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2022TJAR Day4 中央アルプス-市野瀬CP
木曽駒ヶ岳テント場にて起床
朝起きると昨日の強い雨は少しおさまっていたものの、風が強い。ストックシェルターから外をのぞくと濃霧。近くにあるはずの小屋もみえない状況。
通常であれば、夜明けを待つ状態でしたが、IBUKIをみるとほかの選手も先行していました。行くしかない!!これがTJAR!(ただし、安全に!)
強い風の音で起きる。シェルターから外をみると、強風に加え、濃霧で視界は不明瞭。通常の山行であれば、夜明けを待つような天気。ただ、進めない状況ではないため、スープを飲んですぐに出発。前日、雨のときに捻ったのか、右足のアキレス腱が少し腫れていたので、不安があったが歩くのには支障なく安心。ヘッドライトを2個使い、記憶とグリーンロープを頼りに下る。宝剣山荘の隣の天狗荘に最初に到着、視界が悪く宝剣山荘への移動も迷った。小屋内でチェックを受ける、スタッフの方から、昨日、GPSが止まっていて心配したと声をかけてもらう。山荘の外で朝食を取ろうと思ったが、風が強く場所もないため出発。
空木岳へ。孤独感と無力感
空木岳への稜線はとても長く感じました。風が強く、レインのフードから耳に大きな音が続く。何も見えない景色。奪われていく体力。
この先、自分はゴールできるのか…。さまざまな感情が生まれては消え…という状況が続きました。
空木岳の直下での、落ち込みながらの休憩は忘れられません。自分の実力不足・無力感を感じながらの食事。時折登ってくる登山者の方に、ビブスを隠したい気分。今回、気分が一番落ちた区間かもしれません。
視界の悪い状況であったが、今年、厳冬期宝剣岳も登頂しているため、迷わず、宝剣岳経由を選択。ここでもヘッドライトを2個使い、慎重に進む。極楽平を過ぎたあたりから、少しずつではあるが、視界がよくなってきた。風の弱いところでお湯を沸かし、カレーメシを食べた。ちょっと溶けきれなかったが美味しい。ただ、おなかがいっぱいにならず。もう少し買ってくるべきだった。宝剣岳から空木岳の稜線はとても長く感じた。雨風が強く、誰にも会わず、気分は落ち込む。檜尾岳で足裏チェック。昨日から続く雨でマメが少しでき、不安になる。その瞬間をカメラマンに撮られる。空木岳までの稜線も山頂への登りもきつい。空木岳登頂後、駒嶺ヒュッテから少し下ったところで、長めの休憩。味噌汁、アルファ米などを食べるが、気持ちが下がっており、いまいち喉を通らない。自分の無力感を感じる。気温は、稜線の寒さと打って変わって暑くなってきた。着替えを済ませ、下山。下りもだんだん膝の力が入らなくなってきている。
駒ヶ根高原
そんな落ち込んでいる自分を救ってくれたのは会社の先輩たちでした。
「吉川スマイルがみれてよかったよ」と言ってくれましたが、応援のおかげです。木曽駒以降、笑顔は全くでなかった。本当に感謝です。
応援をいただくこと、人と話すこと、このパワーは本当に凄いです。
足も痛く、だいぶ気持ちが落ち切ったところで、会社の先輩、ラン仲間の松川さん・中野さん、魚津でお話しした広田さんのサプライズ応援を受ける。非常に絶妙なところにきてくれて、話をすることで、元気を取り戻した。
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市野瀬CPへ
気持ちも体も温めるため、コマクサの湯で入浴しました。しばし、レースを忘れることができ、心も体もすっきりして駒ヶ根に向かいました。
途中、すき家で、横井選手・中島選手と食事。そば、うな・牛丼でおなか一杯。少し食べすぎました。
コンビニで買い物をし、市野瀬へ向かいました。コンビニでは、グミを何個か購入。もうカロリーメイトはみたくない!市野瀬では全部返送しました。
市野瀬へのロードの途中でスコール。そして、NHKの取材に応じました。
東日本大震災での会社での出来事、娘の誕生、娘・妻との歩んだ道のり、そんな話をさせてもらえました。娘が書いてくれたメッセージをみて、NHKの女性の方が涙を流してくれました。
NHKへの取材に対し、いろんな意見がありますが、わたしは全く悪い印象はありません。それぞれの人がこのレース・選手たちのことを考えてくれていると思います。
そして、峠への登り。ロードの歩きはきつい!
横井選手と中島選手と一緒になり、峠から下りました。足裏が痛い。
眠い、いろんな木が動物にみえる。。
わたしは幻覚がみえやすいのでいろんなものを見ます。
3人で歩けてよかった。最後、気持ち悪くて吐こうと思いましたが、吐けず、そのまま市野瀬へ到着。
市野瀬CP
テレビでみたことのある場所!最初はそんな印象でした。
今崎選手と久々の再開。となりのスペースを借りました。
駒ヶ根から少ししたところで、NHKの取材をうける。2011年をきっかけとした心境の変化、TJARを目指した理由、好きな哲学の話など色々話した。途中突然のスコール、その後の虹がきれいだった。ここから登りとなり、我慢の時間。峠手前から、横井選手、中島選手と一緒に歩く。峠からの下りは、ほぼ、寝ながら。まわりの林が動物の姿にみえる、みんなこっちを向いている。ロードの歩きのつらさを改めて知る。長かったロードも終わり、市野瀬に到着。ここでも会社の先輩松川さん・中野さんが待っていてくれていた。眠くてあまり話せなかったが、遅い時間まで本当にありがたかった。悪天候に備え、後半はドームシェルターへ変更。念のため、その旨をスタッフに確認。眠かったため、8割くらいの用意をし、すぐに就寝。4時間ほど睡眠。今崎選手の寝つきは早かった。
【COROS計測:53.55km(3D距離),累積上昇2078m,5082kcal】
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