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大福餅を通した異文化交流

インドネシアでは、餅はmochiとしてよく知られている。イベントの時の屋台で売られていることもあるし、mochi専門店も多い。

先日アグンさんの家族との会食の時に餅を作って持参した。大福餅である。以前、ブブル・カチャン・ヒジャウ(緑豆粥)を作ったことがある。緑豆で作る甘いお粥である。その時、緑豆でなく赤い豆を使えば、あんこのようなものが作れるのではないかと思ったのである。

サンモールUGMで見かけた大福餅

先日、サンモールUGMに行った時に屋台のモチを食べてみたが、中に入っていたのはチョコレート味の何かであった。あんこは食べないのかもしれないが、緑豆もデザートとして食べることだし、赤い豆からあんこを作れば、インドネシア人にも受けるのではないかと思った。

(サンモールUGMについては以下)

餅米粉と赤豆

カチャン・メラ(赤豆)は500gを150円で市場で購入した。求肥は、色々調べてみると、tepung ketan/glutinous rice flouerを使うらしい。餅米粉である。インドネシアではよく知られたRose Brandのものを500g130円程度で購入しただろうか。

まず1晩水につけた赤豆150gを鍋で水とともに煮た。何度かお湯を捨てながら、水を足しながら1時間程度煮つつ、柔らかくなったところでグラ・メラ(ヤシの木からとった黒砂糖)を100gと塩少々を加えた。豆のかたちがなかなか崩れてくれないので、煮ながらスプーンを使って、豆を潰していった。その後、出来上がったものを6等分し、熱を冷ます。

味見をしてみると、少し甘みがさっぱりしている感じ。日本人にはこれでOKだが、インドネシア人にはもう少し甘い方がいいかもしれない。インドネシア人仕様にするために、生地の方に砂糖を若干多めに入れてみることにする。

餅米粉は150g程度を水180g砂糖50gに溶いて、鍋で弱火で火にかけながら、木べらで練っていく。全体に透明感が出てきたら、クッキングペーパーの上にタピオカ粉を広げたところに移し、6等分にする。片栗粉がないので、代用としてタピオカ粉を使った。

あんをそれぞれ生地で包み完成。けっこうボリュームが出てしまった感じだが、試食したら、甘味も十分でとてもおいしかった。自信を持って1階の食事会へ向かった。

これまでもインドネシア人にお土産を持っていくことがしばしばあったが、その場であける習慣はないようで、お土産はしまわれて、どういう反応だったのかを知る機会は少なかった。

考えてみれば、日本でもかつてはそうでったのではないか。いただいたお土産をその場で広げてあーだこーだというのは、はしたなく失礼という感覚である。最近では西洋的な習慣からか、その場であけて感謝を述べるかたちが一般的になっているような気がするが、これもまた文化的なコンテクストが違うと対応も違ってくるものなのだろう。

4名にそれぞれ1個ずつのイメージで4個持っていったが、散会のギリギリまで我々が飲んでいたこともあって、その場で食べてもらえたのは義理の妹のティティさんだけであった。

彼女は、大きいからと言って半分に割った大福を皿の上に置いて、食していたが、甘くて美味しいとの感想であった。赤豆の豆の味や甘さと塩味のバランスとか生地とあんのバランスとか細かい調整はあったと思うが、とりあえずは受け入れられたということだろうか。

インドネシアにある素材のみで、インドネシア人に親しみのある餅を、日本人の感覚で作ることで、相互の文化理解へ一歩踏み込めたのではないかと勝手に思っている。241016

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