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インドネシアのたこ焼きは、たこ焼きなのか?

屋台でたこ焼きを売っていたので、ものは試しにとたこ焼きを食べてみた。

先日ロンボクのお祭りの時にもたこ焼き屋台を見つけた。ロンボク島の山奥でである。それだけ、たこ焼きがインドネシアに広まっているということである。その時は食べなかったが、日本のたこ焼きよりも少し大きな穴がボコボコとあいた円形のプレートでたこ焼きなるものを作っていた。

どうやら、たこ焼きはインドネシアではけっこうポピュラーなようだ。Wikipediaには、ジョグジャカルタのスルタンの王女が自国PRのために来日を繰り返す中で、たこ焼きの味と手軽さに惚れ込み、2006年に築地銀だこをジョグジャカルタに誘致したとある。他のネット情報だと、インドネシア大手企業のフーズ・ビバレッジが2017年に築地銀だことフランチャイズ契約を結んだとある。フーズ・ビバレッジの親会社カワン・ラマ・グループのHPによると現在インドネシア国内で24店舗とのことで、たこ焼きがインドネシアに根づいていることがわかる。

さて実食。5個で10,000ルピア(100円)のたこ焼きを食べた。イメージするたこ焼きよりは少し大きめである。きれいな球状をしている。外側は焼かれており、内側は柔らかい。果たして具は、バクソであった。ミートボールであるが、牛肉であろうか。ソースはチリソースとマヨネーズのような白いソースとたこ焼きソースのような茶色いソースで最後に鰹節をふりかけた。寿司を食べた時の違和感よりは、受け入れやすかった。たこ焼きである。

最近は何でもあるがままを受け入れるようになってしまっているが、今一度考えてみよう。これはたこ焼きなのか?

たこ焼きであるかどうかを考えるには、たこ焼きとは何かを考えねばならない。たこ焼きとは何か?笑

広辞苑によると、、、
溶いた小麦粉に卵を混ぜ、出し汁・天かす・ねぎなどを加えて鉄製の型に流しこみ、刻んだ蛸を入れて球形に焼き上げた食品。ソース・青のり・削りぶしなどを掛けて食する。大阪から全国に広まる。(広辞苑 第七版)

全行程を見ているわけではないが、今回食べたものは、生地部分は小麦粉と卵だけで、具としてはバクソのみ。ソースは3種類、あとは鰹節である。作っているのを見た感じでは、バクソだけでなくソーセージも入れてあるものもあるのかもしれない。

たこ焼きとの違いは、まずは蛸である。蛸の入っていないたこ焼きである。他、だし、天かす、ネギもなかった。私自身関西出身ではなく、たこ焼きネイティブではないので、わからない部分もあるが、天かす、ネギはなくてもだしは必要かもしれない。大阪のたこ焼きも、元々はソースではなくだしにつけて食べていたという歴史もある。

まあ、蛸が入っていない時点でたこ焼きではないと断じることができるといえばできるのであるが、たこ焼きも歴史的には、こんにゃくの入ったラジオ焼きから始まって、醤油味の牛肉の入った肉焼きになり、1935年に明石焼きを参照して、蛸と卵の入ったたこ焼きに至ったという。ウースターソースを改良したとんかつソースを使うようになったのは1948年以降とのことである。

たこ焼き以前はたこ焼きではないといえばたこ焼きではないが、たこ焼き以前にたこ焼きの原型があると見れば、小麦粉から作る丸いものはすべてたこ焼きといってもいい。

いずれにしても、1000円から2000円でインドネシアでもたこ焼き機が買えるみたいなので、一度インドネシアの友人を招いて、たこ焼きパーティをしながら、たこ焼きとは何かについて語り合いたいと思う。241006


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