マージナル・マン
午前中に急いで干した洗濯物は
風に揺られ気持ちよさそうにそよぐ。
太陽の日差しの熱と風が調和し
程よく心地いい空気を運んでくる。
このままここのソファーに横たわり
午後のひと時を夢うつつで過ごしてしまおうか…
そんな時頭の中に流れたsoul。
懐かしのビートが時を一層華やかに飾り
ここに居てはいけないと
私を玄関までリズミかるに運んだ。
そのまま車に乗りこみ
お目当てのCDをプレイヤーに突っ込むと
勢いよくアクセルを踏み込んだ。
たった5分も満たない時間軸に私が舞い降りた世界。
いつも見る景色も
いつも通る道も
まるで映画のように
色濃く
跳ねて
沈んで
愉快に映し出した。
ポップなMUSICに弾む心
ハンドルを握る手は踊りだし
このままどこまでも飛んでいきそうな体。
青春時代にタイムスリップした
夢み心地の脳裏に
ふとあの人が映る。
ヒロインは現実に戻らなくてはいけないと
引き返した道には
少しセンシティブな
悲劇のヒロインを象る曲を流す。
しばらく鼓動にリズムを刻み
余韻に浸るようにゆっくりと車を定位置に止めた。
今日の夕食はシチューにでもしようか。
彼の微笑む顔を想像して私の鼻が鳴った。