月草色

秋風に毛先を攫われ風になびくたびに、身体を焦がす夏が過ぎ去ったのだと体感する。
けたたましく刹那の叫びをあげる虫の声も遠い昔のように感じる。群青の空は季節の移ろいと共に色を薄くしてゆく。巡る季節の切なさと期待が入り混じる中間色のような今日この頃の一瞬の色の輝きを見つめている。

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