& episode 013
ひな祭りの朝は、
「苺大福とお抹茶」
100円均一で見つけた、フェイクの桜の飾りを添えて。
もちろん、大食漢の彼女なので苺大福ではお腹は満たされない。
口直しに、味噌ラーメンと菜の花を炒めたソテーとゴマおにぎりを添える。
どちらが口直しなのか。
なんて、
それは「年度末」という3月に免じて許して欲しい。
この苺大福、男料理の極みという気持ちで、彼女が帰宅する前にせっせとこしらえた。
ベッキーを泣かせたゲスの極みなんて本当の極みではない。
愛しい人のために、優しく苺すら包む。
それが、本当の男の極みってもんだ。
彼女のひな祭りを、こっそり祝うのも今年が最後かなと思い、
神戸にある老舗お菓子屋のホームーページのレシピを参考にした。
くにちゃんは、小豆が苦手なのであんの部分は生クリームにして。
今日が3月3日だってことすら気がつかず、彼女はいつものように、ブラックコーヒーからのカフェオレを一気に飲み干すと、行ってきますと駆け抜けて会社へ向かった。
全ては年度末ということで、僕は微笑ましく彼女を見送った。
本高砂屋 ホームページ 初心者向け苺大福の作り方はこちら。
https://www.hontaka.jp/guide/js/07.html