本日は、取締役に委任できないことシリーズの解説をしていきます。
取締役会を設置していない場合
348条3項に列挙されているような重要な事項に関しては、原則どおり、取締役の過半数をもって決定することが必要です。
過去問もご紹介しておきます。
答えは、✖ですね。
取締役会設置会社(監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社を除く)の場合
取締役会設置会社についても似たような条文がありますよね。
さて何条でしょうか。
こちらの条文は論文式試験でも狙われやすいやつですね。
監査等委員会設置会社の場合
似た条文シリーズということで、こちらも確認していきましょう。
どんどんややこしくなっていきます。
362条4項とほぼ一緒ですね。
内部統制システムの構築については、399条の13第4項に書かれていません。
ただ、内部統制システムの構築は取締役会で決定すべきと規定されている(399条の13第1項1号)ため、取締役に委任ができないと解されているようです。
このあたりは諸説あるかもしれまんせんが、今回は説明を割愛します。
注意すべきなのは、399条の13第4項で取締役に委任できないとされているものであっても、同条5項または同条6項の要件を満たせば、取締役に委任できるという点です。
指名委員会等設置会社の場合
ややこしい条文が続いておりますが、執行役への委任に関する規定もみていきましょう。
指名委員会等設置会社は、各委員会に指名、監査、報酬の権限を担わせており、かつ各委員の過半数は社外取締役となっているため、監督機能が高いです。
そのため、監査等委員会設置会社のように、399条の13第5,6項の要件を設けるまでもなく、委任できる範囲がひろくなっています。
はい、条文は以上です。
お疲れ様でした。
いまご紹介した条文に関する過去問です。
力試ししてみてください。
答えは、1と5です。
答えは×です。
監査役会設置会社は、取締役会設置会社です。
前述のとおり、取締役会設置会社は、多額の借財の決定について取締役に委任できません。
しかし、委員会設置会社(指名委員会等設置会社)は、多額の借財の決定について執行役に委任できます。
本日の解説は以上です。
長文を最後まで読んでくださり、有難うございました。
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