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12/20 本八幡 Route14"Motoyawata Acoustics Party 2024"


act: 高木フトシ / 唯(umbrella) / 涼木 聡(Yeti)

 千本公孫樹(せんぼんいちょう)が聳え立つ地にある本八幡Route14。それぞれに世界観のある個性際立つアーティスト、3マンのイベントが行われた。

 アコースティックギター1本。髙木フトシの世界が詰まったセットリスト、聴くどころ満載のステージだった。
 1曲目からの天使の像は髙木フトシの真骨頂。スローなテンポで静かに歌い出す。髙木フトシが歌うステージが神聖な場所へ。何処か悲しげに微笑む天使が像が見下ろしている様な画が浮かぶ。
 照明の光が一筋、髙木フトシに差し込んでいる。それは天啓の様だ。彼は感情を全て開け放し天に叫ぶかのように歌う。

 天使の像から一転、若干テンポ遅めのアッパーな透明な錯覚。静まっていた雰囲気もガラっと変わる。どことなく視界が開けて明るくなった感覚。ノリの良いリズムが自然に体を動かせる。
 歌詞に“解り合えない糸”と言うワードがある。これは最後アンコール曲へ続く繋がりか。。

 I think about  you。前回の下北沢440でも歌われた。ギターの旋律はシャレ乙な雰囲気。髙木フトシが“I think about  you ただそれだけさ”と繰り返し歌う。
「あなたのことを思う」
髙木フトシの歌詞では分かりやすくシンプルだ。ストレートな歌詞は頭から離れない。

ステージの対面にあるクリスマスツリー


 ゆったりとまったりした雰囲気のMC。リラックスしている様な髙木フトシ。彼は笑顔で楽屋での共演者との楽しい交流を客席に伝えていた。その交流があってか温かい気持ちでステージで歌えていると。そして、ステージから見えるクリスマスツリー、その光景が気持ちをpaeceにさせてくれると笑顔で語っていた。観客には同じくpaeceな気持ちで家路についてくれたら。。という思いを伝えてくれていた。

 MCで和んだ雰囲気の中、「空の糸」の曲紹介へ。この曲は彼の亡くなった母を思って作った歌だ。

 「俺がー30になるちょい手前くらいだったのかなー。ある意味、女手一つで俺を育ててくれた母親が亡くなって。その時のことを。。思って。おふくろのことを。。なんか思い出して作った歌があるので。そんな歌を聴いてください」
 
 どことなく悲しげだが優しい雰囲気のある曲。歌詞は直接的な表現ではなく比喩が美しい。空の広さが母親の存在の大きさを感じるのだ。この曲を歌う彼は何処か母親を感じているかの様。。そして母親の大きな愛情に包まれているように思えるのだ。

空の糸を解いて 暗くなるアスファルト
星が溶け出している 君の手にだけ朝日が灯る
君は糸を解いて 繋いでゆく星と星
その夜空には いつか 神話となる縫い目があった
その日だけのストーリー もう 作られた
君はひとりで星を繋いでいた 見守るための細い空の糸
ちぎられた夜を縫う 空の糸

空の糸 lyrics一部抜粋 lyrics 髙木フトシ
 

 空の糸から休みなくアコースティックver.のblind/blind。エフェクターの電気音なし。最近、多く聴かれるのはこちらのバーションで耳に馴染んできた。派手な印象はないが、表現が違ってもしっかりと歌の熱量は変わらずなのだ。

 本編最後の曲はChaos / Ending。曲中にvezのRainが組み込まれている。元々、Chaos / Ending の中盤のギターの旋律に組み込まれていたものだ。初めてこの曲を聴いた時、実はvezのRainをぶっ込んだと聞きいた。このことを聴いてからはその部分がRainにし聞こえなくなった。この箇所をドヤ顔してギター弾く髙木フトシを思い出す。最近では時折、この部分に歌も組み込まれるver.を耳にすることもある。Chaos / Ending / からRainにスイッチ、また自然にChaos/Endingに見事に戻ってゆく。2曲混在するが違和感なく聴くことが出来る。どこかお得感のあるChaos / Ending / Rain ver.である。


 アンコールはvezの杼。しっとりと、情緒的に髙木フトシはこの曲を歌い上げた。この日歌われた曲を繋げて結ぶように。。
縦糸に横糸を通す。人と人が共鳴し寄り添うように。
人の温もり。人との繋がり。千本公孫樹。この日のイベントに相応しいアンコール曲であった。

本八幡の大きな千本銀杏。
そこへのリスペクトを、強く持って挑んだよ。
いい歌を歌えた気がする。
押忍。

髙木フトシ公式サイト20241221ブログ転載


 後日のブログでもコメントしている“本八幡の大きな千本銀杏”。千本銀杏とはRoute14の近く葛飾八幡宮、本殿右に聳え立つイチョウの大木である。大木と記しているが多数の樹幹が寄り集まってまるで1本の樹が根元から聳え立っているように見えることから千本公孫樹と呼ばれている。

 髙木フトシは前々からこの樹をリスペクトしていると公言している。千本公孫樹についてMCでこう語っていた。以下MC。

「ただただ本八幡に来ると俺いっつも。そのー。そこの神社の千本公孫樹っつって細い枝がこう。。いっぱーい、いっぱーい重なって重なって寄り添って寄り添ってぶっとーーい樹になって、でかーい公孫樹の樹があるんだけど。そこに。あのー。その樹がすごく好きで。で。その。なんだろな。君が代でさ、細石ってあるじゃん。細石と同じ様なイメージを。。俺は持っていて、なんか。日本の人。日本人がひとり1人が寄り添って寄り添って、なんか助け合って助け合って一つの大きな。。なんか大木になるっていうなんか。そう言うイメージを持ってるんだけど。ここに来るたんびに、その。。あの公孫樹がある街で、歌を歌うっていう。。なんか自分的にはすごい嬉しくて。あのーいつもそういう感じでここに来て。で、ここのライブハウスの。いつも。家族が。ここのオーナー家族が、家族でライブハウスやってるってことはあまりないのだけど。あのー、ここのお父さんお母さん、りさちゃん三人がすごい俺は大好きで。もう、まさに家族。千本公孫樹の様な家族。三人が寄り添って、頑張ってこのライブハウスをあのー経営してくれてて、俺みたいな奴を呼んで歌を歌わせてくれてる訳で。あのーとても、あのー感謝すると同時に、更に、こうやってお客さんがみんなここに集まってくれてることも、またそれも一本一本の細い幹。。の様に思えたりもしてます。ただただ唯くん、聡くん、Route14、ここにいるみんなに大きな感謝を。どうもありがとう」
「今年ルート最後なので。この歌を歌いたいなーと思って。んとー織物。。織り機ってあるじゃない。織物を織る織り機。それの横糸を通すこう言う木の。。こう。やつがあるんだけど。それを杼って言うんだけど。それを英語で言うとシャトルって言うだけど。横に通す杼。なんかーそんな。その杼って言うタイトルの曲を聴いてください」

アンコール。杼へ。



12/20 本八幡Route14 SET 

01 天使の像
02 透明の錯覚
03 I think about you
-mc
04 空の糸
-mc
05 Blind / Blind
06 Chaos / Ending / Rain

En
01 杼(vez)

      髙木フトシ公式HP 20241221ブログより転載

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