休薬期間ってなんのためにある?分かりやすく解説!
こんにちは、天候が雨だとやる気が半減してしまうよっちゃんです。
さて、抗がん剤の中には「休薬期間」が必要になるものが存在しています。
「がん細胞をやっつけたいのに、休んでたら効果が少ないんじゃないか。」このような疑問は意外と持つ方は多いですし、患者さんに関してもこのように思っている方が多いです。
あなたはなぜ休薬期間が設けられているか、ご存じでしょうか?
ちょっと不安かも…と思った方はチャンスです。
これを読めば休薬期間の必要性がきちんと理解することが出来るからです。
早速いってみましょう!
抗がん剤役割
まずは抗がん剤の役割について簡単におさらいしていきましょう。
既に、抗がん剤と言っても
殺細胞性抗がん薬
分子標的薬
免疫チェックポイント阻害薬
と様々な種類の薬剤が誕生しています。
全て共通しているのは抗がん剤という名前の通り、がん細胞に対して効果を発揮し、縮小効果をもたらすということです。
抗がん剤のデメリットとは
しかし、がん細胞はかなり厄介なもので、自分勝手に増殖することが出来たり、寿命に関与するテロメアが減らないように形質変化しています。
このような特性をもつがん細胞を縮小させるために、細胞分裂に関与する各ポイントに作用させる薬剤(抗がん剤)を使用します。
ただ、細胞分裂に関与するのはがん細胞だけでなく、がん化していない正常な細胞も対象になってしまいます。
そのため、抗がん剤のデメリットとしては、正常細胞も大きな影響を受け、骨髄抑制(免疫力低下など)や脱毛などの副作用が発現することとなります。
休薬期間の意味
ここまでの話で何となく、結果が見える方もいたかもしれませんが、休薬期間を設けることで身体に対する負担を軽減させています。
そして、この休薬期間が設けられている抗がん剤は「殺細胞性抗がん薬」が主体です。
分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬は正常細胞への負担をより軽減し、異なるアプローチを行うために設計されてきたため、休薬期間という概念はほぼないと思ってもらって良いでしょう。
話は戻りますが、殺細胞性抗がん薬のは正常細胞の増殖にも大きな影響を及ぼしてしまうため、休薬という概念が非常に重要となってきます。
その際に、正常細胞とがん細胞の特徴に焦点を当て休薬期間を設けられています。
特徴は主に下記のとおりです。
抗がん剤の効果はがん細胞の方が正常細胞よりも大きい
細胞の回復力はがん細胞の方が正常細胞よりも大きい
これらはがん細胞の細胞周期の回転が正常細胞に比べて早いことが由来していますが、それをベースに下記のようなイメージで休薬が行われます。
「出来るだけ正常細胞はある一定量に保ちつつ、がん細胞を減らしていく」
これが休薬を行う大きな理由となります。
もちろん、抗がん剤の治療域と副作用域はかなり近いあるいは重なっているため、用量を調整することでこの流れに持っていけるようにされています。
休薬期間が設けられている抗がん剤
主に殺細胞性抗がん薬という話を出しましたが、具体的にはどのような薬剤があるのでしょうか?
これは用量によっても休薬の期間が変わることがあり、一つずつ把握するのは難しいと思います。
そのため、細かな休薬期間の把握は各自添付文書などを参考にして頂き、代表的な薬剤についてご紹介させていただきます。
カペシタビン(ゼローダ®)
ティーエスワン(TS-1)
チピラシル・トリフルリジン(ロンサーフ®)
ユーエフティ・ユーゼル
イリノテカン(カンプト®)
オキサリプラチン(エルプラット®)
カルボプラチン
パクリタキセル
ドセタキセル
ドキソルビシン
パルボシクリブ(イブランス®)
などなど、上げればキリはありませんが、もっとざっくりした把握の仕方として、
~チニブ
~マブ
という語尾の成分名出なければ休薬期間が設けられている、殺細胞性抗がん薬と思ってもいいかもしれません(違ってたらすみません)
まとめ
とくに殺細胞性抗がん薬に関しては、上記で説明してきた通り休薬期間が設けられており、その理由は「出来るだけ正常細胞はある一定量に保ちつつ、がん細胞を減らしていく」ことです。
がん患者さんに関してもこの休薬期間が理解できず、不安に思われる方も多くいらっしゃるので、その不安の解消のためにもキチンと休薬期間について把握していきましょう。
気になることや疑問に思う事があればインスタでも、Xでも良いので連絡を頂けますと幸いです!
それではまた!