意外と知らない?cStageとpStageの違い
保険薬局によっては、病院との連携の一環で患者さんの「がん種」や「Stage」、「使用している抗がん剤」の情報を確認できるケースがあります。
医療機関では、「連携充実加算(60点)」を獲得する為に、下記のような条件があるからです。
しかし、情報を受け取った際に、見るStageの情報。cとかpとか書いてあるけどよくわからな。まあ知らなくても問題ないべ。
と感じている人も多いかと思いますので代わりに解説していきたいと思います。
がんのStageの決まり方
そもそもStageがどのように決められるかをご存じでしょうか?
主に「TNM分類」と呼ばれる評価方法が一般的です。
T:原発腫瘍の大きさや浸潤度
N:リンパ節転移の有無
M:遠隔転移の有無(画像検査で確認)
として評価されます。その度合いに応じてT○N△M☐(○△☐は数字)と記載されます。
Stageが大きいほど進行していることを意味しています。
またStageによって、手術適応か、抗がん剤のレジメンなどの治療選択が変わってくることも合わせて覚えておきましょう!
Stageの前につく「c」と「p」の違い
Stageのことは分かったけど「c」と「p」は結局何?と思ったかもしれません。これから解説いたしますね。
一言でいうと、「手術をしてがんの組織を確認した上で評価をしたかどうか」です。
「c」Stage
「c」は「clinical(臨床的)」の略であり、主に、内視鏡やCTなどの画像検査を元に評価をされていることを意味しています。
手術をしていない段階での評価と捉えることもできます。
先ほどもお伝えした通り、手術適応かどうかもStageで判断されるため、手術適応なら手術をし、手術適応から外れているほど進行している。という場合には化学療法などが選択されます。
「p」Stage
「p」は「pathological(病理学的)」の略であり、手術で摘出した臓器を病理に出し評価をしていることを意味しています。
手術では基本的に原発部位だけでなく、周辺のリンパ節も切除し評価を行います。
つまりカルテの情報では、cStage○○→2024.△.☐に○○切除術→pStage☆☆のような形で記載する医師が多いように思います。(基本的に時系列でカルテ記載してくれるため)
cStageやpStageの情報を活用するコツ
実際この「c」や「p」を理解することで、薬局やドラッグストアではどのように役立たせることが出来るのでしょうか?
あくまでも個人的な見解ではありますが、手術歴の有無をいかに活用できるかが大切と考えています。
どのように活用するか自分の頭の中を解説していきます。
がん患者さんは化学療法を行っていなくても、様々な症状が起こると知られています。もちろん他の病態による影響も多いでしょう。
(原発切除に限らず)手術歴を知ることで、患者の訴えが原発腫瘍による影響なのかどうかを予測する手がかりになります。
大腸がんcStageⅣで化学療法を実施している患者が便秘を訴えた場合、化学療法による影響も考慮しますが、原発による消化管狭窄による影響も考慮していく必要があるでしょう。
それであれば、刺激性下剤ではなく、浸透圧性下剤を投与した方が糞便性イレウスへの発展を阻止できる可能性があります。
あくまでも一例であり、他にも聴取しますが、このように活用できるんだ。と知って頂ければと思います。
直接患者に手術歴を聞けば終わりではあるのですが。(笑)
少しでもなるほどね?って感じて頂ければ幸いです!