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生活費と風と波と光。道が、できる。

心が輝く方に。

心が少し光を帯びる。
そっちの方にいるんだ。

所持金200円を握って思うこと。
生活のために使って残った、200円。

貧困とか、まずった…!とか、足りないぞ、
ピンチ、日数とお金を数えてばかり。
0円になった状態で途方に暮れる自分。
そんなことで頭は回転している。

どうなるかわからないけど、とどこか他人事だ。

ここから、この7月を乗り切る。
そんなときに、不足や不安、恐怖、心配を生きることを選びたくないなあ。

だから、書く。
そして、描く。
作っている、創っている、手を動かしている人達がいる。

どんな世界をいきる?どんな世界線を選ぶ?
どこ?どこ?ないよ…って、曇と暗闇…
どこへ行けばいいかわからない海の波に揺られている。

あなたのせいじゃない。

いや、ぼくがあの時ああしなければ、我慢してれば、耐えていれば…。
もしくは、賢くて、知恵があれば…。
その主観に、突破口を見出して、着地する、そんな閃きを灯せる賢明さがあれば。

200円は過去の色んな傷も、自己否定も、行動否定もキラッと映してくる。
でも、それを繰り返していきたいわけじゃないんだよ。

こんな波にさらわれ息継ぎ絶え絶えに、
でもコンパスは替えの針がもうない。
かろうじて、日の落ちた方はみえてるみたい。

手を動かしている人達がいる、創っている、
見出そうとしている人達がいる。

僕は書いているこの文を。

ぼくは何を言いたいのだ。
ぼくは何を生きたいんだ。

息がしやすいところだ。
波や曇の空ばかりを見て、混乱し続けたいんじゃないんだ。

一息ついたり、今にしっかり、足をつけたりしたい…んだ。

自分から。
自分から力を出す。
自分から。

波に浮かぶ。

太陽を思い出す。
はじめから波の中に一人でいたわけじゃない。

太陽を思い出す。
顔や体が暖かくなる。
胸が暖かくなる。
心が温かくなる。

ぼくは動き出す。

ぼくは樹を思い出す。
清々しい朝の空気を思い出す。

絵を描いていた手と、疾走るような心を思い出す。

ただ今揺られいているだけだ。

自転車で駆けていた風。
ふいに太陽の熱の中、涼やかな風を思い出す。
こうして書いていて晴れやかさが少し
みずみずしさが少し。
こらなんだ。

風を感じる。

風…。

波の波の中で風を感じる。

力が抜けていた、浮いてる。

風は、暖かな方へ吹くんだ。
太陽の方へ吹いてるんだ。

このまま、くたばっても苦しくないよきっと。
まさか、また朝がくるよ。

ぼくは太陽の方…風のふくほうへそのまますーっと泳いだ。

背泳ぎみたいに。

ずっと、思い出していた。
朝、窓から入ってくる金色の陽射し。

パンが焼けるいいにおい。

お腹が空いてることを思い出した。

そして、大地にたどりついて、寝転がっている。
気持ちよくて寝ている。

そして、柔らかい草、そよそよさわやぐ木々。

鼻に風がスーッと入ってくる。
ぼくは生きている。

よくみると曇りの空が動いている。
雲が動いている。

このままで入るわけがないんだ。

ぼくはそのまま、波にまかせて、たたゆっくり動いた。

たまに休んでる、プカプカ浮いた。


あ、ポケットにペットボトルが入っている。
水を飲む。

なんて、うまいんだろう。

体に力がみなぎる。
 
べつにまあいいか。
何か見つけようとしなくても。
まあいいよ。

ないならないで、なんとかなるんだ。

じーとしてたら、雲の切れ間が見えてきた。

青い群青色になってきた空だ。

みるみる間に、雲が開けてきた。

あ、太陽のほうがわかった!
残照が空を照らしている。

そして、
そして、そのしたに
ヤシの木の影と島影がみえた。

心の安心、この自分といい心の島影だ。

そして、波も風もそちらに吹いている。
ぼくは耳を澄ました。
ぼくは耳を澄ましていた。

それでいいんだ。

なにかがかわらなくても、
変わらないように見えてるだけで。

変わるのだ。

ぼくは波に身を任す。 
どんどんヤシの影に近づく。

島影も大きくなる。

ペットボトルのわずかな浮力が、休憩というスポットになる。
 
泳いだ。

…、……。

空は遥かな透き通った群青色だ。
星も見えてきた。

なんてきれいだろう。

なんてくたびれたろう。

ぼくはもうヤシと島影しか見なかった。

そして、とうとう、
とうとう…

浅瀬になり…。

ゆられゆられて…
ぐんぐん浅瀬になり…

足がついた…!

体はがくりと重い。

ぼくはもがきながら、浜辺へたどり着いた。

陸だ!

這いつくばって、ヤシの木まで行った。

ぼくは、生きている。

今日に辿り着き、また明日に揺られてゆく。

さあ、もう、自然に瞼が落ちてくる。

着ている服を脱いで、砂浜の砂身につけ、ヤシの根元で眠りに落ちた。


朝。

まっさらな透き通った空気と夜明けの光。その一番取りのような光が瞼に届いた。

ぼくは目を覚ました。

ヤシの木に登り、ヤシの実を取った。
近くの岩でわり、中身のジュースを飲んだ。

とてもうまい。

生き返る

体中が笑い出すように、乾いた砂にみるみる染み込む。

ぼくは、太陽を眺めた。

この夜明けを眺めた。

これがまるでぼくの家のようだ。

心に陽射しを、入れ込み、
光を蓄え、住まわすように。

ぼくの心の光はあるのだ。

それを元に、その下に、
生きるんだ。

くうねるだす。

そうだ。

考えすぎるのをやめて。
今今に。


心の光で生きるんだ。

自ずとわかる。

耳を澄まし、心を澄ませば。
波と風がぼくを運んだ、
ぼくがぼくを運んだ。

耳を澄まし心を澄ます。
心の光が現れてくる、光を発揮してくる。

そしたら、道が現れる。






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