2024TJARを終えて思うこと
今思う私の幸せの定義
前回2022TJARを完走した後、強く感じたことは「TJARはゴールではなく、人生においてはひとつのプロセス。人生のゴールは別のところにある」ということ。そして、今思う私の幸せの定義、人生のゴールとは「与えられた自分の能力・可能性をすべて生かしきること」。他人との比較や相対評価ではなく、自分に与えられた時間、肉体と頭脳、環境をすべて生かし、新しい自分と出会い続けること。
「2024年TJARでは新しい自分に会えたのか」
その振り返りをし、今後の人生の糧としたいと思います。
本選前に考えていたこと
ゴール後のインタビューでもお話ししましたが、今回出場にあたっては二つのことを意識しました。
①前回大会の自分を超えること
②前回大会以上の練習をして臨むこと
多くの強い想いを持った挑戦者がいるなか、2回目出場はみんなが納得してくれる結果を残さないといけない。それが、自分に課した責任と義務。
2つの目標を置くことで圧倒的に行動が変わりました。定める目標が変わったことで、トレーニングのみではなく、行動の計画・食料の計画、イメージトレーニングの回数が変わりました。例えば、薬師峠に1日目に到達するにはロードとトレイルの割合、距離・累積標高はどれくらいか、時間、食料、水の補給などより緻密に計算・計画、そのためのトレーニングをしました。これだけでも「目標は高くもつほうがよい」、「計画はより緻密なほうがよい」という点を学ぶことができました。完走を目指した前回とタイムを意識した今回ではスタート前の意識・行動が既に違いました。「最初に設定するゴールをどこに置くか」。この点は、仕事でもプライベートでも注意したい点です。
ゴール後に考えたこと
前回は未知への恐怖があり、トレーニングも十分と言えず、そして台風が襲来し、太ももと足裏の痛みに耐えたレース。メンタルという点では、圧倒的に前回のほうがきつく多くの発見がありました。今回は苦しいこともありましたが、前回で耐えたメンタルを100とすると30くらいのメンタルでいけました。心の成長という点では前回のほうが大きかったかもしれない。ここから感じたのが「人間は未知に恐怖を感じる」、「未知の初めての体験は成長幅が大きい」という点。この点も多くの示唆があります。
それでも今回も前回から34時間短縮でき、前回の自分を超え成長を感じることができ、「自分のポテンシャルを信じること、攻めること」を体現できました。
今回得た一番のこと
それは「妻と娘の前でゴールできたこと」です。今回、大浜海岸で実際に、TJARのゴールをみることは、想像以上に妻と娘にとって大きなインパクトがあったようです。いつも家でワインを飲んで呑気に本を読み、寝落ちしている自分が、「たくさんの応援の方に見守られてゴールした姿」、「ゴール後インタビューを受けている姿」、「ゴール後動けず、ホテルに戻っても服のままお風呂で寝てしまった姿」、「報告会で多くの人の前に立つ姿」など、普段とは違う夫・父の姿をみせることができました。
喜んでくれたことがとても嬉しい。
この先の娘の人生において、いい影響があったらいいなと思います。常々思っているのは、娘や子供たちに「大人が楽しいという姿をみせること」。大人がつまらなそうに過ごしているよりも、楽しく過ごしているほうが絶対に嬉しいはず。大人になることに希望をもってほしい。そして豊かな人生を歩んでほしい。誰しもが自分の中に大きな可能性がある。大人でもそれは同じ。何かを初めるのに遅すぎることはない。躊躇することもない。
やはり、2024TJARに出場してよかった。
そして、終わってしまい今はとても寂しいです。TJARの選手として皆さんに会うことができないと思うととても寂しいです。
でも人生ってそういうことなのかと思います。
そして、「次なる未知への挑戦のタイミング」かなと思います。
TJARが偉大だったために、これからの挑戦はもしかすると小さくみえるかもしれません。
でも「小さくても未知への挑戦は私にとって大きな挑戦」。挑戦に大小は関係ない。
これからも挑戦は続けていきます。
そして、皆さんの挑戦も心から応援します。
2022年、2024年TJAR、たくさんの応援嬉しかったです。たくさんの幸せをいただきました。多くの出会いが人生の宝になりました。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
TJAR完
2022 NO.20、2024 No.21
吉川賢一