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9/16 吉祥寺 曼荼羅 高木フトシ x 吉祥寺 曼荼羅 bimonthly oneman -2024-"透明の錯覚"

act:髙木フトシ

 吉祥寺にある老舗のライブハウス、吉祥寺曼荼羅にて髙木フトシのライフワークである隔月ワンマンライブが行われた。この2024年隔月ワンマンも5回目、第五章となる。タイトルは“透明の錯覚”。どんな物語りが綴られるのか。約2時間、髙木フトシの描く透明の錯覚の世界が広がる。

 第五章の始まりは夜空。しっとりと歌い出す。物語は回想シーンからの始まりなのか。星が瞬く夜の空を見上げ、愛おしい人を想い、過去に起きた出来事を思い出している主人公がいる。私にはそんな物語の序章を想起させる夜空だった。しかし、1曲目に夜空とは良い意味での裏切りである。いつもの流れで夜空は最後にくるものと思い込んでいたのでこの意表を突くセットリストは新鮮で興味深い。
 次に車輪の輪と続き、前半のセットは今年の曼荼羅隔月ワンマンで披露された曲が物語を綴る。(ブログから転載のセットリスト参照)
 そしてこの第五章タイトル「透明の錯覚」、同名の新曲もこの流れに乗り披露された。早くもなく遅くもないミディアムテンポ、髙木フトシ的旋律で歌いあげるような楽曲だ。この曲はこれから歌い続けられ育っていくものだろう。
 他にはAKUH(高木フトシ+YA/NA) の3rdシングルRed Counterから2曲。螺旋の針、赤い森が組み込まれていた。赤い森はチェルノブイリ原発事故にまつわる曲(赤い森:チェルノブイリ原発事故で枯死したマツが赤茶色に見え赤い森と呼ばれる)である。この曲がこの物語を一層深みと厚みを与えているように感じた。
 この物語、本編最後の曲Sleeping forest。死んでしまった赤い森がこの世界の真実をと問いかける。髙木フトシが語りかけるように歌い静かに第五章は終わる。
 次回は「歯車」最終章。11月の曼荼羅隔月ワンマンにて物語は語られる。

 ワンマン後の髙木フトシのブログより、彼はこれまでの物語をこう振り返っている。以下、髙木フトシ公式HPブログより転載。

“次回の最終章「歯車」に続きます。

サイレント・エラー、思考停止。
遠くで鳴る狂った車輪の声、聞こえているのに祈ることしか出来ない。
その傍らで王の椅子に居座る、人。
ぶつかりあう、複数のバイアス。

「透明の錯覚」

囁かれた終焉。

森が言う、この世界の真実を。
応えてよ、真実をと。“

 「透明の錯覚」の本編が終わり12弦ギターによる曲が始まる。ここからは雰囲気がガラリと明るく楽しいモードへと変わる。“楽しもうぜコーナー”の始まりである。本編では集中し硬い表情が多かったように見えた髙木フトシであったが、ここでは楽しそうな笑顔で歌う彼の姿が見えた。客席もこの時間を慣れたように楽しんでいる。彼が誘導しなくても自然に手拍子が起こる。歓声が上がる。彼の後日のブログでこのコーナーについて「めちゃくちゃ楽しかった」と述べている。


 MCにてこの曼荼羅シリーズで歌われた曲はメッセージというものを込めている訳ではなく、自分のテーマを決め物語を作っていると。作った曲をその都度、表現したくてやっていると彼は言う。しかし、彼の書く詩には聴く者へ確実にメッセージがあるのではないか。それは、現代社会の過去、現在、未来へと。この世界への憂いを。
 他にMCでは今後の音源制作への構想と意気込みを語っている。現在制作中の音源とは別にいずれは自分の部屋でギターを弾いるような感じで、この曼荼羅シリーズとして音源を出したいと話していた。是非、構想で終わらず音源制作を実現して欲しいと願うばかりである。

 アンコールは曼荼羅ワンマンに相応しく爆音slide。アンプからギターの音が壮大に割れんばかりに唸り出る。誰に促される訳でもなく観客は髙木フトシに向けて手をあげる。彼はその光景を満足そうに眺めギターを掻き鳴らす。照明が華やかに明るくなりこの曼荼羅シリーズ第五章が終演に近づいていると感じるのだ。
 全てのセットリストを歌いきり、満面の笑みで髙木フトシをステージを去っていく。客席からは盛大な拍手が起こり、彼に喝采を送る。この光景はいつ見ても感無量である。

 次回の曼荼羅隔月ワンマンは11/23(祝)、隔月ワンマンシリーズの最終章、タイトルは「歯車」。髙木フトシがどうこの「歯車」の物語を表現しこの曼荼羅隔月ワンマン-2024-を締めくくるのか、楽しみに期待して待つことにする。


         lyrics by 髙木フトシ

「透明の錯覚」 

囁かれた 終焉
絵に描いた透明の錯覚
どこまで?連なり続けて
群がる様な 透明の錯覚

引き返せないほど遠く
奥深くまで逃げて
目印を見失った

錯誤に陥る 推論
不敵に笑っている
連続する悲しみ

ふざけている
蔑み 憐れみを
気が付いていた
手を振る 最期

囁かれた 終焉
絵に描いた透明の錯覚
どこまで?連なり続けて
群がる様な 透明の錯覚

透けて見える眼差しに
伝わることなく去った
僕は取り残されて

お伽話を
目を閉じ 聞きながら
気が付いていた
手を振る 最期

いくつもの予告は
何も無かった 何も無かった
どうして?
解り合えない糸
無数の声を 透明の錯覚
どこまで?

連なり続けて
群がる様な 透明の錯覚

(髙木フトシ公式HP ブログより転載)


20240916 吉祥寺曼荼羅SET

SE 01
01 夜空
02 車輪の声
03 螺旋の針

SE 02
04 サイレント・エラー
05 バイアス・コード
06 透明の錯覚

SE 03
07 バラ色の秘密
08 赤い森

SE 04
09 Silence
10 Connect
11 Sleeping forest

SE 05
12 Even if it evil
13 Lost mercury
14 What

-mc
15 冷めた目の子供達
16 グレフル
17 Blind / Blind

En
01 SLIDE

髙木フトシ公式HPブログより転載

吉祥寺 曼荼羅 高木フトシ x 吉祥寺 曼荼羅 bimonthly oneman -2024-"スケジュール
髙木フトシ公式HPより転載


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