最近の記事

感情の振れ幅

読み始めた小説がつまらなくて、読み進められなくなってしまった。こういうことは最近なかなかない。 結構評判がよく気になっていたので、古本屋で見つけた時とても嬉しかったから、ちょっとショックだ。 何が気に入らないかというと、文章が気に入らない。 品がなくて面白くない。低俗で読む気になれない。しかもめちゃくちゃ長いので時間の無駄のように感じてしまう。 何だか自分でも、よくもこんなに上から目線の悪口が出てくるものだなと思う。 文章に対するこだわりが強くなりすぎているだろうか。 よくわ

    • 美しい日

      10月は美しい天気の日が続いた。 職場の宿泊行事の2日目、全く寝てなくて死にそうになっていたバスの車窓から、大きな富士山が見えたのには驚いた。夏に通った時には全く見えなかった。 その日は結局夕方まで働きすぎて、翌日は熱を出して一日休んでいた。 声が出なくなる時は限界を超えて働きすぎた時なんだなと気付いた。 連休は娘と大学祭に行った。 秋の大学は本当に美しい。 娘は何故か食い意地を張って出店の食べ物を次々とねだっていた。 その次の週末はまた仕事で、娘の運動会も見られず。

      • 創造的人生の持ち時間

        中学生の頃、初めて自分で見つけて好きになったバンドがアジカンだった。 当時買ってもらったオーディオセットでラジオを聴いていて、そこで流れてきたリライトが妙に気になって名前をメモしていたのだ。(その後ハガレンの主題歌で流れてきた時は気づかなかった) 最初に買ったアルバムは『ソルファ』で、それからずっと一人で追ってきた。今思えば、バンドの全盛期をリアルタイムで聴いてきたのだ。 ツイッターで初期にフォローしたのもアジカンのゴッチだった。震災の頃のゴッチの発信と活動はすごくて、当

        • マッチョな世界

          娘が、ピアノのレッスンに行きたくないと言う。 出される宿題を全くせずに、直前にやろうとしてもできなくて不貞腐れて、グズる。 気持ちは分かる。私もそうだった。だからこそ情けなくなるし、やめてしまえばいいと思うが、それでいいのかも分からない。 もうやめるか、と聞けばそれは嫌だという。そりゃ、先生との関係もあるし、相当の意思がなければ子の方からやめるというのも難しいだろう。私だって、どう言い出していいのかも分からないし、しばらく習ってきたことを簡単にやめさせていいのかも分からない。

          疲れてしまった

          また疲れてしまった。人と比べるから疲れてしまったのだ。 自分の社会性のなさで、仕事で失敗することがある。主に外との交渉ごとのときだ。 私は連絡の頻度やマナーが分からないため、大抵なるべく控えめにしようとする。連絡することを迷惑ではないかと思ったり、大げさすぎて恥ずかしいのではないかと思うのだ。しかし失敗するときのほとんどは連絡が足りていなくて、思ったのと違うことが起こったり、最悪相手を怒らせたりする。しかも仕事だと、それに周りを巻き込んでしまう。 普段関わりのない人や場と連

          疲れてしまった

          不自由なこと

          昔から、喋ることが不自由である気がする。 中学生の頃、隣の家の同級生と一緒に帰っていた。自転車で並んで走りながら、彼女はその日クラスであった面白いことを毎日よく話してくれた。私はいつもそれを聞きながら、同意できないことには全然同意しなかったりと、たぶんいい聞き手ではなかったと思うのだけど、彼女は私が話を聞いてくれることが大事な時間だと言ってくれたことがあった。 本当は私も友人のように話がしたかった。でもその日学校であった面白いことを、思い出そうとしても出てこないし、どう話し

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          生きるかなしみ

          また虎に翼の話から。 今週のラスト、原爆裁判の判決が読み上げられるシーンは圧巻だった。汐見の心の通った一言一句を息を詰めて聞いていた。これが本物の判決文だと言うのだ。 法的に原告側を救う手段がなくても、何かできることがないだろうかと悩んでいた寅子。いつものようにダイニングテーブルに書類を広げて思い悩んでいるところに、よれよれになった百合が現れる。倒れ込み、真剣な形相でバナナを貪り始める。 そこで寅子が掛けた言葉は一見場面から外れているように思えるが、弱さを晒して生きている

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          言葉は希望

          先週の虎に翼の話。 別姓のまま「夫婦のようなもの」になることを決めた寅子と航一に、学生時代の仲間たちがサプライズで集まって、結婚式のようなものを開いてくれる。 それは、二人の「それぞれの姓での婚姻関係を認める」との判決文の言い渡しだった。 友人たち一人一人が、落ち着いた語調で主文とその理由を順々に読み上げる。 最後に、「我々の見解に法的効力はないが、これを二人への、結婚の祝いの言葉とする」との轟の温かい言葉があり、寅子も航一も涙を見せる。 この場面が不思議と忘れられなくて

          言葉は希望

          多様なコミュニケーション

          年に一度実家に帰る。 2泊3日で、両親と妹、祖父母に会うようにしている。 遠出が苦手な娘と夫を連れて行くので、どう過ごそうか私もそれなりに緊張して計画するが、当の実家の人々はひたすら受け身で、私の言うことに曖昧に頷くだけである。 あげくに決めたはずの予定を30分後に覆してきたり、とにかく気まぐれで主体性がない。昔からこの家で予定が決まらないことにイラつくのは私だけだった。そこが何だか居心地が悪い。 昔からじゃあこうしよう、と言い出すのは私だけで、そうしなければ誰も何も決めな

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          15年越しの冒険

          人生で最も夢中になった本、生まれて初めてハマった本は、と聞かれたら、正直言いにくいのだけれど、間違いなく言えるものがある。 ハリーポッターシリーズは、私が小学生の頃話題になり始めて、1巻と2巻を母が買ってきてくれた。それから3巻、4巻と、数年ごとに出版されるのをものすごく楽しみにしていた。 4巻までを穴の開くほど読み込んで、映画も楽しんで、5巻の日本語訳を待っていたときが私にとってのブームの最高潮であった。 結局5巻は高校生になった頃出版されていたけど、きちんと読んだ覚えが

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          世界の話

          夜明かりを消して寝ようとしているとき、娘にふと「ねぇママ」と話しかけられると、ちょっとドキッとする。何を聞かれるのかな?と一瞬身構えてしまう。 娘は普段あまり学校の話などをしない。自分からしないし、私も特にしつこく聞かないけど、気にならないわけじゃない。だから寝る時に急に何か話し出すと、あらたまった話でもあるのかなと思う。 でもそういう時だいたい私の予想は外れていて、笑っちゃうほどどうでもいい話なのだ。 今日は、最近良いこと続きなんだよね、と言うので、何がそんなに?と聞くと

          イメージの中のニッポンとムラカミ

          この夏観たい映画があまりないな、と思っていた。 村上春樹原作のアニメ映画があると聞いても、あまり乗り気ではなかった。絵柄が趣味じゃない気がするのと、短編を繋げた夢の世界みたいなアニメ、ちょっと苦手なんだよな、と思ってしまう。パプリカとか。苦手なんだよな。 しかし評判がいいのを見かけてやはりちょっと気になる。何事もいつも疑いから入っている。 外国人の監督が、村上春樹の6つの短編から作ったという『めくらやなぎと眠る女』。 キャラクターの造形や絵柄はまさに外国のアニメ。日本のアニ

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          夢を叶える事務

          坂口恭平さんは好きだが、事務?関係ないかな…とスルーしていた本。書店でふと開くと、漫画だったのにも驚いたし、何やら大事なことが書いてありそうだ、と思ってやはり購入した。 漫画なのですぐに読めて、2回読んだ。 事務、というのは所謂事務職のことではなくて、何かをするための方法、ということのようだ。 自分がやりたいことをするための、お金の管理と、スケジュールの管理をすること。やりたいことを実現するための方法。 以前坂口さんの、テスト勉強の方法についての中学生向けの本を読んだが、そ

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          普通書かないこと

          今日は仕事の後で婦人科に行った。 いつもまとめてもらっている薬がきれるため、行かなければいけなくて、やっと行けた。 普段は2時間くらいかかるが、今日は街のお祭りのためか嘘のように人がいなくて、すぐに診てもらえたのは奇跡的だった。みんなそんなに祭りに行くのか? いつもながらよく分からない検診の結果を聞いて、また検診をして、また結果を聞きに来てくださいという。 それと毎年この時期の検査では採血があって、それが苦手だ。自分でも驚くほど緊張してしまう。 今日も針が刺さっている時間が

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          それでもいいんじゃないか

          夏休みに入ったので、やりたいと思っていたことを次々にやるようにしていると、たちまち毎日が過ぎていく。 まずは自分と娘の弁当を作ること。これがとにかく苦手で、事前にインスタの動画で調理工程のイメージをもち、いつもより早く起きて、せっせと作るが、うまくいくことはほとんどない。普段料理をしないので、自分が食べる量や作り方、味付けなどに全く見通しをもてないのだ。それでも少しはできることを増やそうと思ってやっている。やってみることが大事なのだと思っておく。 あとは読みたい本を次々買っ

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          明治文化の亡霊

          学生の頃、エレカシが大好きだった。 最近はめっきり追いかけていないけど、ふと昔の楽曲を歌っているライブ映像を夫が見せてくれた。 近年はポップで美しい曲をたくさん出して、今も活躍しているけど、若い頃はとにかく渋くて独特の楽曲も多く、私もよく聴いていた。 ライブ映像では、23歳のときに、団地の部屋で火鉢を焚いて親に心配をかけていたという話をして、すごく長い退廃人の独白のような曲を朗々と歌う。 懐かしくなって、家にあったEMI時代の自選作品集というアルバムを聴いた。 明治文化が

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