君がもつ「氷の魔法」
いつも何かに怯えている。
いつも何かが怖くてたまらない。
職場でも、家族の前でも。
嘘をつくのが怖い。
僕が嘘をつくと、それを見透かして、悲しむ人がいるから。
蔑んだり、否定したり、非難する人もいるから。
否定されるのは怖い。
本当は、本当の自分を知られるのが怖い。
異常だと笑われてしまうかもしれないから。
おかしいと言われるかもしれないから。
普通じゃないと言われるかもしれないから。
笑われることでしか、僕の居場所は保てない。
僕は心の扉を開いたままのピエロになる。
笑顔のまま、悲しみを表現する。
仮面を捨てて、
笑われて、
おかしいと言われて、
何の抵抗もなく傷ついて、
でも誰かを否定したくはない。
みんな肯定して受け入れて、
もう受け入れるスペースがなくて、
でも無理やり受け入れることしかできない。
意志のない。
そんな状況で心はゆらゆらと形を失って。
熱のように、不安定に揺れ動く心。
でも、君と会うと。
君の、たった一言で覚醒できる。
心が潤う。
潤いすぎて、ふやけて、泣いてしまう時もある。
僕が僕のままで居ることを許してくれる。
見栄を張っても許してくれる。
君の隣りに居れば、もう何にも怯えなくていい。
冷たい印象と裏腹の、優しい行動。
一緒に浮いて、沈んでくれる。
少しあまのじゃくな、君の冷たさに包まれて。
願わくば、ずっとこのまま。
2人で適温になれば、それが1番心地良い。
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