2024TJAR Day4 市野瀬ロード
中央アルプス下山-ロード
旧ODSKでの屋根のある場所での睡眠を考えていたため、とても後ろ向きな気持ちでロードを進みました。すき家へ入店したのは4日目0:00手前。牛キムチ丼と豚汁。楽しみにしていたもののなかなか喉を通りませんでした。そして、一口食べるごとに強い眠気が襲ってきます。追い討ちをかけるように外は予期していなかった大雨。
眠気でパフォーマンスが下がるため、1-2時間は寝たいと思い、近くの公園へと向かいました。
ここから負のスパイラルの始まりです。
公園につき滑り台の下へ。ストックシェルターを立てれば凌げる雨ですが、ポールが一本のため十分に張ることができないため、ビビィにくるまりシェルターを上にかけしばらく目を閉じましたが、雨が強く音で寝ることができず10分程度で終了。駒ヶ根駅へと向かいました。
もう市野瀬に向かうしかない。ビビィやシェルターを無駄に濡らしてしまったことで、気持ちはさらに後ろ向きに。コンビニに到着し、冷えた体を温めるためコーヒーを飲みました。
後方から青谷選手がきたため、しばらく並走、すぐに青谷選手は先行していきました。数km走ったところで山仲間のゆうすけさんの嬉しい応援。大雨にも関わらず傘もささずに車から走ってきてくれました。
またしばらく走るとやはり眠い。
どうしても気持ちが乗らない。
雨をしのげる橋のたもとで寝ることに計画を変更、そして橋の下をみつけコンクリートの上に直に寝ることに。しばらくするとたくさんの虫が…。ここでも10分ほどで諦め、やはり市野瀬に向かうことにしました。
途中の自動販売機で飲み物を買おうとすると、防水していたはずのジップが完全に閉め切れておらず、財布のお札が濡れていました。ホットコーヒーを飲んだときのミス。これ以降の自動販売機はどうしようと不安に。
ここでもダメージを受けました。
市野瀬へのロード
とぼとぼと歩いているとだいぶ前方に進んでいると思っていた青谷選手のライトが右に左に。同じように眠気と戦っている青谷選手と再度合流し、お互いの無事を確認しました。
そしてしばらく歩き、私は眠くなり雨の草むらで10分ほど仮眠。そして歩く。夜明けがくるまでこのような状態が続きました。
そして夜明けからは幻聴が。何か川のほうから放送が聞こえました。
ようやく峠を過ぎ、下りのロード。平地と下りのロードは走ることを決めていたため下りをとぼとぼと走り始めました。足が痛い。それよりも精神的なダメージが大きい。
①食料が尽きてしまったこと
②計画していた睡眠ができなかったこと
③公園で無駄に時間を過ごしたこと
④橋の下で無駄に時間を過ごしたこと
⑤財布を濡らしてしまったこと
中央アルプス下山まではある程度計画的にできていましたが、これらで全て壊してしまったような気持ちになりました。
「今この下りを走ることに何の意味があるんだ
ろうか」
「この状態で台風の南アルプスを自分はこえる
ことができるんだろうか」
「なぜ自分は1回目のTJARで満足せず2回目
出場したんだろうか」
完全に負のスパイラルに入っていました。
救世主現る
市野瀬まで残り3km程度。
走っていると2台車が近くに来て、1台が前方に止まり、出てくる人影が。2022TJARの井出さんでした。お礼をするととともに、今の自分の精神状態を伝えました。
「いいペースできている、自分もこのくらい
の時間だった」
「市野瀬に行けばまたいける」
そのような言葉を優しくかけてくれました。
話すだけで心が温まるお人柄。
そして、2台目はヤマケンさんが運転する車でした。本当に心が180度変わる瞬間でした。
戦うことを諦めそうになった心に再び火が灯ったことをはっきりと感じました。
そして、無事、市野瀬へ到着。
2022TJARよりこの時点で15時間の短縮。
この大会で精神的に一番辛かった区間でした。