12/30 横浜 BAYSIS "慟哭のプラン"高木フトシ ワンマン
act:髙木フトシ
2024年12月30日、年末恒例となっている髙木フトシのワンマンライブが横浜BAYSISにて行われた。ワンマンライブのタイトルは“慟哭のプラン”、これは髙木フトシのスキル、感情、歌力の持ちうる魅力、全てを放出した2024年集大成ライブだ。そして、2024年を締めくくるに相応しく、髙木フトシが表現する歌世界、最高に素晴らしい歌を聴かせてくれた。
この日のセットリスト02−08は当初別のものだったという。11/23吉祥寺曼荼羅ワンマンシリーズ、最終回「歯車」を経ての流れで考えられていたと。しかし、この曼荼羅ワンマンシリーズは延期となりまだ閉じられていない。
後日のブログで“当初の「プラン」が崩れ「歯車」が狂った、、、。”と自身の悔しい思いを打ち明けている。当初のセットリストも気になるが、実際歌われたセットリストもワンマンタイトルの体を成し髙木フトシの歌世界を堪能出来るものだった。
初めに髙木フトシが12月30日の年の暮れ、2024年を締めくくるワンマンライブのステージに立つに至る彼の感情の揺れから歌を歌うことへの気付きと決意の表れを記しておく。
セットリスト中盤に差し掛かる頃、長く語るMCがあった。彼はここに至る心情を語った。慎重に言葉を選び、彼自信の言葉で目の前にいる彼の歌を聴く人々へ赤裸々に伝えていた。
2024年は色々な出来事があり心折れることもあった。歌を歌うことももう無理なのかと落ち込んだ。自身で書く詩、本当に心から信じて書いた自分の詩、言葉が自分自身に呪いをかけていたのだと言う。そして、その言葉の呪いは自分の体を気付かないうちに蝕んでいたのだと。。
ポジティブな言葉を選んで歌っていたが、自分はその言葉に縛られ「自分は逃げちゃいけない」と。そして、彼は自分の気持ちが立ち行かなくなった。
自分自身に問いかける。
「じゃぁどうしたい?」
答えは、結局、、自分は歌うしかない。
自分は歌が好き。だから、今、こうして歌うためにステージに立っているんだと。愛と平和を強く歌っていきたいと。
目の前にいる人たち。その向こうにいる人たちに届くように。。so。へ。
愛と平和への思いを詩に綴った髙木フトシの渾身の歌。彼は歌への思いを解き放つ様に全身全霊、愛と平和を叫んでいた。
歌うことへの問い。歌うことに向き合い、答えを出し立ち上がった彼は最強の音楽家、無敵だ。
この記事の最後に、彼の決意、実際の言葉を忘れないよう、、このMCを文字に残し置いておくことにする。
【慟哭】とは“声をあげて激しく嘆き泣く”ことある。
この日のワンマンライブのタイトル“慟哭のプラン”。このタイトルは曼荼羅ワンマンシリーズの最終回「歯車」に続くテーマとして付けたタイトルであったが、困難から挫折を味わった彼が感じ、体験した体感全てを歌へのエネルギーに変換し、この日のワンマンライブ“慟哭のプラン”を歌い上げていた。
歌を歌うことに真剣に向き合う彼の歌は、聴く者の心に刺さり、あらゆる感情を揺さぶるのだ。
会場は暗転しSEが流れ始め、ライブの始まりを告げる。
暗闇から照明の光に照らされて髙木フトシの輪郭が浮かび上がってくる。
聞き慣れたエフェクター音から始まるBlind/Blind。徐々に最高潮へ。1曲目から扉を解放したように激しく叫ぶ髙木フトシの歌声があった。その声に呼応するように客席から歓声が湧き起こる。
“君へ届けよう 全てを持って
語りかけよう この命を持って“
ここから始まる合図のように、髙木フトシはこの歌詞に強い意志を込めて歌っているように聴こえた。そして、この開始の合図から08Star fallまでノンストップ、怒涛の髙木フトシの音世界が展開されていった。彼はギターも歌も絶好調。歌が歌い終わる度に歓声や拍手が起こっていた。まるで1曲1曲が最後の歌かのように最大級に盛り上がりをみせていた。
MCを挟み、盛り上がった会場の熱をクールダウン。先に記したMCがあり、今世界がこんな時だからこそ、歌っていきたいと。そんな2曲、09So、10hallelujahへと
熱かった会場の雰囲気は鎮静された。観客は熱い思いを持って歌う髙木フトシの歌に耳を傾け、真剣に聴いている。髙木フトシのシャウトは力強く、天に突き抜けるほどだった。迷いのない髙木フトシの歌は愛と平和・純度200%のものだった。
11白のブランコから12バーニーへ。バーニーは髙木フトシの亡くなった友人を書いた歌である。この友人からHATEの「IN THE SUN OF LOVE」を褒められたエピソードある。
”今はまだ俺はここで お前のいう歌を歌って
約束したろう また遊ぼうな“
この歌詞は髙木フトシがこれからも歌い続け、まだ生きていくって言う思いを表したものに聴こえてきた。
12弦ギターのパートでは、観客から自然に手拍子が湧き起こっていた。これも促される訳ではもなく、歓声をあげるも。名前を呼びかけるも。手をあげるも。各々に思いを持って彼の歌を聴く姿があった。その光景を見ながら歌う髙木フトシの表情は笑顔が切れず楽しそう。Lost Mercuryでは観客も一緒に歌う場面があった。演者と観客の一体感、この光景に髙木フトシが「最高かっ!!」と発していた。
その日のステージでも、後日のブログでも素晴らしい光景だったと述べている。これは髙木フトシがライブを積み重ねた結果だ。
本編最後の歌にして髙木フトシが言った。
「今日この歌を自分に、、歌おうと思うので。だけど、みんなにもその歌を聴いてほしい」と。髙木フトシ自身のためにと表出して自身の持ち歌を歌うってことは今までにない。
その歌は、極彩色の革命。
12弦ギターの曲で約7分程ある。気持ちと体力が必要な曲である。髙木フトシは力強く歌う。聴いた者はこの曲から力をもらう。この曲を始めて聴いた時、初聴にして自然と涙が溢れ出た、そう言う曲だ。
“越えていこう 越えていこう 立ち上がるだけでいい
越えていこう 立ち上がるだけでいい”
この歌詞は呪いではなく奇跡に繋がる魔法の言葉だ。
これは勝手な想像ではあるが、彼は自分を信じ、自分の歌を信じて自分の歌を歌い切ってきた。彼が自分自身の言葉で身も心も追い込まれ、歌を歌えないかもしれないという、今までにない困難にぶち当たった時、計り知れない絶望や悲しみに襲われたに違いない。その過程で彼は、慟哭し悩み苦しんだであろう。しかし、一度止まった「歯車」は再び周り出した。困難からの気付き、これは悪くはない。この気付きから彼をより良き方向へと導き、最高のゴールへの世界線にと変わったのだ。と信じている。
そして。会場にいた全ての人から望まれてのアンコール。曲は夜空とSLIDE。
髙木フトシの歌声で会場は光に包まれた。彼は魂で歌う19曲を歌い切った。困難から再び立ち上がり前を向いて進む髙木フトシ、最後は笑顔で最高の歌を聴かせてくれた。
会場は彼に向けた大歓声の渦、喜びに満ち溢れていた。2024年の高木フトシの歌納めは大成功に無事終わり、2024年幕は閉じられた。
2024年髙木フトシの全活動にお疲れ様を。
新たな年も髙木フトシは全身全霊で歌を聴かせてくれるだろう。色々な試みも目白押しだ。2025年、髙木フトシの更なる飛躍と活躍に期待する。
高木フトシ-Futoshi Takagi- 2019.03.21at 吉祥寺 曼荼羅
1.極彩色の革命
2.Even if it evil
3.Progressing and proceeding
20241230 横浜BAYSISワンマンSET
SE 01
01 Blind / Blind
02 Radio star
03 Betelgeuze
SE 02
04 バラ色の秘密
05 Graphic pain
06 Dark ferris wheel
SE 03
07 世界の終わりに
08 Star fall
Mc
09 So
10 hallelujah
SE 04
11 白のブランコ
12 バーニー
SE 05
13 No one knows that fact
14 Even if it evil
15 Lost Mercury
16 What
MC
17 極彩色の革命
En
01 夜空
02 SLIDE
髙木フトシ公式HP 20241231ブログより転載