に電話による症状確認を実施して副作用の状況を確認しましょう。そうすることで症状が起きている患者の素直な気持ちを聴取することが出来ますし、対応策を考えることも可能です。
最近はアプリでの症状確認もできるようなので活用できる場所があれば試してみても良いかもしれません。
ただ個人的には断然電話派ですが理由については今回割愛致します。
余談ですが、僕は前働いていた病院、BPACC研修でお世話になった病院、現在働いている薬局の目の前にある病院の3つの医療機関の医師の方々とやり取りをして感じたことがあります。
それは、医師は薬剤師の副作用評価や支持療法の提案等はありがたいと感じている。ということです。
中には個性的な先生もいましたが、肌感的には8割以上は薬剤師助かる!って感じています。
「こんなことは先生も知ってるよな。。。」と情報提供に抵抗を持つ薬局薬剤師は多いですが、実際そうだったとしても薬剤師の視点からの情報は医師にはありがたいものなのです。
少しでも相手方の反応も分かると情報提供しやすいかなと思いましたのでお伝えさせていただきました!
決して個人で頑張ろうとするな!
ここまでツラツラと話してきました。
よし!頑張ろう!と思ってくれた人もそうでない人もいるかとは思いますが、もう一つだけ。
自分1人で何とかできると思わないでほしいです!!
これはあなたを貶している訳では決してありません。
実際病院でも薬局でもそういう患者さんに当たるためには自分1人で頑張っても対応しきれない場合が多いからです。
自分が外来で患者さんを担当する際、自分のポジションを補ってくれる人が必要になる場合もありますし、処方が持ち込まれた時に声をかけてもらった方が自分が担当できる確率は上がります。
なので1人で抱え込まないようにしてください!
必ず同僚や先輩、後輩に自分ががん患者さんを担当したいという事を伝え、自分が対応できるように周りを巻き込みサポートしてもらいましょう。
病院でも化学療法室常駐している先生などに声をかけることで症例を譲ってくれたり、困った時にサポートしてくれます。
積極的に自分から周りに声掛けして譲ってもらうような対応が一番重要だったりします。
患者さんに話を聞きながら支持療法を探し出すノウハウを体感したい人はぜひ!
患者さんからの聞き漏れも無くなることで、正しい提案ができる!
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まとめ
病院、薬局での具体的な介入のポイントを共有してきました。
最後にもお話した通り、周りの協力も仰ぎながら症例介入を作っていってもらえたらなと思います。
少しでも皆さんのサポートの役に立てたら幸いです。
それでは、また会いましょう!