後手中飛車対穴熊対超速の対局振り返り

↑この研究をしたあとに数局指してみて、課題局面が見つかったので追加で研究します。

まだ、読んでいない人はぜひ

課題局面①

研究通り75歩同歩72飛車と回ったのだが、そこで24歩の対処が難しかった。(図1)

図1

以下同角、45銀、35歩、同歩、同銀、36歩、44銀、54銀、52金、22歩、33桂馬、21歩成、35歩、22と、36歩、23と(図2)の進行

図2

ここまでは互角だったのだが、ここで57角成と指せず敗勢になってしまった…。57角成、同金、37歩成、24飛、45桂まではまずまずの展開だった。

また、数局指してみて、
課題局面①で75歩と突く手は有力ながら以下の2点は注意が必要だと感じた
1.相手の75歩の位が大きく、桂馬を渡すと74桂と打ち込まれて激痛になりやすいということ。
2.図3のように68金77金76金と指されてみると中飛車側手を作るのが難しい。(互角の将棋なので、全然中飛車側持っても良いのだが、72の飛車が使いにくいというのも勝ちにくいさを感じた。できれば飛車と銀や金との交換に持ち込みたいのだが、75の地点に歩がいると飛車が捌けない。)

図3

さて、今回は以下の2点について実戦でやられて困ったので変化を掘り下げていく
1.24歩突きの対処をどうするのか?
2.77金~76金に対してどうすすのか?

課題局面①で24歩からすぐに仕掛けられたらどうするのか?

結論:同歩と戻せば中飛車十分。45銀の仕掛けは35歩、同歩、42角引で問題ない。

課題局面①-1

75歩、同歩、72飛車の局面で24歩と突かれたときの対処だが、冷静に考えたら同歩と取った方が良かった。
理由としては
1.中飛車側は角を42や51に引いて活用したいが、24同角と取ってしまうと角が動けなくなるから(角を活用するために32金とすると、金が使えなくなるので上がりたくない)

図4

そこで、24歩には同歩と取る(図4)
ここで、居飛車の指し手は色々あるが、まずは45銀の変化を見ていく
45銀としてきた場合

図4-1

35歩の意図としては、44銀を取ってもらって44銀を捌きたいという意図と、36歩を常に見せておくという意図である。

図4から45銀、35歩、同歩、42角と進んだ図4-1では以下の候補が考えられるのでそれぞれ見ていく。
(ア)まず、54銀と刷り込む手には36歩が成立する。
以下、63銀成、37歩成の展開は中飛車有望。飛車が桂馬、銀の二枚替えになったことに加え、と金で居飛車の飛車をいじめることができること、76桂馬が激痛であるからである。
(イ)次に、弱気に36銀と逃げてくれるなら52金と上がっておいて居飛車は手に困る。(22歩や23歩と打つと、居飛車側は21飛成と成り込むことが出来ないので、右辺を放置して64角と上がっておけば十分)
36銀、52金に77金とあがって76桂馬や75角の筋を消しに行くくらいだが、53金~64金と上がるような手や33桂馬~25桂馬と捌く手があるため、中飛車側は楽しい展開

(ウ)最後に、44同銀は、同歩と取れば中飛車側は44銀が捌けることに加え、45桂馬の筋が消えているので少し嬉しい。次の36歩を受けるために26飛車とするくらいだが、じっと52金(図4-2)と上がるくらいでどうか?

図4-2

居飛車としては76銀打ちが自然だが、53金~64金の形を目指して十分。次に84銀打ちとして、64金+84銀で75の位を奪い返したら中飛車文句なしの展開。仮に、53金を見て77金~86金と無理やり受けてきたら52飛車~56歩と中央で攻めれば手が作れる。


課題局面①に戻ってすぐに仕掛けず77金はどうか?

結論:32飛~35歩の仕掛けが成立する。実戦的には中飛車が勝ちやすい展開。

図5

冒頭に紹介した以前の研究では図5から52金~62金と寄せてみたが、72の飛車が捌きにくいので微妙というのが分かった。

そこで、今回は77金の瞬間32飛と桂頭を狙う手が成立するか見ていく。
図5から32飛、76金、35歩と仕掛けたのが以下の局面(図5-1)

図5-1

(ア)図5-1で45桂馬と跳ねると
42角が冷静(図5-2)で以下55銀左、36歩、44銀、同歩、43銀打、45歩、32銀成、同金、45銀、37歩成と激しく攻めあうと飛車と銀桂二枚替えで、と金ができていて中飛車優勢。(図5-3)

図5-2
図5-3

図5-2では27飛車と浮くのが正着だが、以下36歩、38歩、33桂馬と進んで桂馬交換しておいて中飛車十分(図5-4)

図5-4

(イ)図5-1に戻って55銀左(図5-5)とすると

図5-5
図5-6

35銀、同銀、同飛、46銀引きに、33角が冷静。
①35銀と飛車を取ると、49銀が決め手。
②66歩には55角で中飛車の猛攻が続く展開。
③66金には34飛車と引いて十分な展開。以下35歩84飛、76銀打(26飛など放置すると、次に69銀~87飛成で決まってしまう。)36歩となれば十分。

(ウ)図5-1で38飛車と寄ると

図5-7

24歩という打開策がある。
①24歩に55銀から動くと、49銀~58銀成で中飛車十分
②24歩に45桂は56歩、同歩、25歩で難解。以下、55銀左、同銀、同角、49銀、48飛、58銀成、同飛、64角、11角成、35飛車でどうか?(図5-8)

図5-8

形勢としてはほぼ互角ながらも竜が作れる+穴熊なので中飛車側を持ちたい。
③24歩に同歩は同角で
以下28飛車には23歩、26飛(25歩には35角が成立)33飛浮き(図5-9)が成立する。

図5-9

33飛車浮きは、35銀、同銀、同角が狙いの手で、35角のときに23飛車成を防いでいる

また、33飛浮きという手は、あえて45桂馬を誘っているという狙いがある。33飛浮きとせずに、単に35銀とすると同銀、同飛、36歩、32飛で35銀打ちがある。対して、33飛、45桂馬の交換を入れてから35銀とすると、同銀、同飛、36歩のときに45飛と桂馬が取れるのが違いのようだ。(図5-10)

図5-10

ここまで、24歩を突き捨てた場合の変化と、77金上がりの変化を研究してみたがどうでしたか?

今後も、気になる変化があったら随時更新していくのでよかったらフォローお願いします。

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