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10/4 高円寺 club ROOTS! "月にうつろふ白菊の花"


act: 高木フトシ / 町田桃子 / 猫脊 / 小澤伸也

 会場はハロウィンのオブジェが飾られ秋を感じる内装になっていた。会場に入ると並べられた椅子は全て埋まっており、観客のワイワイガヤガヤと言った活気ある雰囲気で満ちていた。

 ライブハウスからこの日のイベントの詳細について髙木フトシの後日のブログにて
公開されていた。以下、髙木フトシ10/5ブログから転載。
“歌人の短歌「さえわたる ひかりを霜に まがへてや 月にうつろふ 白菊の花」から着想を得たタイトル、秋の月によって色が変わってゆく白菊の花の色のように、各アーティストがステージの照明や音によって美しく舞うようなイメージ、そして各々の魅せ方や楽曲の個性が聴く者に繋がり、広がっていくようにと願いを込めたイベントとなります。”

 髙木フトシ曰く、これにはイベントを大事にしてくれているライブハウスのブッカーの思いがあると綴っている。これに対して彼はこの日のセットリストは、“爆音全力をイメージしてて。さらに、自分なりの「月」も入れつつ”と続けて“「月」に関連する曲は先月に、ほぼほぼ演っていたので、、悩みつつ。けど、短歌に対して、月の砂1曲で行けると思って。それで締めました。”と記している。このコンセプトを後日読んでライブを振り返ると確かに照明も音響もアーティストのパフォーマンスを最も効果的に引き立てていた。

 この日のセットリストはアッパーな曲で構成され、ブログでの宣言通りアンプからギターの爆音が鳴り響いていた。彼のテンションも高く、ことある毎に「楽しんでるかー」と客席に問いかけていたのが印象深く心に残っている。観客席もそのノリに乗る様に歓声が多く上がっていた。そして、客席からも彼の「楽しんでるか」の問いかけの度に歓声と拍手で答え盛り上がりをみせていた。
 暗闇にギターの音が鳴り響き、徐々に髙木フトシの姿が見えてくる。ギターの重低音の旋律、それが振動が体に伝わる。胸が高鳴り最高に魂が震える瞬間だ。01.Illusionary eyes、05.Graphic painなどは曲はギターの爆音と低音が響いて心地良い。髙木フトシのギターを弾いて歌う佇まいと歌声、それだけテンションが上がるのだ。02.透明の錯覚。髙木フトシの一番の最新曲である。全部サビに聴こえる。最初の歌い出しからエモく、目も耳も、心も全て髙木フトシの歌に持っていかれる。この曲はお披露目されてからまだ然程、ライブで歌われていない。聴くたびに歌の像がハッキリしてくるのを感じる。聴く度にカッコ良さが増している曲だ。

 ひとしきり06 for green water,,,まで盛り上がった後、「ほんとにアレだぞ。楽しむ気はあるのか?盛り上がってんのか?」と髙木フトシが笑顔で客席に投げかける。それに拍手で答える客席にさりげなくに「愛してる」と彼は言った。続けて「まっ。言ってるだけだからな。。愛してる。。当然な、言ってるだけだぞ。心なんてこもってないからな。。。愛してるぜー!」と照れ隠ししながらも再度、「愛してる」と。客席からはそれに対してちらほら反応あった。それに対して「全然足りないな。そんなんだったら次の曲いけないぜ」と冗談に笑顔で客席を嗜める。会場の雰囲気は良い意味でまったりした空気になっていた。そこに髙木フトシの「用意はいいか!」の掛け声で会場の空気は一変する。本編最後の曲となるblind/blind。客席から髙木フトシに向けて自然に手が上がり大いに盛り上がりをみせている。

 アンコールは月に関する曲。上記に既に記した通り、彼なりに考えた月にまつわる楽曲を、月の砂の連鎖(vez)で最後は締まった。黄色の照明が彼を照らし、まるで月明かりの下で歌っている様な錯覚がした。そして当然、会場はより一層に盛り上がりをみせたていた。歓声があがり、両手を広げている観客の姿も見える。髙木フトシは「もっとこい!」と客席に煽る。客席はその言葉に答え歓声がわく。その光景はポジティブに、明るい光に包まれていた。会場のエネルギーはこの上なく高いものになっていた。
 
 最後に、髙木フトシが会場全体に叫ぶ。「今日の共演者全員と、ここ高円寺ROOTSに深い尊敬と感謝を。それと、ここにいて最後まで盛り上がってくれたみんなに。。。愛してるぜっ!サンキュっ!!」と。彼はそう叫び、ギターを置いてステージを後にした。それは2時間程のワンマンをやり切ったあとの様な光景と余韻だ。ライブ終了後、私の周りでは「楽しかった」と笑顔で感想を述べ合う光景が見られた。私自身もこの日のライブは最高にポジティブで楽しかったという感想しか浮かばない。

 彼はMCでも後日のブログでもこの日にライブについて「楽しい」「楽しかった」と述べている。それは心から思う気持ちだと感じるのだ。笑顔で楽しいそうにステージに立ち、自身の歌を全身全霊で歌う髙木フトシを観れば、それは本当のことであるとわかる。彼から発せられた高いエネルギーはその場にいた観客に伝わり、聴く者、観る者全てがこの日、この時、ライブの高いエネルギーを分かち合い、最高にボジティブなこの時を過ごせたのではないかと思う。
 


10/4 高円寺clubROOTS!SET

01 Illusionary eyes
02 透明の錯覚
03 Perfect life
-mc
04 Radio star
-mc
05 Graphic pain
06 for green water,,,
-mc
07 Blind/Blind

En
01 月の砂の連鎖(vez)

(髙木フトシ公式HP 10/5ブログより転載)

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