10/20 町田 CLASSIX ARBEIT presents “the entrance to a hotel district vol.1”
act: 高木フトシ / ARBEIT / 死んだパンダ噛んだズ / Dustpan Ants(有原雅人、MIX)
この日のライブ出演はイベント主催のARBEITからのオファーを受け、この日のイベント出演に至った。そして、彼にとっては初めてのライブハウスであったと公式ブログにて記されていた。
この日のイベント出演者は4マン、彼以外は全てバンド編成であった。彼の出番は3番手、先に出演していたDustpan Ants、死んだパンダ噛んだズで観客は大いに盛り上がり会場の空気は温まっていた。そんな雰囲気の中、髙木フトシはガットギター1本で挑む。髙木フトシがギターを弾き歌い始めると熱を帯びていた会場の空気が鎮静されていくのを感じる。一瞬で彼の歌の世界に観客が引き込まれていくのだ。曲はClown smile and lies、Where、無知の支配とバンドのアッパーな曲とは真逆に髙木フトシの重めな世界観ある曲をガットギターの音色で彼は落ち着いた雰囲気で歌い上げた。
3曲歌い終わるとMCへと続く。この日のイベントに呼んでもらったことについて謝辞を述べつつ毒舌冗談を交え、笑顔で嬉しい気持ちを表現する言葉が聞かれた。彼の毒舌冗談と嬉しい気持ちは観客に受け入れられ笑いが起きていた。そして彼はこの日の出演は「罰ゲーム」だと言うのだ。彼以外の出演者は全部アッパーのりのバンド、その中で56歳の初老の自分がガットギター1本持って歌を歌うというのはとても申し訳ない気持ちであると。その言葉を受け客席からは彼に対して「カッコいいー」「最高ー」など次々と掛け声が上がった。
髙木フトシは観客からの「カッコいいー」などの掛け声に恥ずかしいと笑顔で照れながらも次の曲へ準備を進めている。彼と観客との掛け合いで会場はまったりと和んだ空気になっていた。次の曲紹介がされStar fallのギター音が静かに鳴り響いた。彼が歌い始めると会場は再び彼の歌世界へと引き込まれていく。ミラーボールの反射した光の輝きが、星が瞬き降り注ぐ夜空を演出している。彼の歌は伸びやかに声高く響きライブハウスの空間に止まらない。ライブハウスの壁や天井を突き抜け、遥かは高く天へ、川山を超え遠くの地まで広がってゆく様だ。そして会場に空高く満天の星空を見せるのだ。このStar fallは彼が福島の地で夜空に満点の星を観た時に作った曲だと語っている曲だ。Star fallを歌い終わった後に彼は石川県、能登に届くように歌ったと静かに言った。客席からは盛大に拍手が起こった。
4曲目の曲前MCにて、先日この日のイベント主催のARBEIT、drミノワ氏を誕生を祝うミノフェスというライブイベントが行われたと。そのイベントにて彼自身が在籍していたバンド(vez、HATE)のカバーされている動画がミノワ氏より送られてきたというエピソードが披露された。この行為に彼は自分はそんなに愛されてるいたのか?と自問し愛されたことに気づいたと話す。そして、この好意に対してミノワ氏への返礼の意味として彼が在籍していたTHE HATE HONEYとvezの曲が歌われた。ガットギターでのBlueberry motel(THE HATE HONEY)、続けて夜虹(vez)が歌われ会場から歓声が上がった。これはイベントならではのサプライズ的選曲だ。髙木フトシがバンドで歌うことを望む声も多く、ガットギターで歌われる彼のバンド曲はとても貴重なのだ。弾き語りで感情的に歌いあげるBlueberry motelは繊細で切ない。静かに歌い終わった後は彼の歌を傾聴していた客席から拍手と歓声が上がった。次に夜虹と続き、観客に歌う様に要求するとその要求に対して観客も彼と一緒に歌い出す。一体となってこの歌を歌い上げた。
ラストの曲はガットギターverのBlind / Blindだ。ピコピコした電子音がなく派手さはなく静かに落ち着いた印象である。しかし、歌は熱き志し高き歌であった。
短い時間であったが内容深く濃い髙木フトシのステージだったと感じる。最後の曲が終わり、全7曲彼の歌を堪能した観客は彼に最大の拍手を送り、ステージを去る髙木フトシを見送った。
イベント主催ARBEITのステージにてスペシャルゲストが呼び出された。自身のステージを終えた髙木フトシが再登場する。
ARBEITとのセッションでハンドマイクを持ちMidnight paradeを熱唱。観客の歓声に対して「もっと来い!」とステージから煽る。その姿はロックバンドのヴォーカルそのものだ。彼はこの時間を楽しんでいる様で笑顔である。ハンドマイクを持ち構える姿、ヴォーカルの佇まいが板についている。それは最高にエモーショナルでカッコ良いのだ。セッションは3分弱、短い時間のひと時ではあったが最高に熱いステージを観せてくれた。
最後に私ごとの話しをする。弾き語りでは見られないスタンディングでハンドマイクを持つ彼。マイクのコードを腕に巻きつけシャウトし歌う髙木フトシは最高にカッコ良いのだ。私は25年前、彼のこの姿と声に一目惚れしたのだ。その時からだいぶ時が経っているが、魅了するその姿は今も現役、ロックヴォーカリストとして存在感は唯一無二であるとして間違いない。彼を見つけた出した奇跡に感謝したい。しかし、私にとって髙木フトシは弾き語りであろうとバンドであろうと区別なく最高にカッコ良い音楽家だ。私にとって髙木フトシは永遠ロックスターなのだ。彼の創り出す作品に興味があり、彼が表現する全てのパフォーマンスに興味がある。これからも可能な限り髙木フトシを追っていきたい。そして、彼が末永く音楽家として最高にカッコ良い表現をし続けられることを願っている。
10/20 町田 CLASSIX SET
01 Clown smile and lies
02 Where
-mc
03 Star fall
-mc
04 Blueberry motel(THE HATE HONEY)
05 夜虹(vez)
-mc
06 Blind / Blind
ARBEIT SESSION
01 Midnight parade
髙木フトシ公式10/21ブログより転載
※実際には02と03の間に無知の支配が歌われている。