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【意外と知らない】外来がん治療認定薬剤師(APACC)の面接は何が聞かれる?│2025年版

よいよ外来がん治療認定薬剤師(APACC)の新規申請が終わり、上手くいけば最終試験である【面接】にたどり着くことになります。

APACCの面接ではいったい何が聞かれるのか皆さん知っていますか?

面接で落ちることは、介入症例や筆記試験より少ないのは事実です。

しかし、きちんと準備していなければAPACCの面接で落ちる可能性は十分あります。

今回は、APACC面接2025対策方法を伝授していきたいと思います!


この記事で得られること

  • APACC面接への対策方法

  • APACC面接でやってはいけない意外な落とし穴

  • APACC面接に対する心構え


それではいってみよう!

APACC面接ってなんのためにある?

さくっと答えから伝えてしまうと、以下の内容がAPACC面接を行う理由となります。

APACC面接の理由

  • 介入症例が本当に意味があるものだったのか

  • 介入症例では不明な点の確認

  • 介入症例の深堀りのため

  • 介入した後の状況や患者指導などの確認

  • 院内で行っている情報共有の方法

  • 自身で文献などの情報を調べる能力があるか など

この記事を見てくれている人はすでに介入症例の記載を終えた方だと思います。

介入症例ではある程度の期間での物事について記載していることが多く、その後の状況や細かい指導内容、薬剤師側が考えた経緯などが不明であることが多いのが現状です。

介入症例は一つに当たり600文字しか記載できないから当然ですよね。

その書ききれない部分を聞き出し、きちんとがん患者に対応できる力を持っているかを確認するためにAPACCの面接が行われています。

APACC面接の対策はズバリこれ!

実はJASPOのホームページでAPACCの面接で質問する内容について明記されています。

その内容をまずはきちんと話せるようにするのが重要です。

APACC面接の質問内容

  • 患者の病態、治療経過や介入時の治療内容

  • 介入の目的

  • 介入によるメリット

  • 介入事例のその後の状況ならびにセルフケアとして注意すべきポイント

  • 知り得た患者情報の医師や他の医療従事者との共有のための取り組み など

一つずつ確認していきましょう!

患者の病態、治療経過や介入時の治療内容

<患者の病態>

患者の病態というのは、「○○癌、○○転移」を把握するという意味だけではありません。おそらくその情報は介入症例に記載していますからね。

APACCの面接では、上記の内容のほかに「既往歴」「検査データ」などを把握すると良いでしょう。

介入に至った症状が既往歴などに由来していないかを確認する為。と思ってもらって良いかと思います。

例えば、「下痢への介入だった場合、化学療法ではなく術後の影響ではないのか?」「悪心の場合、高Ca血症などの可能性は考慮したか?」などが当てはまると思います。

<治療経過>

患者の治療経過を理解していることは、支持療法の介入だけでなく患者のやり取りをする上で非常に重要です。

目の前の状況しか確認できないようではダメだよってことです。

APACCの面接では「○○癌に対して今までどのような治療(化学療法、手術など)をしてきたか。」を把握していきましょう。

<介入時の治療内容>

介入時の治療内容とはどのようなことを指すのでしょうか?

〇次治療で○○療法施行している。というのは介入症例に記載されていると思います。

ここで言う治療内容は下記の2点だと考えます。

  • 介入時点でのレジメンの用量(一段階減量?など)

  • 提案した支持療法以外に使用されている薬剤

抗がん剤の用量、常用薬の確認をきっちりしておきましょう!

介入の目的

APACCに求められている大きな部分になると思いますが、「症状を改善させるため!」というのではダメだよってことです。

  • 治療意欲の減退に繋がる

  • 仕事への影響が大きく軽減させる必要

  • 日常生活に大きな負担が示唆されるため

  • 術後補助化学療法であり治療強度を落とさない

など、介入する事の意味をきちんと押さえておきましょう。

介入によるメリット

これは介入の目的と被る内容かと思いますが、ワンポイントアドバイスとして、メリットだけでなく介入によるデメリットについてもきちんと把握しておくと良いと個人的には考えています。

介入事例のその後の状況ならびにセルフケアとして注意すべきポイント

<介入事例のその後>
提出した介入症例に記載されているその後の状況の把握は非常に重要です。

正直に言うと、介入事例のその後にPDになっていたとしても大きな問題はありません。

さすがに介入してすぐ後に状態が変化している場合は、「うーーん...」となりますが、がんに対する専門的な知識を有した対応が出来ているかを確認する試験ですので、次治療に移行していてもAPACC面接ではそのまま伝えましょう。

重要なのは、「介入した後の状況はきちんと確認できていますか?」という点だからです。

<セルフケアとして注意すべきポイント>
セルフケアというと日常生活に関連するものと思われがちです。

間違いではないですが、正解でもありません。

セルフケアとして注意すべきポイントは下記の4つです。

  • 症状を悪化させない為の日常生活指導

  • 支持療法の使い方(制吐剤など)

  • 支持療法導入にあたって注意すべき点

  • 医療機関に連絡するべき症状の理解を深める事

これらを軸にどのような話をしたか、するべきだったのかを振り返ってAPACC面接に臨みましょう。

知り得た患者情報の医師や他の医療従事者との共有のための取り組み

周りの話を聞く限り5年目くらいまでの薬剤師であれば、この内容はあまり触れられないと思います。

表面的な話をしても生産性がないからです。

主に主任職であったり、薬局長などの役職についている場合には、薬薬連携強化に向けた取り組みがどのような状況かを確認することで、現状の把握や今後の課題の確認に繋がるため、APACC面接で質問されることが多いと思われます。

【意外な落とし穴!?】APACC面接で注意したい事

APACCの面接対策については前の項目でお伝えしてきましたが、【意外な落とし穴】も存在しているので共有させて頂きます。

APACCの介入事例の評価は各3人の薬剤師が担当することになります。

評価の基準は明記されていますが、評価者の理解力や現場の経験によって少なからず評価に差が生じます。

言葉を選らばずに言うのなら、落ちるべき介入症例なのに通過してしまう場合も存在するのです。

次の年に同じ症例を提示して介入症例で試験が不合格になるケースが多いのはそれが理由です。

そうです。まず一番重要なのは、「合格した介入事例の見直し」です。

症例で落ちる人の特徴は大きく2つです。

  • 自分が介入した事例ではない

  • 介入の根拠がない

一つ目は論外なので、割愛します。

「介入の根拠がない」というのは、例えば、「医療機関のセット処方で~」などです。

医療機関のセット処方についての根拠も把握していればよいのですが、上記のように話してしまっては、全く根拠のない対応をしているという印象を持たれてしまいます。

介入事例に記載されている内容についてキチンと根拠をもって伝えられるようにしていきましょう。

可能であれば試験の名前などが出せると、具体的にどの根拠?というのが伝わります。

例えば、オランザピン5mg4日分の処方の根拠は... という問いに対しては、「J-FORCE試験を元に…」と伝えることで、試験官にすんなり伝えることが出来ます。

APACC面接に臨むにあたって

APCCの面接に臨むにあたって格別やるべきことはありません。

先ほどまで伝えてきた2つ。

  • APACCの面接対策

  • 意外な落とし穴

を把握してそのまま伝えれば基本的には問題ありません。

緊張して噛んでも落とされることはないので安心して受けてきてください!

皆さんの検討をお祈りしています!!

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