しおれた花に、 どうか回復してくれと、 元気を出してほしいと、 水を与えて、 さらに与えて、 またさらに与えてるうちに、 自分が飲む水もなくなり、 やがて自分もしおれ…
胸が苦しい。 息が、肺が、いつもより少し締め付けられる感じがする。 感受性の、受信アンテナが普段よりも過敏になっているせいで、少しのことで動揺してしまう。 凪。感…
久々に恋をした。 同じ大学の、同じサークルの、可愛い後輩に恋をした。 まさか、と思った。 今までずっと、「弟のような後輩」としか見ていなかったから。 君だって、私…
鏡よ鏡。 この世で1番可愛いのは誰? 私の鏡はいつだって、 「あなたの弟よ。」 と応える。 弟は可愛い。 いや、私は可愛いなんてこれっぽっちも思ってない。 あくまで両…
舞台には、魔法がかかっている。 いや、「魔法がかかる瞬間」がある。 アスリートは、集中力を最大限に発揮した結果、「ゾーン」に入ることができるらしい。 では、私が…
昼休み後半。 千夏は別授業のため、8号館へ移動してしまい、空きコマの私は1人になった。 食堂は蒸し暑いので、近くのコメダへ移動し、着席するなり葵のアイスを頼む。 グ…
私はチョコレートが好きだ。 だから、普段食べるお菓子も、アイスも、もちろん誕生日ケーキもチョコレート一択だ。 なんでチョコレートが好きかって? まあ、上手くは言え…
1月に生まれたから、「睦月」と名付けられた。 なんて単純な。と、今でも彼女は思う。 睦月は、幼いながら、自分が周りより劣っていることに勘づいていた。 身体は小さく…
わかる、わかる。 ほんとつらいよね〜。 大丈夫。何でも相談して? いつでも話して良いよ!! 今度ご飯行こ!! うん、わかる。 つらいよね、そういう時。わかるよ。 …
1ヶ月ぶりのデート。 初夏のじめじめとした空気と、刺さるような熱い日差しの中で君を待つのは幸せだ。どうかしている。 待ち遠しい待ち遠しい、夏が待ち遠しいと風が鳴る…
お前の世界と俺の世界。 人間は誰しも、一人一人、自分の世界を持っている。 何が普通で、何が変なのかはわからない。 でも、俺の世界が「普通でない」ことは確かだ。 「…
僕には好きな人がいる。 2つ上の、大学の先輩だ。 先輩と僕が所属する文学同好会では、毎週火水金曜日、部室に集まり、雑談したり、読書会をしたり、小説を書いたり、お菓…
邪悪な存在の私は、この純粋無垢な少女を救いたい。 助けたい。 目の前に立つ、紺色のセーラー服を着た少女。 肩上までの髪は黒く、艶はあるが無造作である。 細い目は少…
この春、私は一人暮らしを始めることになった。 1K6帖。 この部屋の支配者は私だ。 私は部屋を作る。 薄いグレーのラグに、まっさらな白地のローテーブル。グレーのゆっ…
よあけるな
2024年8月18日 00:52
しおれた花に、どうか回復してくれと、元気を出してほしいと、水を与えて、さらに与えて、またさらに与えてるうちに、自分が飲む水もなくなり、やがて自分もしおれてでも自分だけが楽している気がして、でも自分だけが役に立ってない気がして、さらに水を与えて、もっと与えて、もっともっと与えてしおれた花2輪は底へ這い上がる力はなく日光には遠く
2023年4月12日 13:07
胸が苦しい。息が、肺が、いつもより少し締め付けられる感じがする。感受性の、受信アンテナが普段よりも過敏になっているせいで、少しのことで動揺してしまう。凪。感情の理想は凪。穏やかでいたい。感情を波立てたくない。のに。満月のころはいつもこうだ。聴こえない声は、飛んでくる刃物のように。自身の心の声は冷たい。自分を痛めつけて、どんどん暗い道にハマっていく。楽器を弾くのが好きだ。で
2023年1月4日 20:08
久々に恋をした。同じ大学の、同じサークルの、可愛い後輩に恋をした。まさか、と思った。今までずっと、「弟のような後輩」としか見ていなかったから。君だって、私のことを「姉のような先輩」として見ていただろう。大学卒業後、君とは疎遠になるだろうと思っていた。けど君は、「先輩、ご飯行きましょう!」と何度も誘ってくれた。最初は焼肉。君が「車を出す」と言ってくれたので、お言葉に甘えることに
2022年12月10日 10:26
鏡よ鏡。この世で1番可愛いのは誰?私の鏡はいつだって、「あなたの弟よ。」と応える。弟は可愛い。いや、私は可愛いなんてこれっぽっちも思ってない。あくまで両親にとっては、弟は最高に可愛いらしい。週末。今日は中学が休みなので、私は1人で留守番をする。学習机に向かう。課題を片付ける。さらに、数学の勉強も済ませる。数学は苦手だ。授業中に「難しいな」と感じた日は、必ず帰宅してか
2022年9月26日 19:03
舞台には、魔法がかかっている。いや、「魔法がかかる瞬間」がある。アスリートは、集中力を最大限に発揮した結果、「ゾーン」に入ることができるらしい。では、私が今いるここはどこなのだろう。舞台をぼんやりと照らすライト。先ほどまでは、やわらかなオレンジ色だった。奥にはお客さんがいる。光崎大学マンドリン倶楽部の定期演奏会。 部員29名。うち、5名が本日引退する。私の1つ上の先
2022年7月19日 19:30
昼休み後半。千夏は別授業のため、8号館へ移動してしまい、空きコマの私は1人になった。食堂は蒸し暑いので、近くのコメダへ移動し、着席するなり葵のアイスを頼む。グラスの水滴。玉のような、ガラスのような透明なそれに見惚れていた。そして、小豆とアイスコーヒーと氷の溶け合い、混ざり合うのを眺めた。外の蝉の声に耳を傾けたりもした。誠に風流である。否、大変暇なのである。明後日までに終わ
2022年7月13日 23:43
私はチョコレートが好きだ。だから、普段食べるお菓子も、アイスも、もちろん誕生日ケーキもチョコレート一択だ。なんでチョコレートが好きかって?まあ、上手くは言えないのだけど。 目の前のハート型のケーキ。味はもちろんチョコレート。グレーブラウンのフリルのようなホイップクリームに、苺の赤が花飾りのように美しく生える。いただきます、と手をつけようとした時。「あ、このケーキも美味しい
2022年7月7日 22:17
1月に生まれたから、「睦月」と名付けられた。なんて単純な。と、今でも彼女は思う。睦月は、幼いながら、自分が周りより劣っていることに勘づいていた。身体は小さく、体力も無かった。小1の頃。初めてのマラソン大会では、女子80人中71位。足が遅かった睦月は、足が速い子を心底羨ましいと思っていた。さらに、睦月の通う小学校では、足が速くて目がぱっちりしている子がモテた。そのことが睦月の
2022年7月7日 09:12
わかる、わかる。ほんとつらいよね〜。大丈夫。何でも相談して?いつでも話して良いよ!!今度ご飯行こ!!うん、わかる。つらいよね、そういう時。わかるよ。何でも相談して!力になれる事があったら言ってね!! ペチャクチャペチャクチャ。運ばれてくるデザート。とめどないおしゃべり。共感。励まし。スイーツは、甘い毒のように身体を侵食し。吐き出される悩みは、心
2022年7月3日 08:42
青系魔法少女になりたかった💎(?)
2022年6月30日 17:23
1ヶ月ぶりのデート。初夏のじめじめとした空気と、刺さるような熱い日差しの中で君を待つのは幸せだ。どうかしている。待ち遠しい待ち遠しい、夏が待ち遠しいと風が鳴るのを聞いていると、君は少し小さくなりながら「お待たせ」と言い、やってきた。「そんなに待ってないよ」とは言うものの、かなりの時間突っ立っていたこと、君にはお見通しだろう。ということを、僕はお見通しだ、というか、まあ、そんなことはどうで
2022年6月22日 23:08
今すぐ使いたい魔法第1位痩せる魔法
2022年6月19日 11:15
お前の世界と俺の世界。人間は誰しも、一人一人、自分の世界を持っている。何が普通で、何が変なのかはわからない。でも、俺の世界が「普通でない」ことは確かだ。「友達たくさん出来ますように!」「………」「俺の名前の由来。友達!たくさん出来ますように!!」「…………うるさい。」大学の入学式。俺と長谷は、晴れて同じ大学に入ることができた。長谷はともかく、俺はよく頑張った。長谷はともかく
2022年6月19日 01:24
僕には好きな人がいる。2つ上の、大学の先輩だ。先輩と僕が所属する文学同好会では、毎週火水金曜日、部室に集まり、雑談したり、読書会をしたり、小説を書いたり、お菓子を食べたり、雑談したり雑談したり雑談したりしている。文学同好会と言うよりは、雑談同好会の方が正しいかもしれない。(なんて言うと、部長に叱られるので言わない。)ある日の昼休み。次の授業の教室への移動途中。校舎の前では、サークル
2022年6月18日 12:31
邪悪な存在の私は、この純粋無垢な少女を救いたい。助けたい。目の前に立つ、紺色のセーラー服を着た少女。肩上までの髪は黒く、艶はあるが無造作である。細い目は少し暗く、顔は少し青白い。美人ではないし、田舎の素朴な女の子、という印象だ。名前は「香純」。「かすみ」と読む。この子は優しい。否、優しすぎる。そんなんだから、舐められる。クラスメイトに「不細工」と言われても、ヘラヘラと笑
2022年3月21日 19:28
この春、私は一人暮らしを始めることになった。1K6帖。この部屋の支配者は私だ。私は部屋を作る。薄いグレーのラグに、まっさらな白地のローテーブル。グレーのゆったりとした座椅子。白地のテレビ台の上に、小型のテレビ。このテレビは社会を映し出すし、また、私の好きなアニメを映すこともできる。もちろん、YouCubeやNetflexも。リラックススペース(天国)ができたところで、次に背後