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10/13 浅草 Gold Sounds 高木フトシワンマン"偽善と微笑"

act:髙木フトシ



10/13 髙木フトシ浅草GSワンマンライブまとめ

「偽善と微笑」

吹っ飛ばす、不穏。
そんなイメージで重低音炸裂しようかなと。
(髙木フトシ公式HP 9/28ブログ引用転載)

 この日は彼にとって今年最後の浅草Gold Soundsでのライブ。イベントとワンマンを合わせて4回目の出演になる。
 浅草Gold Soundsは照明、音響とともに最高なライブハウスである。その実力あるライブハウスでの髙木フトシのライブパフォーマンスが最高のものでないはずがない。過去このライブハウスで行われた髙木フトシのライブは最高で満足した記憶しかない。こうした実績からもライブが始まる前から胸の高鳴りと期待でいっぱいであった。そして、この日のワンマンライブは、彼自身ライブ前日のブログで宣言している通り重低音炸裂させ、文字通り“吹き飛ばす、不穏”そのものだった。

 この日のセットリストは下記に転載してある通り。3種類3本のギター、多様な楽曲で構成されていた。このワンマンライブを振り返ると静と動、陰と陽の流れがありこの感情と身体の動きの振り幅が激しいライブだったと感じる。

 
 会場にSEが流れ出しライブが始まる緊張感が高まる。そこで髙木フトシが登場しSecond eyesのギターを奏で出す。髙木フトシワンマンライブのスタートである。次にふたつの月へと続き、観客は歌を歌い上げる彼に集中し、髙木フトシの歌世界へ自然と入り込んでいる。3曲目の赤く濁る水で演奏中に早くも観客に煽りを促す高木フトシ。客席からは彼に向け歓声で返す。赤く濁る水、この曲はジャズの雰囲気を醸し出す楽曲である。ギターの旋律、曲調には渋さがある。他の曲に比べると彼の歌唱がとても艶やかな印象を強く持つ。この曲を聴くと彼の持つ音楽の引き出しが多方面にあることを感じるのだ。

 赤く濁る水、02SEを経てOvertone of solitudeと。この曲はフラメンコギター様の旋律がとても耳にも目にも焼きつく。この曲のギターを弾く彼の右手の手捌きが見事でつい目がいってしまうのだ。シャカシャカとギターの弦を弾く右手の動きは見事で残像が残る。このギターの旋律と右手の手捌きを聴く観る価値ありである。
 
 そして、そこからガラっと雰囲気を一変させる表現のwhere、彼の地へ。重い空気と気怠さと、ザラザラした風を受け、暗い空が広がる景色が見えてくる。終わりが見えない物語りを髙木フトシが歌い上げるのだ。「違うよ」と叫び倒す無知の支配。淡々と一定のテンションで歌っているこの曲、終盤に繰り返される「違うよ」のフレーズが印象強く、感情が高まる。「違うよ」と聴く者の心にも問いかけられてくる様だ。

 03SEからのブロックはまた更に会場の空気を変えるSET。06.Graphic pain、アンプからギターの爆音が響く。07.透明の錯覚、08.for,,, green waterとアッパーな曲が続く。自分の身体が勝手にリズムに乗るのだ。手も足も自由に身体が動くと心も連動しテンションが上がっていくのがわかる。配信で彼の表情を観ると楽しいそうな印象で笑みが観える。割とシリアスな楽曲の印象のある透明の錯覚を微笑んで歌っている彼がとても印象的であった。

 ここは私的、余談の話しであるが、どんなスタイルでライブを鑑賞するのは自由である。髙木フトシの弾き語りはいつもは椅子に腰掛けじっくり彼の歌を聴いているのが常となっている。この日は思うとこあり楽しみ方を変えてみたらどうなるのか?という感情が起きた。そこでこの日の髙木フトシのライブは意図してスタンディングで鑑賞を試みてみた。
 髙木フトシのアッパーな曲で身体を動かしてみるとテンションの高揚に連れ心が解放されていくのが分かった。心が解放されると無敵に髙木フトシの楽曲でバンドライブノリで身体を動かし、両手を広げててリズムを取り曲に乗る。髙木フトシの弾き語り汗をかく。まるで新境地を開拓した心意気である。髙木フトシのライブの新しい楽しみ方を見出せた喜びがあり、最高に楽しい時間を過ごすことが出来たのだ。



 ギターを12弦ギターに持ち替えて更に盛り上がりは続く。12弦ギターの派手な音色とアッパーな曲は客席を巻き込んで盛り上がることが定番となってきた。彼が促さずとも自然に観客は手拍子を始める。彼がステージから観客に「もっと来い!」と煽る。さらに客席で盛り上がる様子を見せていた。ステージの彼も観客からのエネルギーを受け取り笑顔で嬉しそうに楽しそうに歌っている。

 12弦ギターの曲で会場が温まったところで明るくかった照明が落ち、次のブロックにいく03SEが流れ始める。まだ前のブロックの余韻が残っている中、彼はガットギターに持ち替えてしっとりと12.In the back of the chestを歌い出した。彼が歌い出すと一変に会場がクールダウンしたのを感じる。さっきまでの楽しげで華やかな雰囲気と会場は真逆の空気感。静かに落ち着いた声の彼の歌に観客もそれに反応し、観客皆髙木フトシの歌に集中、じっくりと耳を傾け聴きいる様だった。13.Erase it、14 太陽の花と彼の感情的な歌が続く。

 SE06からのブロックになると15.What
16.Whyと再びアッパーな曲が続き、明るいテンションが復活する。観客は彼の歌に合わせて各々自由に手を上げたり手拍子をしていたり楽しんでいる。髙木フトシも神妙な表情から笑顔に変わっていた。終演に向かって高い波が押し寄せてくる感じだ。
 
 ワンマンライブは終盤に差し掛かり、ラストスパート様相。最後2曲を前に短めのMC。浅草GSのスタッフに謝辞を伝える彼、そして来年の2月のライブハウス周年ライブがあることを伝えていた。
 最後はやはり爆音で締める。ギター弾き語りとは思えぬ唯一無二の爆音である。彼の魂込めた17.Blind / Blind、18.SLIDE。ライブ本編締めの歌に相応しく盛大にアンプから爆音が鳴り響いていた。観客は促される訳でもなく彼に向けて手をあげている。この光景は圧巻である。彼はワンマンライブ、本編全18曲を歌いきった。
 最初に彼がブログにて「ブッ飛ばす、不穏」を記したが、彼の予告通りブッ飛ばす、不穏。そのもののライブであったと思う。

 素晴らしいパフォーマンスの後に観客からのアンコールがない訳がない。客席からは盛大にアンコールの拍手が起こる。暫くして髙木フトシがステージに戻って来た。

 最近行われているバンドのレコーディングの話しや今後の活動、ライブ告知、曼荼羅ワンマンでの新曲などが話された。そして、MCは続き、彼が強く言いたいとこのMCの言葉を聴く人、届くであろう人、届いて欲しい人、全ての人へメッセージを話し始めた。以下に髙木フトシが伝えたメッセージを記しておく。私もこの言葉が必要な人に届いて欲しいと願いう。このメッセージのあと、極彩色の革命を全身全霊で歌い彼の思いを伝えていた。メッセージと歌詞はリンクしているだろう。これらをを読んで頂ければ彼の思いがわかる。

以下、高木フトシMCの文字起こし。
 最後に。すごい大きな声で言いたい。みんな必ず誰かに愛されてるから。そこに気がつかなかったとしても。絶対愛されてるから。誰も彼もが。それをね。強く言いたい。ほんとに孤独で。孤独な奴なんていないから。ほんとに孤独だと思って。本当にこれ絶望だと思うんであれば。それチャンスだから。孤独じゃないから絶望すんだから。それは誰かがどっかで君を愛してる人がいるんだよ。それを強く言いたい。だからニュースとか。YouTubeとか。SNSとか。色んな負の言葉が沢山あるとは思うけど。そんなことに目に向けたり耳を傾けるんじゃなくて。愛されてるから。だから自分の目の前の何かを。手に取って。動いて。いけばいいんじゃないかな。それが出来れば。もう君は勝ってるさ。


 この日に行われたワンマンライブはとても楽しく幸せな時間を過ごすことが出来た。今回、新たな発見としては、音楽は身体と心も連動し楽しむものなのだと言うことが分かった。終わった後にいつもより楽しいの余韻が強く残った。髙木フトシの弾き語りは時に重くハッピーに楽しめるものではないが、自身が思うよう自由に楽しめば良いということだ。それは今更な発見であったとしても、この発見は私にとってそれも有意義なものだ。これからは形に囚われない楽しみ方が出来れば良いと思う。


極彩色の革命 

         lyrics 髙木フトシ

色とりどりの旗 革命
それでも 
世界が何色かは知っている

だから もう一度 そう もう一度 
そう あの高い空へ いこう
そして 何度でも 地に叩きつけられよう
そう あの高い空へ 何度も

色づく街並みを 避けて
それでも
寂しさに揺れ 立ち止まり 思い起こす
なのに もう一度 そう もう一度 
そう あの高い空は そこに
そして 何度でも 傷つき折れ倒れよう そう あの高い空は そこに
越えていこう 立ち上がるだけでいい
越えていこう 
ただ真っ直ぐ ひたすらに ただ真っ直ぐ 向かえばいい
かなわぬ 答えなんて 無くていいよ
こんな世界に意味はない
ここにいる意味もない
君に(僕に)何が分かるというのだろう Oh
唾を吐き 捨てられ
生まれてきた意味を問い
広がり続けてきた 傷跡は
憎むべきことすらも 愛すべきことすらも
いつかは忘れると 言うんだろう
それでも それでも この世界は美しく
越えていこう 越えていこう
立ち上がるだけでいい
越えていこう 立ち上がるだけでいい

鮮やかな青き空 暗闇へと誘う空
そんな一日の空は 見なくていい
必ず君の背中を 誰かが その君のその手を
君は ただ 立ち上がるだけでいいよ
そうだよ 
愛している 何度でも
愛している 何度でも 
愛しているんだ 何度も

だから もう一度 そう もう一度 
そう あの高い空へ いこう
そして 何度でも 地に叩きつけられよう
そう あの高い空へ 何度も
なのに もう一度と そう もう一度と
そう あの高い空は そこに

そして 何度でも 傷つき折れ倒れよう そう あの高い空は
そこに あるだろう
越えていこう 越えていこう
立ち上がるだけでいい



高木フトシ 2019.03.21 at 吉祥寺 曼荼羅 極彩色の革命ライブ動画
(xxAKUHxx YouTubeチャンネル)

  1. 極彩色の革命

  2. Even if it evil

  3. Progressing and proceeding



10/14 浅草Gold Sounds SET


SE 01
01 Second eyes
02 ふたつの月へ
03 赤く濁る水

SE 02
03 Overtone of solitude
04 Where
05 無知の支配

SE 03
06 Graphic pain
07 透明の錯覚
08 for,,, green water

SE 04
09 No one knows that fact
10 Even if it evil
11 Lost mercury

SE 05
12 In the back of the chest
13 Erase it
14 太陽の花

SE 06
15 What
16 Why

Mc
17 Blind / Blind
18 SLIDE

En
01 極彩色の革命

髙木フトシ公式HP 10/14ブログ転載


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